VNI鈴凛 過去ログ 05/11/01-05/12/31

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2005/12/28 雨の降る宵はあなたに会いたい♪
2005/12/11 海図なき航海
2005/12/08 コード・ブルー!
2005/11/28 それもアリ
2005/11/27 記事は歌う、されど進まず
2005/11/26 わが屍を越えてゆけ
2005/11/16 生きるための退却
2005/11/05 ♪更けゆく秋の夜〜

ニュースクリップ

(12/17 10:00更新)
★NBCテレビドラマ「The West Wing」のジョン・スペンサーさんがロサンゼルスの病院で死去、58歳。【ロイター=ロサンゼルス発・米国東部時間19:01(日本時間09:01)
(12/17 09:45更新)
★アメリカのベテラン俳優、ジョン・スペンサーさん死去、58歳。「The West Wing」(邦題「ザ・ホワイトハウス」)で首席補佐官演ずる【米ABCテレビ / NHK BS】
(12/16 00:00更新)
★プロ野球・オリックス前監督の仰木彬さん死去、70歳【NHK】
(12/14 05:00更新)
★FRB(米連邦準備制度理事会)、13回連続で金利引上げを決定、4.25%に。「持続可能な経済成長と物価安定の双方を考慮」=声明で【ロイター=イスラマバード発・米国東部時間14:42(日本時間04:42)
(12/13 09:30更新)
★アフガニスタン・ヒンドゥークシ地方で強い地震、アメリカ地質学調査所によれば地震発生は現地時間午前03:17(=米東部標準時16:47=日本時間06:47)、地震の規模はM6.7。ニューデリーやペシャワルでも強い揺れ。【ロイター=イスラマバード発・米国東部時間18:30(日本時間08:30)
(12/13 00:15更新)
★鎮痛剤「バイオクス」訴訟で、2001年の心臓発作について連邦裁が審理無効の決定下す【ロイター=ヒューストン発・米国東部時間10:03(日本時間00:03)
(12/08 07:00更新)
★イラクで人質になっている4人の欧米人援助関係者について、武装勢力が期限を12月10日まで48時間延長。ハマスやヒズボラを含む世界各地のイスラム教指導者が援助関係者の解放求める。アルカイダへの関係の容疑でイギリスで逮捕されたヨルダン人聖職者も、援助関係者の解放をビデオで訴え。「政府の政策ゆえに人が処罰されるべきでない」と解放呼びかける【ロイター=ドバイ発・米国東部時間16:38(日本時間06:38)
(12/08 06:30更新)
★マイアミ国際空港で、爆弾持っていると主張したアメリカン航空924便の乗客を射殺。射殺されたのは「44歳のアメリカ人男性」=米本土安全保障省報道官。法執行機関は「今のところ爆弾は発見されていない」と。【ロイター=マイアミ発・米国東部時間15:55(日本時間05:55)
★マイアミ国際空港で、「爆弾持っている」と言った男を航空保安官が射殺【CNN / NHK BS】
(12/07 12:10更新)
★マンション耐震強度偽装問題、姉歯秀次建築士を警視庁が任意で取り調べ【NHK】
(12/06 21:50更新)
★イラクで武装組織がアメリカ人治安関係者を拘束=アルジャジーラがビデオ放送。「ロナルド・シュルツ氏」のパスポートが映像に。イラクの囚人の解放を要求。確実かどうか不明とアルジャジーラ伝える【ロイター=ドバイ発・米国東部時間07:40(日本時間21:40)
(12/06 21:10更新)
★スペインの分離独立過激派ETAが空港に爆弾仕掛けたと電話予告。警察は空港から避難させた上で事実かどうか調査中【ロイター=マドリード発・米国東部時間06:54(日本時間20:54)
★テヘランで軍用輸送機が住宅密集地の10階建てビルに激突し墜落。国際空港に緊急着陸しようとした矢先。IRNA通信社によれば火災現場から10人の遺体を収容と。「建物全体が燃えているように見えた」「窒息しそうだ」=現場の赤新月社職員がロイター通信に【ロイター=テヘラン発・米国東部時間06:47(日本時間20:47)
(12/06 20:40更新)
★イラクの警察学校で自爆テロ、27人の警官と学生死亡、32人が負傷。自爆テロ犯2人は女性。現地時間12:45(GMT09:45=日本時間18:45)の爆発時に、米軍はいなかったと=米軍【ロイター=バグダッド発・米国東部時間06:28(日本時間20:28)
(12/04 23:40更新)
★イラクのアラウィ前首相、ナジャフでシーア派群集から靴やトマト浴びる。アラウィ氏の報道官は同氏がナジャフにいたことのみ認める。「サドル師に責任」=警備筋【ロイター=ナジャフ発・米国東部時間09:36(日本時間23:36)
(11/30 23:00更新)
★アメリカ第3四半期のGDP、予測より高い4.3%の伸び=商務省。ウォールストリートの期待4.0%を上回る【ロイター=ワシントン発・米国東部時間08:45(日本時間22:45)
(11/30 07:50更新)
★アメリカで1000人目となる死刑執行、直前にバージニア州知事が停止。仮釈放のない終身刑に減刑【ロイター=ワシントン発・米国東部時間15:56(日本時間05:56)
(11/30 06:20更新)
★ライス米国務長官、ヨーロッパのCIAの秘密収容所疑惑について回答を約束=訪米したドイツのシュタインマイヤー外相との会談で。有無については明言さけるも、来週のライス長官訪欧時に「迅速かつ詳細な回答すると確約した」=シュタインマイヤー外相。「アメリカは、これらの質問に答える必要がある問題と理解」=米国務省報道官【ロイター=ワシントン発・米国東部時間15:56(日本時間05:56)
(11/30 06:00更新)
★広島女児殺害事件で、現場近くに住むペルー国籍の男を逮捕。立ち回り先の三重県で。身柄を広島に移して動機など取り調べへ【朝日】
(11/27 23:40更新)
★ラムジー・クラーク元米司法長官、サダム・フセイン特別法廷の弁護団に加わることに。「外圧や軍隊から独立していない法廷は法廷たりえない」=クラーク氏、アンマンからバグダッド入りする前にロイターに【ロイター=バグダッド発・米国東部時間09:22(日本時間23:22)
(11/27 21:00更新)
★イラク警察、サダム・フセイン特別法廷の裁判官殺害計画あったとして容疑者8人を逮捕【ロイター=キルクーク発・米国東部時間06:42(日本時間20:42)
(11/27 20:20更新)
★レバノンのハリリ元首相暗殺事件で、関与が疑われ否定しているシリアに対し、サウジアラビア・アブドラ国王が説得工作に成功。ジュネーブかウィーンでシリア政府関係者への調査行うことをフランス・シラク大統領とアナン国連事務総長に提案。「皇太子を特使としてダマスカスへ派遣し、シリアのアサド大統領と合意に達した」=アブドラ国王【ロイター=リヤド発・米国東部時間05:23(日本時間19:23)
(11/27 16:40更新)
★エジプト議会選挙で、「ムスリム同胞団」が28議席を獲得、「当局の妨害にも関わらず強さ示す」=ムスリム同胞団副代表【ロイター=カイロ発・米国東部時間01:50(日本時間15:50)
★アンドリュー・カード大統領首席補佐官乗せた飛行機が緊急着陸、けが人なし。テキサスからワシントンに向かう途中、操縦室に煙、原因は不明。同補佐官は感謝祭をテキサス州クロフォードの大統領の牧場で過ごした【ロイター=ナッシュビル発・米国東部時間23:46(日本時間13:46)
(11/18 06:50更新)
★台湾の陳哲男・元総統府副秘書長の汚職疑惑で、最高検察庁は必要ならば総統府の捜索も認める考え=呉英昭・検事総長が立法院(国会)で答弁。地検が捜索を求めた場合許可するか、との質問に答える。台湾第2の都市・高雄のMRT(新交通システム)絡む汚職疑惑、総統府に検察官の捜査及ぶ初の事件に発展か【聯合報(台湾)=台北発】
(11/18 04:30更新)
★米FDA(食品医薬品局)、抗ウイルス薬「タミフル」の副作用を調査へ。日本で服用後に死亡例。FDAは「通常の小児向け使用の安全審査の一環」「すべてのケースで薬の影響を知るのは困難」ともコメント。ロシュ社は「これはタミフルが死亡や脳神経障害を増加させたという意味でない」と公式声明に注記。【ロイター=ワシントン発・米国東部時間13:15(日本時間03:15)
(11/17 00:30更新)
★ウォーターゲート事件で有名なジャーナリスト、ワシントン・ポスト紙のボブ・ウッドワード記者がCIA秘密漏洩疑惑に関連して証言【ロイター=ワシントン発・米国東部時間09:32(日本時間23:32)
(11/16 23:00更新)
★10月の米消費者物価指数、予想外の0.2%上昇=米労働省。エネルギー価格の下落に関わらず。住宅コストが0.9%上昇と2001年1月以来最大の増加、消費者物価を押し上げる【ロイター=ワシントン発・米国東部時間08:45(日本時間22:45)
(11/15 08:40更新)
★《6時39分ごろの地震》津波注意報、すべて解除【NHK】
(11/15 08:15更新)
★《6時39分ごろの地震》大船渡で引き潮を観測との情報【NHK】
(11/15 07:45更新)
★《6時39分ごろの地震》07時35分ごろ、岩手県・大船渡市で50cmの津波の第2波を観測【NHK】
★《6時39分ごろの地震》津波注意報の範囲が拡大、青森県太平洋沿岸・茨城県にも津波注意報を発令【NHK】
(11/15 07:30更新)
★6時39分ごろの地震で、07時26分ごろ岩手県・大船渡市の検潮所で30cmの津波を観測【NHK】
★岩手県沿岸の田野畑村は、海沿いの地区計約400世帯に避難勧告【NHK】
(11/15 06:50更新)
★6時39分ごろ、北海道・東北・関東地方の広い範囲で最大震度3の地震を観測。震源は三陸沖、M6.9。北海道の太平洋沿岸中部・岩手県・宮城県・福島県に津波注意報発令、予測される津波の高さは50cm程度【NHK】
(11/15 04:10更新)
★連邦最高裁判事候補のアリト氏、焦点の中絶問題に対して、レーガン政権当時「憲法は中絶の権利を保障してない」と反対の姿勢示す=ワシントンタイムズ紙がメモ入手。レーガン政権の保守的政策を支持【ロイター=ワシントン発・米国東部時間13:55(日本時間03:55)
★ヨルダンの爆弾テロ自爆犯と、昨年米軍が拘束した人物の名前が一致。「同一人物かどうかは不明」と米軍。2004年11月にファルージャで拘束された後に解放したと。【ロイター=バグダッド発・米国東部時間13:04(日本時間03:04)
(11/10 22:50更新)
★9月の米貿易赤字、ハリケーン「カトリーナ」と原油価格高騰の影響で661億ドルを記録=米商務省。市場関係者の予測610億ドルを上回る【ロイター=ワシントン発・米国東部時間08:32(日本時間22:32)
(11/10 07:20更新)
★CIA機密情報漏洩事件で、情報源を秘匿し収監されたニューヨークタイムズ紙のジュディス・ミラー記者が辞職へ=ニューヨークタイムズ紙が合意を発表。ミラー記者の主張を同紙に掲載することでも合意【ロイター=ニューヨーク発・米国東部時間16:52(日本時間06:52)
★アンマンの3つのホテルで爆発、少なくとも52人が死亡=ヨルダン厚相【ロイター=アンマン発・米国東部時間16:45(日本時間06:45)
(11/10 05:05更新)
★アンマンの2軒の国際ホテルで爆発、連続テロの疑いも。ラディソンホテルの爆発では5人死亡12人以上が負傷、ハイアットホテルの爆発では少なくとも40人が重軽傷。ラディソンホテルでは約250人が結婚披露宴に出席していた宴会場で爆発【ロイター=アンマン発・米国東部時間14:54(日本時間04:54)
(11/10 04:30更新)
★アンマンのラディソンホテルで爆発、少なくとも5人が死亡、12人以上が負傷=目撃者。同ホテルはイスラエル人観光客に人気【ロイター=アンマン発・米国東部時間14:18(日本時間04:18)
(11/10 04:18更新)
★ヨルダンの首都アンマンのラディソンホテルで爆発、ロビーで負傷者出たと目撃者【ロイター=アンマン発・米国東部時間14:09(日本時間04:09)
(11/09 06:20更新)
★米上下両院共和党トップ、CIAの国外秘密基地問題報道で、記事中の機密情報について漏洩を調査する考え=情報筋。フリスト共和党上院院内総務とハスタート下院議長が検討、情報委員会へ調査要求の提案も準備と。ホワイトハウスのマクレラン報道官は報道で始めて知ったと前置きした上で「機密扱いの情報漏洩は重大事だが、これは議会の特権」とコメント【ロイター=ワシントン発・米国東部時間14:16(日本時間04:16)
★連邦最高裁判事に指名されたアリト氏、焦点の中絶に対する姿勢について、「中絶を合法化した1973年の最高裁判決は尊敬に値する」と発言、しかし自身が同じケースでどう判断するかは述べず=リバーマン民主党上院議員明かす。上院公聴会は来年1月9日からの予定【ロイター=ワシントン発・米国東部時間15:55(日本時間05:55)
(11/08 22:10更新)
★サダム・フセイン特別法廷の弁護士2人が銃撃受け1人死亡【ロイター=バグダッド発・米国東部時間07:56(日本時間21:56)
(11/04 03:00更新)
★鎮痛剤「バイオクス」薬害事件で、陪審は製薬会社の米メルク社に責任ないと評決=ニュージャージー州裁判。テキサスでは8月にメルク社の責任認め2億5000万ドルの賠償命じ同社が上訴【ロイター=アトランティックシティ発・米国東部時間12:32(日本時間02:32)
(11/02 05:20更新)
★米FRB(連邦準備制度理事会)、0.25%の追加利上げ。潜在的インフレに懸念示す【ロイター=ワシントン発・米国東部時間14:12(日本時間04:12)



2005/12/28 雨の降る宵はあなたに会いたい♪

 ……誰やねん。(ゲストで呼ばれていきなり黒い!とか言われている小島めぐみさんあたりの挨拶)

 雨が降ってるかどうかは、相変わらずアメダスかレーダで見ないとさっぱりですけど(苦笑)。
 留守中、

>年末年始の予定は決まってますか?

とか、

>今夜、会う事は出来ますか?

って出会い系のSPAMが来てたんですけれど……決まってるも何も、こっちは年末ギリギリに帰国したばかりですよ!(笑)
(註:いまのところ「帰国」です。そのうち「訪日」になるかもしれませんが……(こらこら))
 クリスマスを海外で、なんていう甘〜い響きとは無縁でしたし。
 ……って、「甘い」ムードの話で「海外」っていうとき、具体的にどのあたり指すのか、地名が思い当たりませんが。
 「地理的概念であってムニャムニャ」などという、「周辺事態」みたいな話じゃないですよね?(こらこら)
 ヨーロッパはイメージ的に良さそうですけど……寒いですよ、あっちは(笑)。だいたい、家族を大事にするヨーロッパでは、独り者が街中うろついてたりしません(笑)。
 アメリカは、毎年恒例の「学校や公的機関でクリスマスツリーを飾るのは憲法違反か」で議論がありました。
 アジア各国はどうなんでしょう。甘いムードで見たことないから分からないんですけど、なんかイメージ違うんじゃないって気が……。
 アジアで暖かいところ、南に進んでみて……。

♪憧れの南の海の ほのぼのと夜明けの島よ
 ああ海南島 赤いジャンクの帆が揺れる
 赤いジャンクの帆が揺れる

 懐かしの白い砂浜 思い出はどこまで続く
 ああ海南島 月に浮かんだ影二つ
 月に浮かんだ影二つ
(「なつかしの海南島」藤浦洸作詞・仁木多喜雄作曲(昭和15年))

 ……やっぱり違うような気がします(笑)。
 元々はそうだったんでしょうけど(「月に浮かんだ影二つ」ですからね)

 そうそう、B767-300やB747-SR400だと、座席TVで「現在の飛行位置」が見られるんですが、海南島って案外近いんですよ。
 ……などと、機内でジェプセンのフライトチャート(航空地図)を広げて考えていたら、キャビン・アテンダントさんに「関係者の方ですか?」と聞かれてしまいました(苦笑)。

2005/12/11 海図なき航海

 ♪英語の辞書を一枚破り♭(気持ちはともかく、何も辞書にしなくたって、とも思える一昔前のアニメOPテーマあたりの挨拶)

 今日の朝日新聞教育面に、幼児からの英語教育についての話題が出ていました。(こういう記事を電子版に掲載しないのはどうかと思いますが)

0歳からの英語熱再び 【朝日新聞(首都圏版)教育面】
 0歳から英会話を教え、9歳で英語の小説を読む子どもを育てた「カリスマ」ママ。2歳から英語で保育するプレスクールやサークル。親たちの幼い子どもへの英語熱が改めて高まっている。0〜6歳の子どもを英会話教室などに通わせているのは14.2%で、00年から大幅に伸びたという調査もある。しかし、熱を支えるのは、英才教育よりも、子どもの可能性を広げたいという素直な願いのようだ。

 ……日本語能力が先じゃないか、という毎度の(しかし当然の)指摘もありますが、それ以前に、ホントに英語能力必要としているの?と疑問を感じます。
 識者の指摘として、母親(つまりシロウト)が教えてしまうと、英語につきものの表情などが身につかないから、ネイティブに教わる機会を作るべきだ、ともありましたが……。

中島和子名古屋外国語大学教授(バイリンガル教育・日本語教育専門)
 子どもは体の感覚で覚えられる時期があるので、早くから英語をやる意味はあるが、継続的にやらなければ効果はない。鉄則は、母語を第一にすること。子どもの成長期に、母親がのべつ幕なしに英語で話しかけてしまうと、日本語が育たなくなってしまう。
 ネイティブでない日本人の母親が習った英語で話すと、外国人のような顔の表情やジェスチャーができずにつじつまがあわないものを覚えてしまい、子どもにとって不幸だ。文化的にミス・マッチになる。英語に接する機会を与えるなら、親が先生になるのではなく、必ずテープを使ったり、ネイティブに接する機会を作るなどが大切だ。

 確かに技術的にはその通りだと思います。
 しかし、それは究極的には、「ノーと言える」人を作ること、論理的一貫性を持った人間を育てること、そして英語を使う10億人の多様な文化を理解し受け止めることのできる人格を育てること、につながっていくわけですが、そこまでの覚悟が社会側にあるのかどうかとなると、極めて疑わしいと思います。
 「和をもって貴しとなさない」日本人が、「そういう人もいい」と受け容れられるなら問題はありませんが、とてもそうは思えない。服従と忠誠、協調性を能力値として重視するなら、外国語なんかできたって足しにはならないんではないか、そういう疑いを持ってしまいます。
 極端な話、いま「悪の枢軸」とされている某国で、英語の能力があると重用されるかといえば、そうは思えません。下手するとスパイ扱いされたり、亡命の疑いをかけられたりするんじゃないですか。そこまでは異論なく容易に想像できると思いますが、果たして「日本」は絶対にそんなことはない、と断言できるか、と切り返して考えて、本当に大丈夫だと言いきれるでしょうか。
 英語(に限りませんが)の能力というのは、コミュニケーション能力ですが、以心伝心の文化とは異なります。会話というよりも対話というべき能力が求められます。
 外には、異議申し立ての文化の世界が広がっているわけですが、そういう素養で育った人間をちゃんと受け容れる土壌が日本社会にあるか、疑わしく思えるのです。
 完璧な教育を施して、マルチリンガル・マルチカルチャーの子どもを育て上げたとして、その子が冷遇されるようでは、あまりに酷すぎる末路です。親が無条件に我が子の幸福を望むとして、では能力を高めればその子が幸せになれる社会になっているのでしょうか。目標の設定に誤りがあると大変なことになりますが、その点がどうも抜け落ちているように思えます。
 教育は十年単位で結果が出る大変な長期事業です。いま0歳の子どもをマルチリンガルに育て、多様な価値観を理解できる国際人として成長しても、20年後に「英語は敵性語だ!」という社会になっていたら目も当てられません。
 目の前にいる子どもを成長させるための努力はもちろん必要ですが、その子どもが締め出されない社会を作る努力も同じぐらい必要です。どうも、後者の自覚が脱落しているのではないでしょうか。

 個人的には、幼児期からやるかどうかは別として、英語を含む国際人としての能力を育てることには賛成なんです。賛成なんですが、そこには「ただし本人が外に逃げる自由も保証すること」という前提つきです。
 生きにくい社会を作っておいて、弱肉強食だ、などと開き直る連中と、仲良くやれないと思ったら、逃げちゃえばいいんです。そのときの脱出用パラシュートとしての国際感覚と能力は、持っていたほうがいいでしょう。
 しかし、それは緊急手段の次善の策で、本来は脱出しなくても生きやすい社会を作ることに重点を置くべきでしょう。どうもこの視点が右から左まで揃いも揃って全滅しているように感じられます。
 海外に脱出した場合、その国の国民となれば、そこでの義務を果たさなければならないのは当然です。仮に日本が将来、どこかの国と戦争となった場合、どちらにつくかの決断を迫られることになるのも国際常識からすれば想定内です。しかし、どうもそれだけの自覚が、「英語教育大事!」の人たちにあるのかは疑問です。
 明らかに戦争状態にあるイラクに武装部隊を出せば、これはどう見たって戦争参加ですよ。いまだに「非戦闘地域で非戦闘行為」なんて平和ボケした議論やってる人は、裁判引き延ばしてるカルト教団の教祖同様虚構の世界に生きてるんでしょうから、どうぞお好きになさったらいいです。しかし、現実に戦闘行為に引きずり込まれれば、カルト集団が内部でどう理屈をつけようと、国際社会からは戦争参加と見られるのは当たり前です。
 そういった将来の「有事」の際に、我が子がすでに日本以外の国民になっていて、選択を迫られる局面を想像できるかどうか。もしかしたら、自分の子どもが、戦争国となった日本人に向けて発砲する場面だって考えられるわけです。そんなシナリオを想定して、そんなことだけは絶対にさせない、という気概がないなら、国際人を育てるなどキレイゴトだけ言っているのは危なっかしい話です。
 体制に順応することが幸福の前提条件の社会で生きることを強いるなら、その能力を育ててあげたほうが、子どもにとっては楽に生きられる選択でしょう。なまじ英語なんかできて、余計な情報を見て余計なことを考える能力を与えるよりは、服従と隷属を苦にしない性格にしたほうが、結果的に生きやすいかもしれません
 殺人犯人探しをエンタメとして遊んで推測で関係ない人に迷惑をかけてしまったり、人に向かって地獄落ちと叫んだりするテレビ番組を楽しめるほうが、多数と穏やかに共存できて、それが「協調性」なんだというなら、眉をひそめる「良識」などは生きるのに邪魔になるばかりです。
 これまでも繰り返してきましたが、教育は、根本的には「こういう人間に育てたい」という目標あってのもの、エンジニアリングでいえば仕様です。
 素朴な「とにかく幸せでいてほしい」も、心情的には理解できますが、「幸せ」の定義を考えてしまうと、そう漠然と念仏のように唱えたところで、具体的な方法は見つかりません。カミカゼ戦士になれば幸せが保証されるとすれば、「外部の雑音」を排して狂信的に育てるのがベストシナリオになることだって考えられるのです。

 ネイティブの英語、ことに「テープを使ったり」と言われると、ついつい先日買ったばかりの「Peter Jennings Collection」を思い出してしまうんですが(これテープじゃなくてDVDですけど)、これを見て何を言っているか理解できる能力に限れば、英語教育は「可能性を広げる」プラスの面だけに見えるかもしれません。
 しかし、ピーター・ジェニングスのドキュメンタリー特集は、問題提起をして視聴者に考えさせる内容になっています。インタビューでは上院議員にも容赦ない質問を浴びせます。
 ピーター・ジェニングスの追悼番組でプロデューサーが語っていたエピソードの一つに、アメリカが反ポル・ポト派に武器を供与していたことを、鋭い質問によって「失言」させ、これが方針転換に結びついた、ということがありました。
 鋭い質問をすること、これも英語文化の素養に含まれるわけですが、果たしてそんな人間が現在の日本社会で歓迎されるのか、大きな疑問を感じます。
 よくテレビで目にする小泉首相への「ぶら下がり」取材などはひどいものです。記者が「……となりましたが」と話題を振っているだけで、形式的な質問にさえなっていません。まだ昔の記者のほうが、ちゃんと質問をしていたと思わせるほどです。
 そういう場面で、「おかしいじゃないですか、先日の発言と矛盾しませんか」と問い返し、追い詰めることになってもそれが使命だ、と信念をもった人が、オール主流派の跋扈する現代日本で、受け容れられるでしょうか。確信を持ってイエスと答えられないなら、英語と英語文化を教えることは、むしろ「日本で生存する可能性を狭める」リスクすら伴っていることを指摘せざるを得ません。
 繰り返しになりますが、他国に脱出し、場合によっては抗日戦争で日本と戦うことになるのもありだと認めるなら、確かに「可能性を広げる」ことにはなります。亡命する可能性や、日本人に銃を向ける可能性も含めて、「可能性を広げる」と願うとすれば、それは掛け値なしに立派な態度だと評価できますが、そこまで考えてのことでしょうか。
 要は、覚悟と信念の問題です。目標を曖昧にしたままで、漠然とした「幸福」「可能性」の語感だけで終わるのは、行き先を決めずにヨットで漂流するようなものだ、と言うと酷に過ぎるでしょうか。

 ……ハードな話題の息抜きに、
♪グローバリゼーション 心の翼が
 グローバリゼーション いま国を飛ぶ
 私だけが私の国を Ah 未確認〜
などと、替え歌にして茶化したくなる日曜の夜でした(こらこら)

2005/12/08 コード・ブルー!

 (小島めぐみさんの)恋愛事情でもじっくり聞き出そうと思いましたが、どうやら上司の松来未祐さんと同じく恋の心電図がおそろしく無反応。(先週放送の「チェリーベル分室 日雇いフラグラアイランド」あたりの挨拶)

 ……すごいこと言いますね(笑)。
 あ、うちはこの件に関しては、「No Code」です(こらこら)。いまさら外から延命措置いりません(苦笑)

 それはさておき、今週の「思わず買ってしまいました」コーナー。(そんなコーナーありません、と言いたいとこですけど、否定しきれない(苦笑))

Peter Jennings Collection (2pc)

 当然ですが英語だけで、字幕も通訳もありません(笑)。英語でもついてると違うんですけど……。
 しかし、さすがジェニングスさん、喋り言葉が論理的でそのまま文章になる語り口なので、内容が濃い割には言葉は分かりやすいです。
 それと、アメリカの視聴者だって(英語は分かっても)内容は高度ですから、あの手この手で分かりやすく説明しようとしています。
 英語苦手!と決め付けずに見てみたら、案外分かると自信につながるかもしれません。

『The Century for Young People』
 歴史書なんですが……。

対象: 9-12歳児
 ウソでしょ?(笑)
 いや、本当に「子ども向け」とは思えないぐらい、立派な中身になってます。子ども時代からこれで勉強されてたら、まるで勝ち目ないです(苦笑)。
 というか、マトモな方向目指すなら、日本の大人にもお勧めできる内容です。
 確かに子ども向けかな、と思うのは、大量の写真があり、本文でも「悲惨な20世紀」を書いていても、そのものズバリの悲惨な写真がない点、ぐらいでしょうか。
 しかし、著名な人物のエピソードを出して、そこから歴史の出来事に引き込んでいく文章はお見事、の一言です。

『ホワイトハウスの赤裸々な人たち』 (上)(下)

 暴露本ではあるんですが、さすが現「This Week」アンカー、しっかりした信念があって、そこでの苦闘がたいへん面白いです。
 ちょっと本題からズレた楽しみ方ですけど、ドラマ「ザ・ホワイトハウス」シリーズ(The West Wing )にハマっている方は必読だと思います。
 DVD化されている第1シーズンについていくつか挙げると……。

 私の最悪のミスは、テキサス州ウェイコでFBIが、デービッド・コレシュのカルト教団本部に突入した日に起きた。四月十九日、正午の定例記者会見の最中に、CNNが炎に包まれた教団本部の映像を流し始めた。(中略)
 私はここで失敗した。ディー・ディー・マイヤーズとブルース・リンゼイは大統領を出すべきだと主張し、大統領も最初は同意したが、私が説得して止めさせた。子供たちが生きていて、大統領の発言がきっかけでコレシュが彼らを殺したら、私たちのせいになるのが怖かった。
(参照:「ザ・ホワイトハウス」第1シーズン第7話「晩餐会」)

(クリントンへ手紙を書いて)
「私にも一言、言わせてください。『大統領候補のような大統領であってください』」
(参照:「ザ・ホワイトハウス」第1シーズン第19話「私は闘う」)

 その朝の『ニューヨーク・タイムズ』の世論調査で、クリントン大統領はレーガンあるいはカーターの就任一年目よりも高い支持率を得ていることがわかった。
(参照:「ザ・ホワイトハウス」第1シーズン第21話「民の声」)

 ……講談社さん、品切れにしとかないで、「ホワイトハウスドラマが10倍面白くなる!」とかのセールスフレーズで文庫本にしません?(笑)

 ドラマとの関連はさておいても、現在ABC「This Week」のアンカーが、ABCの番組とのエピソードを語る部分は面白いです。
 「ジョージ・ウィルから受けた質問によって(ガセネタが)二番煎じであることが露見した」「テッド・コッペルがアンカーマンの権限を利用して、ヒラリーを攻撃するのは誤りだと示唆した」とか。
 何よりも、政治へのデビューと別れの場面が……。

 テレビ局の出演予約係は、番組を出演者で埋めなければならず、電話を使って事件に少しでも関係のある人物を探した。この日は、その人物が私だった。なぜなら、ワシントンを人質にとった男を知っていたからだ。三大ネットワークの一つABCテレビの『ナイトライン』はリムジンを寄越してきた。私は、全米テレビ放送で、「ああ、テッド……」と、ノーマンについてわずかに知っていることを述べた。両親はビデオに録画した。アメリカ中の友人から電話がかかってきた。そのうえ、クリーブランドの新たに選出された下院議員エド・フェイハンも見ていた。私は、放映の前日に彼の事務所に入りたいと申し込んでいたのだ。
 翌日、フェイハンは電話をかけてきた。
 「『ナイトライン』に出る腕があるなら、俺の役にも立ってくれるだろう」
 肩書は議会アシスタント。つまり、下院議員が取り組んでいる仕事の手紙、メモ、演説の草稿を書くのだ。給料は奨学金の二倍以上で、年俸一万四千五百ドルだった。

(クリントン陣営から離れてからモニカ・ルインスキー事件に接して)
 クリントンと会うことだけは避けたかったが、遠く離れたところから助言を与えたかった。スキャンダルが表面化してから二日後、ゴールデンタイムに放送された特集番組『ホワイトハウスの危機』の中で、ピーター・ジェニングズがその機会を与えてくれた。
 ピーター・ジェニングズ「ジョージ、私が思うにクリントン大統領はABCテレビを見るよりも他にやることがあるとは思いますが、もし、いま、あなたを見ているとすれば、なんと伝えたいですか」
 ジョージ・ステファノポロス「そうですね。『大統領、まずは言い分をまとめ、それでできるだけ早く国民に伝えることです。いままでも何度か辛い事件を乗り越えてきました。今回の難局も国民に言い分を伝え、すべての能力を尽くして質問に答えればきっと乗り切ることができます」
〈真実を喋るんだ。責任を取れ〉
 本当はそう叫びたかった。だが、「言い分をまとめて伝える」と言うのが精一杯だった。

 とはいえ、「ナイトライン」に対しては、選挙戦中の立場が反映された微妙な感情も出ています。

(クリントンの徴兵忌避問題で)
 クリントンは「ナイトライン」に出演した。質問に答えることが唯一の希望の綱だった。最初、コッペルがクリントンに、番組の中で手紙を読みたいかと尋ねた。だが、私たちはそれほどバカではない。クリントンが致命的な一文を読み上げる場面だけを取り上げて、繰り返し放送されることになる。そこで、コッペルが手紙を読み、クリントンにショーの中で説明するよう求めた。クリントンの手際は見事だった。過去については冷静で、将来については熱烈だった。大統領選ではもっと重視すべき問題があるのではないか、という義憤も正しく伝えた。ショーが終わる直前には見事な皮肉を言った。
「テッド、この番組に招待されるのは、寝たこともない女や、逃れたこともない兵役の話をするときだけじゃないか」

 先月「ナイトライン」を降板したテッド・コペルさんは、まさにこの場面について、先月の「This Week」でこう回想しています。
 これはクリントン氏が徴兵を忌避したという問題でした。「ナイトライン」は22年前の書簡を入手しました。ここでクリントン氏は、政府は市民が戦争に反対している場合、その市民を戦争に送り殺したり死ぬことを強制する権限をもつべきではないと書いていました。
 この書簡がニセモノかもしれないと私は懸念していましたので、番組にクリントン氏を招きました。ここでクリントン氏は才能を発揮しました。
(資料映像) クリントン氏:「23歳の苛立った子供が書いた書簡です。まだ若かったのです」
 マスコミ対応にもっとも長けた人物の一人でした。
 歴史家は、過去25年間を振り返ってこう書くかもしれません。テレビへの対応が巧みだった政治家、とくに大統領候補が致命的な失点を挽回でき、それができなかった人はメディアを自由に操れなかったために大失敗に終わった。

 なんだかBSファン倶楽部どころか、米ABCファン通信みたいになっちゃいましたが、そういうわけでは……ないはずです(笑)。

 中東とアメリカは慌しく動いてますが、よりにもよって12月8日に「派遣延長」の会見やっちゃう無責任の国なんか、もう知りません。

2005/11/28 それもアリ

 あまり眼を近づけすぎて、まばたきもせずに見ていると、対象がぼけてかえって物事の実体が見えなくなる。(悩む候補生にアドバイスし後に亡国を食い止める海軍大臣あたりの挨拶)

 NHK BS1の「きょうの世界」で、「特集アジア・海外が見た日本の“新若者像”」。
 オタク・ニート・フリーター、って、それ並べるんですか、と思いますが、あくまでこれはオーストラリアABCテレビ(公共放送)の番組を紹介したものです。
 もしかしたら元のバージョンがあるんじゃないかと、オーストラリアABCテレビのサイトに行ってみましたが、あっけなく発見。

Japan - Generation Z 【オーストラリアABCテレビ】

 「きょうの世界」は、副音声で原語が聞けるんですが、日本語で熱く語ってる部分は英語のナレーションがないのでどうしてるのかと思ったら……。このページ、動画がそのまま置いてある(笑)。見てみると、英語のテロップをつけているんですね。

NHK BS「きょうの世界」 オーストラリアABCテレビ。テロップが潰れちゃいましたが、「This is my inner brain wife, Misaki.」と語ってます

 そんな、全世界に向けて大胆な告白せんでも(笑)。
 で、部屋に入れなかったのは正解かもしれませんが、定番コースへ。

ローカル地上波のネタ取材じゃないんですが……
 ナレーション「『不思議の国のアリス』をテーマにしたカフェに私たちを招待しました。ウェイトレスは、アリスのような服を着て、客を御主人様と呼びます。」


 えーと、オーストラリア発で全世界に流れるんですけど……(笑)。

発売日まで見えてますね
 ですから、全世界に向けて流れるんですが……って、こちらはCMになるのかしら(笑)。オーストラリアABCもNHKも公共放送なんですけれどね(笑)。
 その他、空から婚約者が降ってくる某ゲームのポスターも見えていました。

香山リカさん。出方はこれがデフォルト?
 ところで、オーストラリアABCテレビのサイトで見ると、もとの番組はもう少し長くて、要所要所に精神科医の香山リカさんのコメントを入れて解説しています。


NHK BS「きょうの世界」で、スタジオゲストのエチエンヌ・バラールさん
 僕は、ニートたちを責めるより、そういう若者を生み出した日本社会、一般の日本社会に疑問というか。(中略)
――フリーターをリポートの中ではかなり前向きにとらえていたようですが……
 僕も結構同感ですね。(中略)
 「フリーターは良くない」みたいなことを言うよりは、一般社会のなかで、ちゃんとそれを受け止めて、違う価値観を持つ、21世紀にふさわしいもうひとつの生き方だと、ちゃんと社会が認識すればと思いますね。

――オタク文化は大きい伝播力を今後持っていくと思いますか?
 持つと思います。いまは基盤を作っている最中という気がして。
 ひとつのね、反ディズニー的な要素をもって、いわゆるディズニーを嫌になった世界の若者たちは、日本のそういうサブカルチャー的なところに注目しているのではないかな、と。そういう見方ですね。


 ……なんだか最後の最後でずいぶん巨大な相手を向こうに回すことになっちゃってますが(笑)。

 ……それにしても。
 海外から来て奇異な目で見てしまう、というのはよくある話ですが、これは全く正反対、国内メディアが色眼鏡で見ているものを、海外メディアが冷静に真っ正面から伝えているのは、いったいどういうことでしょうか。
 もはや、たかだか1億ちょっとの偏見に固まった人間を相手にするのやめて、最初から英語で10億人に向かって理解を求めたほうが手っ取り早いのかもしれません。

 ただ、「バブル崩壊」をきっかけとしているのは現象としてはその通りですが、原因としての理解はもうちょっと深いところに求めるべきだと思います。
 つまり、「バブル崩壊以後……」と言ってしまうと、あの異常な「バブル」期があって、その後につづく不景気が根底にあるように受け取れます。実際、そういう見方をしている日本人も少なくないでしょうが、本当はそうではないでしょう。
 バブル崩壊が、爆弾の爆発にも似たショックを日本社会にもたらしたことは間違いありません。しかし、いまあるフリーター・ニート問題は、「もし」爆発さえしなければ起きなかった現象かというと、そうは思えません。時限爆弾のコードを切れば安全か、というのにも似て、爆発物を抱えていたことには変わりないと見るほうが正確でしょう。
 つまり、狭く経済面だけから見ても、右肩上がりの経済成長とセットになっている終身雇用制は、遅かれ早かれどこかで崩れたはずだと見るべきです。バブルという一時代の熱狂さえなかったら、という問題ではなくて、戦後ずっと右肩上がりで来たものがどこかで止まるのは必然で、それが急激に来たから目立っているだけです。
 もともと、未来永劫どこまでも経済成長が続くということは考えられない話です。その考えられない幻想にすがったのが、年金や保険制度といったカネの問題だけならまだ救いがありますが、人生設計や幸福のモデルまでがそれを拠り所にしてしまったことが、現在の精神面への影響に出ていると思えるんです。
 そこには、宗教のない不幸とでも表現するしかない部分もあります。経済的にどんなに困窮しても信じられる神がいないために、経済にだけよりかかった幸福の定義が、経済と一緒に沈んでしまったと見ることができます。
 こんなことを言うと、だから宗教教育だ、物より心だ、とすぐに短絡的な物を言う人が出てきそうですが、仮に経済以外に持っていっていたら、もっと悲惨な事態になっていたかもしれません。
 やはり崩壊してしまったモデルの一つに、ソ連があります。神のない体制だった、というのは表面的な見方で、「社会主義制度でいけば幸せになれる」という信仰があったわけです。等しく豊かな社会を目指したはずの社会主義が、等しく貧しく窮屈な世界を作ってしまったミステイクを嘲って溜飲を下げている場合ではありません。ここには、一つのモデルだけを唯一最善のものとして、他のモデルを完全に否定する硬直した社会が行き着く結末の法則性が見られます。一つの方向性だけに突き進んでいくと、その時々は良くても、環境が変わったときに適応できなくなって全滅する弱点があるのは、生物学の進化と似たようなところがあります。
 さまざまな方向性を認める緩やかさが必要になっているのに、かえって出てきた多様性を潰しにかかっているように見えます。その異常性は、外から見る視点のほうが沈着冷静に分析できるのかもしれません。

2005/11/27 記事は歌う、されど進まず

 不思議だな、不思議だな、なんだかとっても不思議だな(昔のクイズ番組の途中に入ってくる体操のフレーズあたりの挨拶)

 ……手元に資料残ってないので、合ってるかどうか不安ですけど(笑)。

 BBSに、「曲を歌詞でググってここの日記に漂着しました」という書き込みをいただきましたが……いま検索してみたらヒットするの、ウチとサミーさんとこ(「術者の世界」)だけなのに驚いてます(苦笑)。

 それはともかく。
 ようやく 『Lapis Lazuli』買いました。
 音楽CD扱いになってないの知らなくて、えらく探し回っちゃいました(苦笑)。
 さっそく聴いていて……

♪過去を分かち合う 弱さも真実 止めどなく流れくる 涙はもう終る (「Lapis Lazuri」)
♪暗い運命(さだめ)は二人で分けて ともに暮らそう昔のままで (「上海帰りのリル」)

 何となく似てるような気がしたのは、おそらく私だけでしょうね(笑)。

 ところで、不満があるわけではないんですが、
「夜明け前より瑠璃色な」イメージテーマ 『Lapis Lazuli(ラピスラズリ)』マキシシングル ¥1,500
ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」 ¥1,700
 この二つを一緒に買ってしまうと、価格近いだけにどうしても「何だかなあ」感が拭えません(笑)。
 市場の大きさ、成熟度が違うと言ってしまえばそれまでですが……それ以前にあんまり一緒に買うものじゃないか(笑)。

>春歌ちゃん(11月28日付)
> その意味では「子供に街中に潜む危険を教え、(人目の少ない)危険な場所に行かないようにする・もし行く場合は誰か友達と同伴してもらう」などと対策を示した他局(確か日テレ系のよみうりテレビかと思いましたが。ザ・ワイドでしたっけ?)の報道がこの場合模範的と言えますわね。

 最近の事件を見てると、どうかな、と思うところもないわけではありません。
 というのは、人目の少ない場所というのが不明確で、「白昼・路上の犯行」が普通になっているわけです。
 都市部にいても、空白域とでも表現するしかないような場所はあります。住宅街でも死角をなくすことは事実上不可能です。
 それに、犯行の第一段階から「危険な場所」にいるとは限りません。どちらかというと、逆に「人目の多い場所」で声をかけられて、言葉巧みに誘導されるケースのほうが目立ちますから、そうなると、声をかけられても従うな、としか言えなくなります。
 では「知らない人についていかない」というお決まりのセリフか、となるんですが、それも万能ではないんです。
 なぜなら、子どもにとって、何度か見かけたことがある人は「知らない人」ではないんですよ。「いつもあの人公園にいる」でも、「知ってる人」に入れちゃう危険がある。まして、何度か話をしたことがあれば、とても「知らない人」とは思わないわけです。犯人が準備段階で、道を尋ねたりして「知っている人」になろうとする可能性も十分想定できます。
 そうすると、「知らない人についていってはいけません」と教えても、まったくとは言いませんが、あまり効果が期待できません。
 主語を明確にして、「あなた(子ども本人)が知らない人」ではなくて、「私(親)の知らない人」と言うしかないかもしれませんが、知っている人リストを全部挙げなさい、というのが教育上どうなのかは別の問題として残るでしょうね。
 教師による性的犯罪の報告が後を絶たないことを考えると、それでも防ぎきれないのも事実です。
 こうなると、「相手が誰であろうと、身の危険や不安を感じたら即座に逃げなさい」ぐらいが精一杯です。が、逃げられないから事件が起きるわけで、それでは子どもに持たせるべきなのは防犯ブザーよりもスタンガンなのか、と考えてくると、実際のところ有効な対策はない、としか言えなくなります。

 今回の事件について、あえて少ない情報から個人的憶測を働かせるなら、短時間に手際よく犯行を遂げている点から見て、普通にイメージされるような軟弱な変質者ではないような印象も受けます。顔見知りによる計画的犯行と言いきるだけの根拠はありませんが、それに近いような、少なくとも「青白い顔をした挙動不審の男」とは正反対、そういう犯人像を個人的には描いています。
 だいたい、動機がよく分かりません。極めて短い間に殺害してしまっている。これで被害者が大人だったら、怨恨の線で捜査を進めるんじゃないかと思われるぐらいで、別の目的で誘拐してから「騒ぎはじめたので殺した」のではないように見えます。被害者が子どもであることを除いては、奈良の事件と共通する部分は少ないのではないでしょうか。
 と、シロウトがごたごた言わなくても、特異な物的証拠がかなり出ているようですから、犯人の絞込みにさほど困難はないと見ています。
 犯人逮捕の決定的瞬間までの間、シロウト推理が出まくるのは、大衆参加の劇場型犯罪が当たり前になった現状ではどうにもならないでしょう。
 ただ、「パンとサーカス」式に、勝手に盛り上がるのは、頭の悪い人の娯楽に留まるならどうでもいいんですが、被害者や被害者の身近にいる人に対する配慮が決定的に欠けているのは問題です。犯人探しで固定的イメージを向けられるのも迷惑な話ですが、それよりも、近親者を喪った人に対して無神経な感覚がまかり通るのはどうかと思います。
 この点については、娯楽志向のマスコミの問題も当然ですが、そのマスコミ対策として捜査当局も加担しているのではないか、疑える部分もあります。捜査の進展に注目が集まるのは致し方ないにしても、どうも情報を小出しにして「鋭意進めています」とアピールしているのではないか、どうしてもう少し犯人逮捕まで隠密に徹してやれないのか、疑問は残ります。

> まあ何にせよ今の所ワタクシの中で評価できそうなテレビ局がパリーグのプレーオフをしっかり放送して下さったテレビ東京と『水曜どうでしょう』や『ハナタレナックス』など独自番組で気を吐くHTB北海道テレビを筆頭とする一部の地方局くらいという方向です

 米ABCテレビもあれば、CBSテレビもあるし、英BBCもある、爆撃の標的にまでされかけたアルジャジーラテレビだってあるじゃないですか。
 ……この選択の弱点は、日本国内のローカルニュースがまったく受信できないことですけれど(おい)

 気の早いところでは「今年の重大ニュース、あなたは何?」などとやっているようですが、まだ1ヶ月以上残ってて何があるか分からないですよ。
 ……あ、同じことを昨年12月後半に言おうとして、一昨年のイラン・バムの地震を例に出そうとしてたらスマトラの地震津波が起きてしまったのを思い出しました。ちゃんと年終わってからじゃないと縁起でもないです(苦笑)。
 それはともかく、今年の冒頭、というか第一四半期はずっと入院してたわけですが、NHK衛星の映らない病室のテレビを毎日見るよりも、自宅で録画しておいた米ABC「This Week」を数日遅れで見たほうが世界の動きが分かるのを確認したのは良い経験でした。
 下手すると、週1回数時間だけ帰宅して、1週間分の「ABC World NEWS Tonight with Peter Jennings」の録画を持ち帰ったほうが、動向がよく分かる……これ、救いようがないような気がしてきます(苦笑)。
 まあ、後半はノートPC環境を整えて、病室でもロイター読めるようにしたんですが、その勢いで英和辞書やら、果ては中国語の辞書まで持ち込んだので、病室が手狭になったりしました……退院のとき「引っ越し?」と看護師さんに言われたっけ……(遠い目)
 注記:辞書よりも、隠れて持ち込んだ『今日の整形外科治療指針』『整形外科エキスパートナーシング』のほうが場所とってたのは秘密です……今度入院する事態になったら、『今日の診療プレミアム Vol.15 ハイブリッドDVD-ROM版』にしよう(おい)
 SOHO化を突き詰めていくと、Home OfficeでなくてHospital Officeも可能なんだと実感できましたけど、それって一つ間違うと日本語で「院政」になります?(こらこら)


>天宮千聖さん(千聖となんやらの雑記 11月24日)
>短時間で新鮮なお湯が沸くのって便利だけど、私はガラスポット買いました。

 こういうのは選択肢になかったですか?(こらこら)
 いや、よく国際線のキャビン・アテンダントなんかが「お勧め」してるものですから。……私自身は、海外で日本食が恋しくなった経験がないので、持ってないですけど。
 その前に電源の確保からインマルサット通信まで考えなきゃいけないようなところに飛ばされるのはパスしたいです
 ……って、これ、どう考えても自室で使う製品じゃないかしら(笑)。
 でも入院中、コーヒー飲みたいと思って(血圧とかの異常はないので制限なし)、コーヒーメーカー買おうかと検討したのは事実ですけど(笑)。……実現してたらどんな病室になったのやら(笑)。

2005/11/26 わが屍を越えてゆけ

 ♪そのうちなんとかなるだろう〜 (のち参院議員・都知事を歴任する人の作詞あたりの挨拶)

 なんだかドタバタしてて、すっかりご無沙汰してしまいました。

女性・女系天皇容認、第1子優先 皇室典範改正へ報告書 【朝日/goo】

 なんだかすごい出遅れ感がありますが(苦笑)……率直に言ってしまうと、どうでもいい議論ですね。
 いますぐ認めないともう絶える、そうなると大混乱だ、というところまで緊迫した情勢なら、まだ真剣に議論する意味合いも分からないではないですが、現在そこまで差し迫っているわけではないでしょう。
 だいたい、10年後に日本が再び戦争に突入して、また焼け野原になって敗戦を迎えないという保証はどこにもありません。そうなれば、憲法や皇室典範を含めた統治システムが根底から問われるのは当然で、必然的に天皇をどうするかの問題も出てくるでしょう。「お世継ぎ」問題だけが天皇制の脅威であると思い込むのは、あまりに歴史を軽んじています
 こう言うと投げやりに聞こえるかもしれませんが、皇位継承者が絶えたら絶えたで、それもまた「天命」ではないでしょうか。
 どうも、「万世一系」を信奉する割には、案外おくびょうな心配ばかりをしている人が少なくないように思えてなりません。普段の威勢はいいのに、そんなに「天祐」信じられないんですかね?

 それなら廃止論なのか、どう考えてるんだ、と問いただされそうですが……なぜか次のGHQ高官のコメントとまったく同意見です。

 自分は天皇崇拝者ではない。随(したがっ)て十五年先二十年先、日本に天皇制があろうがあるまいが、又天皇個人としてどうなって居られようが、関心は持たない。然し、連合軍の占領について、天皇が最善の協力者である事を認めて居る。現情に於て占領が継続する間は、天皇制も引続き存続すべきであると思う。
(GHQフェラーズ准将から米内光政への話。『昭和天皇二つの「独白録」』より)

 付け加えることも差し引くこともありません。

 極東の頭の悪い人たちが騒ぎ立てる些事は放っておいて、次行きます(苦笑)。

「下流社会」の三浦展さん 階層化進む若者像示す 【読売】

 ……まだ先行きに希望持っている・持ちたい人がいるとは思いませんでしたが、ハッキリ言ってそれは妄念です。

 「結果に差がつく自由競争はとりあえずいい。会社員が嫌だとヒッピーをするのは自由だ。下流でいいやという感覚もあり、それをダメだというほど単細胞でない。ただ、子供のスタートラインに差がつくのは問題だ。階層が再生産され、固定化するのはまずい。現在は階層化が始まりつつある段階だが、パリで今起きている暴動が20年後に日本で発生しないとは限らない」

 起こらないでしょう、暴動は。そんなに日本人にパワーないですから。
 そうではなくて、「下層に固定化された人を見て、あれじゃひどいと燃え上がる苦労知らずのお坊ちゃん」がクーデタを起こす、という構図のほうが想像しやすいです。
 2.26事件にしても、60年安保にしても、なぜか立ち上がるのはいつも「切羽詰った」人たちではないんです。何が不満なのか分からないような「ぼんぼん」が多い
 まあ、「20年後」といっている時点で、問題を先送りにしたい深層心理がくっきり出ていますよね。こっちは5年10年で危ないと見ているのに、20年とは随分先の話、悠長ですねえ。
 そもそも、覚醒が求められているのが「若い人」だと決め付けているあたり、この書評を書いた記者のお里が知れるというものです。
 新聞記者の署名の是非以前に、こういう問題扱うときは記者の年齢ぐらい書いたらどうかとも思いますが、要するに守旧派ですね。「最近の若い者は」の年寄りの繰言と大差ありません。

 ……島国の話題はどれ持ってきてもどうにもならん、次!(苦笑)

 ABC「ナイトライン」アンカーを務めたテッド・コペル(Ted Koppel)さん、番組降板にあたり、最後の挨拶

テッド・コペルさん「ナイトライン」を去る
'That's Our Report for Tonight'
After 25 Years, Koppel Says Goodnight to 'Nightline'【米ABCテレビ】



 若い見習いのスタッフにはクイズを出すことにしています。
 ただこのクイズはあまりに身近な内容だったので、この間の見習いには出しませんでした。

 エリック・セヴァライドを知っている人は?と聞いてもポカンとしています。
(中略)
 デビット・ブリンクリーと聞くと、1人2人の手が上がり、ウォルター・クロンカイトは、わずかながら若者の記憶にも残っていることが分かります。
 10代後半から20代前半の若者は、いま挙げた7人の人物が、かつては全国に名前が知られたテレビのキャスターやコメンテーターであることをまったく知りませんでした。
 ただ、テレビ番組のキャスター交代などは大した問題ではありません。
 クロンカイト氏を継いだラザー氏や、チャンセラー氏を継いだブロコー氏、そして、レイノルズ氏を継いだジェニングス氏の各キャスターは、それぞれ見事なキャスターぶりを発揮しました。
 これまで私をかわいがってくださったように、次の新しいキャスターも温かい目で見守っていただきたいと思います。
 他の局にはないこの時間帯のニュース番組が、バラエティ番組に変わり、後悔なさるのは視聴者の皆様に他なりません。

(最後の部分の原文)
Trust me, the transition from one anchor to another is not that big a deal, Cronkite begat Rather, Chancellor begat Brokaw, Reynolds begat Jennings. And each of them did a pretty fair job in his own right.
You've always been very nice to me, so give this new anchor team for "Nightline" a fair break. If you don't, I promise you, the network will just put another comedy show in this time slot, and then you'll be sorry.
That's our report for tonight. I'm Ted Koppel in Washington. For all of us here in ABC News, good night.

 うわー、啖呵切ったよこの人!
 しかも、今回のテッド・コペルさんの降板が、「1時間の総合ニュース番組に拡大する」局の方針と一致しなかったから、という事情を考えると、これすごいセリフです。
 ジャーナリストとしての信念がなかったら、とてもここまでは言えませんね。
 仮に日本で、視聴率のとれない特集なんかやめちゃえ、みたいな局の都合と対立してキャスターが辞めるとして、「後任もよろしく」ぐらいは普通に言うでしょうが、「インチキ占い師が出てくるようなトンチキな番組に変わって後悔するのは皆さんです」と言えるか……想像もできません。
 日本にあるのはエンタメ番組ばかり……と書きたいところですが、「地獄落ち」連呼する死にぞこないエセ占い師を出す番組を「エンタメ番組」と呼ぶと、今度はエンターテインメントを真剣にやっている人から猛烈な抗議が来そうですね。
 エセ・インチキ・ウソに、きちんと対峙していく姿勢がないままで、放送の公共性もなにもあったものではないはずですが、そういう明確な区切りは好まれないようです。
同じぼかしなら、議論をぼかすより、ウソキカズコの顔にボカシ入れたほうがよっぽど教育上好ましいと思うのですけれど

 「愚か者の国では、馬鹿でも王になれる」
(「ザ・ホワイトハウス」第4シーズンで、フィッツウォレス統合参謀本部議長)

 仮想の敵国クマーと違って、まだ実在している某島国の外相を暗殺してしまうと、おそらく問題をややこしくするとは思うんですけれどね……。第3シーズン後半の「大いなるジレンマ」の原題は「WE KILLED YAMAMOTO」でしたけど……。
 そういえば第3シーズンでは、ジョシュ・ライマン次席補佐官を特集する危ないサイトに、ジョシュが「『ナイトライン』見てくれてありがとう」 とレスを書き込んでトラブル大きくしちゃうエピソードもありました。(←いいかげん「ザ・ホワイトハウス」から離れなさい)

2005/11/16 生きるための退却

 アレ? これはちょいと気に入らないねえ(現場写真見ただけで事件解決の糸口を掴む事件記者あたりの挨拶)

 というわけで、例の毒殺未遂事件は思いっきり特オチだからではなくて気に入らないので取り上げません(おい)。

 ……それではいくら何でも、かもしれませんが、下手に毒物名挙げると検索増えちゃうこっちの身にもなってください(苦笑)。
 毒物じゃありませんが、昨日なんか「カテラン針」で検索いらしてましたよ……。そのうち「スワンガンツカテーテル」とか、果ては「エンジェルセット」(かわいらしい名前ですが縁起とっても悪いです)でも来るんじゃないかと(苦笑)。
 まあ、例の事件では、「おとなしい子が……」の予定原稿どころか定型文登録してあるんじゃないかと思いたくなるようないつも通りの報道が多いようですが……。
 国情がまったく違い、ローカライズされている部分を差っ引いて読まなければならない『FBI心理分析官』にさえ、同様の記述はあります。

 無秩序型犯罪者は、学校ではまったく目立たない存在だ。彼が恐ろしい犯罪を犯して捕らえられると、かつての教師やクラスメートは彼をほとんどおぼえていない場合が多い。近所の人たちも彼のことを、一度も問題を起こしたことのないいい子で、あまり人とつきあわず、おとなしく礼儀正しかったと言う。

 この本は多くの人に勘違いされていますが、プロファイリングは、事例を学ぶことによって今後起きるであろう事件の「捜査」に役立てようという技術であって、別に犯罪者が犯罪に至る動機のすべてを解明しようというものではありません。
 別の例で考えれば分かることで、遺体の捜索に警察犬を使うときに、「イヌがわんわん吠える近くをよく探せ、そのあたりに遺体があることが多い」というのと、「遺体があるとイヌが吠えるのはなぜか?」というのは、まったく違う話です。
 人間の行動、ことに犯罪事件という特殊ケースでは、どうしても意図があるだろうと想定しますから、この点がごっちゃになりやすいんでしょうが、行動の痕跡から犯人を探す試みと、犯人が見つかってからなぜ?と調べるのは順序が正反対です。
 もっとも、実際は犯人へのインタビューによって仮説が正しいかどうか検証するので、ごっちゃになりやすいのはある程度は仕方のないことかもしれません。しかしそれでも、何でもかんでも「分かったつもり」になるための話芸ではないことは強調しておく必要があります。

 アメリカABCテレビは、今月を禁煙キャンペーン月間として、「ABC World NEWS Tonight」でも連日「生きるための禁煙」を特集しています。原題は「Quit to Live」で、Qの字が灰皿の形になっています。
 このキャンペーンの冒頭、「私たちも今年、ピーター・ジェニングスを失いました」と説明していましたが……誰が亡くなっても一時的なエンタメ報道で終わって、49日も経たずに忘れちゃう不思議の国とはえらい違いです。

 ……ところで、連日ピーター・ジェニングスのキャプチャ(8月の)をイメージ検索で来る方、いったい何をなさってるんでしょう。
 っていうか、ウチに何を求めてるのかしら(笑)。アメリカABCテレビのファンサイト?(おいおい)
 レオ・マクギャリー首席補佐官(「ザ・ホワイトハウス」)渋い〜♪ カーター先生(「ER 緊急救命室」)決めるときは決めるのね、みたいなノリ? ……どっちもABCじゃないですけど(笑)。「デスパレード」はABCですが、見てないです(笑)。

理系のための恋愛論 第191回 恋人いない同士で遊んでるからダメなのよ 【MYCOM】

 最初の感想が「人間万事塞翁が馬」で、その次が「唇亡びて歯寒し」ではダメですね(笑)。
 恋愛の世界で合従連衡策を説いても……きっとダメだと思います(笑)。得意技が「鶏の鳴き真似」だったらあるいはもしかするかも……って、『史記』から離れないと(こらこら)

 ところで、

モテる人というのは、ハタから見ていてうらやましいし、ねたましいし、ハラが立つこともあるものですが、彼らの側にいると、自分の知らない世界を知ることができますし、モテる男を取り巻くイロイロな女の子を見る力もついてきます。

とのことですが、「うらやましい」「ねたましい」から解脱してしまうと、それはそれでThe Endらしいですよ(笑)。
 対象読者がまだ諦めていない人だからだとは思いますが、諦めちゃった人に向かって「今ならまだ間に合う!」と一昔前の刑事ドラマのシーンみたいな説得はしなくてもよさそうです。
 それはともかく、このコラムでも再三指摘されていますが、標的対象に対してあまりに無知、ということはあるでしょうね。
 これ、おそらくはプロトコル、手順の違いなんだと思います。3つボタンマウスと1つボタンマウスぐらいの差は普通にあるでしょう(笑)。
 マーケティング・リサーチ、略してMRと言ったりしますが、物を売るときに相手を知らないということは許されません。
 そりゃ、「食えるものならなんでもいい」世界なら別ですが、空腹が満たされると味の好みが出てくるように、嗜好にも方向性が出てきます。「蓼食う虫も好き好き」とはよく言ったもので、甘ければ甘いほどいいというわけでもないんですね。対象の好みを把握してアプローチする必要があります。
 と、一般論で言うのはカンタンなんですが、現実には難しいでしょう(笑)。リサーチもなにも、言葉の分からない外国にいきなり飛ばされたみたいなもので、相手に警戒されずに軍事機密に自然に接近するのは至難の業です。
 男女の性差を一括で語れるほど詳しくはありませんが、女性のリサーチ能力が高く、男性がリサーチを怠っている、というのは、現象の一面だけを見ているようにも思えます。なぜなら、その背景には、そもそもリサーチを「自然に」できる会話能力の差、正確に言えば「聞く技術」の差があるように思えるからです。
 だからといって、誘導尋問の技術を身につけたらもてるようになるか、それは保証できませんよ、というか、ストーカー育成にしかならないような気がします(笑)。
 その点で、リサーチ能力というのは攻守ところを変えているだけで、攻めるのが上手な人は守るのも上手なのかもしれません。技法(テクニック)なしで、いきなり世の男性陣に「相手の家族などの基礎情報を調べるように努力しなさい」とアドバイスしたら、取り調べじゃないんだから、というような下手な聞き方をする人が増えるような気がします。
 ……そのときは、ちゃんと「貴女には供述を拒む権利があり、弁護士を呼ぶ権利がある。またここで述べたことは後日不利な証拠として採用されることがある」と権利条項を読み上げるように(こらこら)。じゃないと後日手続きそのものが無効になってもしりませんよ(笑)。

第38条 何人も、自己に不利益な供述を強要されない。

修正第5条 また何人も刑事事件において、自己に不利な供述を強制されない。

 日米ともにちゃんと憲法で保障されています。……話が違うか(笑)。

 そういえば、人前(じんぜん)結婚式というのは、神の前で誓うのに替えて、列席者の前で誓約書みたいなのにサインするんだそうですが……。
 日本の契約書、ビジネスシーンでさえ「争いがあるときは、双方誠意をもって協議するものとする」としてしまうのが通例で、「争いに発展したら話し合いなんかできっこない!」とリスクを先読みする海外の法務部門からクレームがつきやすいぐらいですが、結婚でもそんなものなのでしょうか。
 だからといって、結婚式で「争いのあるとき、東京地方裁判所を……」と合意管轄なんて言われても困りますし、そもそも管轄の合意そのものが無意味です(笑)。
 双方に信頼できる人がいるなら、仲裁条項は入れても良さそうですけど……。
 と書いていて改めて気づくのは、文化が違うことを前提とすれば、結婚は国際条約の締結にも似ていることです。誓約を踏みにじろうと思えばどうにでもなってしまうし、強制することもできない、という点でも国際条約と似ているのは困ったものですが(笑)。
 トップ会談の前に次官級だとか事務レベルだとか積み上げていくことを考えれば、「お見合い」というシステムも悪くないのかしら(笑)。まあ、トップレベルの電撃外交というのもアリでしょうけれど(笑)。旧来の「お見合い」が良くなかったのは、出先の大使が勝手に決めてしまうようなのが多かったからかもしれません。事務レベルでも民間レベルでも積み上げてきたものを、トップが気分だけの行動で根こそぎぶち壊すのは問題外の外ですね
 どっちが有効か、まさか比較対照群を置いてダブル・ブラインドで……なんてやるわけにもいかないでしょうし、やったところで個別のケースには役立たないので、あまり意味がないでしょう。セフェム系抗生剤使うかニューキノロン系で行くか、とは訳が違います(苦笑)。

 大事なのは、画一的な手法が画一的な結果につながるという迷信、これを打破することです。これをやれば必ずこうなる、なんて不確実性の時代には誰にも分かりません。とすれば、「知らざるを知らずとなす、これ知るなり」(『論語』)で、不確実であるとまず認めるところから始める必要があります。  個人の幸福を最大限重視してゆくとすれば、外から「こうでなければ本当の幸せではない」などと押し付けることはできないはずです。そういう価値観の多様化が、非常に遅れている、そう思えてならないんです。
 「あなたは本当の幸福を知らない!」なんて、カルト的宗教団体や自己啓発セミナーのセリフと思ったら大間違いで、そこまではっきり言わないだけ、実際は「多数派の社会」が平気で言っています。
 気の早い(そうでもないかしら)広告メールで「今年のクリスマスは……」なんてよく来ますが、「アンマン発ロイター」より遠い世界に思えるとこに送らなくたって、と思いますよ(笑)。
 広告メールなどは典型的な「最大公約数の幸福モデル」に合わせて作るんでしょうけれど、それだけに外れてる側からすると、「こういうのが公約数ですか〜」と逆に感心してしまったりします。感覚的には「サダム・フセイン裁判、イラク国民の反応は……」とあんまり変わりません(笑)。
 広告メールは極端な例ですが、それにしても、「モテる」ことを無条件で優れていると思い込むのは、どうかとも思えます。すでにそう信じている信者さんにまで改宗を呼びかけはしませんが、全員が全員無理にそう信じる必要もありません。
 皆がタバコを吸っているのを真似して、みんなで仲良く肺がんにならなくたっていいはずですし、個人の責任の範囲でタバコを吸う自由も吸わない自由も認めているわけです。
 ピーター・ジェニングスが若かった頃は、タバコがここまで有害なものとはされず、「カッコイイ」シンボルだったのでしょうが、後半生はタバコともタバコ会社とも闘っていました。
 いま「当たり前」のことが、将来ひっくり返らない保証はどこにもありません。自分でよく考えて、自分で決める、それだけが真実です。「退却カッコ悪い」なんて周囲の雑音に惑わされる必要など、どこにもありません。

2005/11/05 ♪更けゆく秋の夜〜

 ♪あなたをさがして ここまで来たの〜 (えらく違ってしまう歌あたりの挨拶)

 いいかげん寒いんじゃないかって気もしますが、アメリカでは先週で夏時間が終わりました。
 ……壁にかけてある時計の一つを修正するのに、手前のモノが邪魔でえらく苦戦してしまいました(苦笑)。世界標準時に夏時間がなくてよかった(笑)。
 目が覚めたときに「いま何時? ……6時って、午前?それとも午後?」ということもよくあるので、机の上に24時間式ディジタル液晶時計を置いてあるんですが……この部屋、なんだか時計ばっかり(笑)。
 壁掛けに東京、世界標準時、ニューヨーク、台北・香港とあって、ベッドサイドに目覚まし時計。携帯電話にも時計ついてますし、こんなにいらないかも。
 目覚まし時計は、エレコムの「USBめざまし」で、前にも書いたように「ABC World NEWS Tonight」の出だしを録音して使っていますが、「From ABC News, This is "World News Tonight", Reporting from ABC NEWS headquarters」 まではいいとして、「Good evening!」で目覚めるのって自分でもどうよ、と思います(笑)。
 ……「This Week」なら、「Good morning everyone!」で始まるから、こっちにすれば解決かしら(おい)

 そうそう、最近のBGMお気に入りは、「ビゼー:アルルの女第1&2組曲」です。
 某ゲームの影響で思わず……(苦笑)。ちょうど「3Buy Get1」キャンペーンの応募券があったから、正確に言えば買ったんじゃないですけど(笑)。

 先日、映画「コンタクト」(米1997年)を衛星映画劇場でいまさらながら見ましたが、SF描写などのカンジンな部分よりも枝葉に目が行ってしまいました(笑)。
 映画中で、熱狂するテレビメディアが登場しますが、時事ネタを扱うコメディ番組の司会者、本人じゃないですか!(笑)
 ……アメリカのテレビメディアに触れる機会の少ない日本人にとっては、「クリントン大統領(当時現職)のそっくりさん」の印象が強かったかもしれませんけれど。
 逆から見たたとえで言えば、「何か(地震予知でもなんでもいいです)が起きると分かって、日本に全世界のメディアの注目が集まる」というシーンを作るときに、首相のそっくりさんを使うのと同時に、関口宏さん本人を出すようなものでしょうか。
(「報道ステーション」の古館さんや、「ニュース23」の筑紫さんのほうがニュースキャスターの例としては分かりやすいでしょうけど、映画で使っていたのは「The Tonight Show」「Larry King Live」だったので、土曜の朝のまとめ番組から関口さんにしました……実は日本のニュースエンタメ番組あんまり知らないのよね(おい))
 宗教団体のお偉いさんとして、今をときめくホワイトハウス広報部次長役のロブ・ロウが出ていたのにも驚きましたが……映画見るときの感覚がどこか違っているかも(笑)。
 そういえば、ABC「This Week」でアンカーを務めるジョージ・ステファノポロスさんは、ワシントンの政治関連のニュースでは「ABC World NEWS Tonight」にも出てきますが、この方も映画に出演されたことがあるらしいです。

「クリントンを大統領にした男(1993)」 【goo映画】
 ……えっと。

George Stephanopoulos 【米ABCテレビ】

 ABCに来る前どころか現職時代なので、「出演」には出ていないようです。
 文中の著書『All Too Human』は、『ホワイトハウスの赤裸々な人たち』として邦訳されていますが、絶版みたいです。

 ところで、映画「コンタクト」に戻ると、主役の宇宙科学者をジョディ・フォスターが演じてましたが……この人いくつで、これいつの映画?と思っちゃいました。映画はよく分からないんですよ(苦笑)。
 ジョディ・フォスターといわれて最初に思い浮かんだのが、「ジョディ・フォスターに憧れた挙句に、レーガン大統領暗殺未遂事件を起こしたヒンクリーって犯罪者がいたなぁ」でしたから(苦笑)。
 ……こういう思い出され方はイヤでしょうね。「アニメ見て犯行」と同じ文脈だから、嫌がる気持ちはよく分かる(こらこら)

 さきほど、NHKスペシャル「立花隆最前線報告 サイボーグ技術が人類を変える」を見ましたが……。率直な感想、立花隆がいらなかったかも(おい)
 取材だけで必要十分、ちょうどよかったところに、余計な感想が入ってしまって邪魔に感じました。
 脳の信号を拾って義手義足を動かす、そこまでは人類の幸福のために役立つけれど、それを直接患者さんの身体に取り付けずに、健康な人間の指令で遠く離れた戦場で右左動かせるようになると怖い、という感情は分からないでもないですが、それでは情緒的なレベルに留まっています。
 私たちはすでに、ボタンひとつで人類を全滅させる核ミサイルの技術を当たり前のように受け入れているわけです。別にサイボーグ技術を使わなくたって、遠く離れたところの人間を無辜に殺傷することはできる。惨害の及ぶところまことに測るべくもない、そういう世界にすでにいるわけです。
 その世界の中で生きている以上、遠く離れた安全な場所から攻撃できるのは怖いことだと言われても、まあ感情的には分からないではないですが、指摘としてはどうもピンと来ません。これ、今回のサイボーグ技術に限ったことではなくて、無人戦闘機の話題でも同じノリで、これでパワーバランスが崩れると歯止めが利かなくなるんじゃないか、早い話が超大国が好き勝手できるようになるんじゃないかといった議論は少なからずあるわけですが、それ今に始まったことなんですか、と反問したくなります。
 大陸間弾道ミサイルなんか、無人爆撃機よりも遠く離れたところから飛んできて、街ひとつ一瞬で消滅させることができます。米ソ冷戦が終わって、核の恐怖の実感が薄らぐにしたがって、どことなく平和ボケしてきているんじゃないか、核兵器の廃絶に向かう情熱さえもなおざりになってきてはしまいか、そういう思いもあって、どこかで冷淡に見てしまいます。
 むしろ怖いのは、人間の感情をも外部からコントロールできるようになってきた、そちらの方向ではないでしょうか。
 もっともそれにしたって、ここ一世紀の歴史を見れば別に真新しいことではないんです。脳の一部を切り取ることで精神病を治すというロボトミーはノーベル賞を受賞していますし、電気ショック療法だってあったわけです。こめかみに電極を当ててバチっと電撃を与えると精神病が治るという電気ショック療法は、濫用がたたって使われなくなりましたが、最近では厳密な制約をかけて必要な場合にのみ使おうと、アメリカから再評価の見解も出てきています。歯止めを緩めるとどこまでもやってしまう日本では認めないほうがよさそうですけど、それは純粋医学の問題ではありません。
 脳に電極を刺して感情をコントロールするといわれればさすがにドキっとしますが、科学的には電気ショック療法の裏付けと受け取れないことはありません。電気ショック療法は、なぜ効くのか科学的根拠が分からないままに経験的に使われていましたが、いまさらながら脳の電気パルスに働きかけていたんだと分かれば、科学の理解の助けにはなります。
 やりたい放題やられてしまうんではないか、ロボットのような無批判な、体制にとって都合のよい人間を作ることに利用されるんではないか、そういう疑念をもつのは大切なことですから、あえて否定はしません。たとえば全国民に生まれたときに何かの電子回路を脳に埋め込むことを強制して、その電子回路を通じて独裁者が意のままにコントロールする、なんてSFの世界と思われていたような話が現実化しかねないとなれば、本能的に、感情的に危険を感じるのは当然です。
 しかし、それはサイボーグ技術だけが問題なのかと考えるとき、実はそうではなくて、太古から続く教育というシステムによってすでにやってきたことではないだろうか、とも思えるわけです。何も目新しいサイボーグ技術を使わなくたって、もうやり尽くしているような気さえします。というよりも、こんにちただいま、極東の島国で電子技術の助けなしに、強力に推進されている最中ではないかと疑われてなりません。
 脳に電子回路を埋め込むまでもなく、私たちはすでに脳の延長線にあるメディアを通じて世界を理解しています。世界中のことを我が身をもって体験するなんてことは絶対に不可能ですし、過去の生まれる前の話も体験はできません。世界の理解、歴史の理解は間接的にしかできないものです。
 とすれば、歴史の記述を捻じ曲げ、あるいは都合の悪いニュースを隠蔽するといったことの怖さは、脳に電子回路を埋め込んで制御するのと大同小異です。
 快・不快の感覚を、リモコンで外から制御するといわれれば確かにぞっとしますが、快・不快の感覚とは何かといえば、教育と体験によってそう思うように「しつけ」られてきているだけのものです。
 日本人が殺害されたというと悲惨だと感じるのに、「イラクで爆弾テロ、数十人死傷か」と聞いても「またか」と感じるとすれば、そこには教育の影響が出ています。同じヒトが死んでも情報の受け止め方が分かれるのは、ヒトの本能によってでは説明がつきません。特攻隊を賛美しておいて、自爆テロには侮蔑を示すのも、ヒトの本能とは違う話です。
 サイボーグ人間は、外部からのコントロールを、よりダイレクトに目に見える形で行うために、「それ大丈夫か」と警戒を招きますが、実は日々の生活のなかで同じことが行われているのではないか、そういう疑いをもつ必要もあるのではないでしょうか。
 家庭教育が大事だなどと、したり顔で言う人がいますが、そこには生まれる家庭を子どもは選べない現実への視点が抜けています。暴力を是とする家庭で育ったらどうなるのか、そんな簡単な思考実験さえもせずに物を言えるのは、不思議を通り越しています。
 そこまで極端ではなくても、家庭でも学校でも、教育というものは本質的に「見えないリモコン」を使って外から制御しているものである、と考えれば、サイボーグ技術を待つまでもなく、現在推進中ではないのかと疑わざるを得ません。
 サイボーグ技術に対して懸念を抱くのは結構なことですが、その十分の一でもいいから教育のもつ本質について考えてもらいたいものです。とくに、リモコンが個性を取り上げて「ロボット人間」を作り出す恐怖を感じるなら、すでに電子回路なしに同じことをやっていないか、見えないリモコンの圏外に離れる自由を私たちの社会が守りきれているか、そちらの恐怖も考える必要があります。

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