VNI鈴凛 過去ログ 05/10/01-05/10/31

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2005/10/27 ラジオとともに〜♪
2005/10/25 寛容と忍耐
2005/10/11 私だけの十字架
2005/10/08 BREAKING NEWS:インド・パキスタン国境付近で強い地震
2005/10/07 どうしてもっと慎重におやりにならないんですか
2005/10/03 李下に冠を正し……てどうする?

ニュースクリップ

(10/29 07:10更新)
★イラク戦争直前にサダム・フセイン大統領亡命の計画、フセイン大統領も同意=アル・アラビアTVのドキュメンタリー番組が伝える。アメリカも支持したとムバラク・エジプト大統領語る。【ロイター=ドバイ発・米国東部時間17:19(日本時間06:19)
(10/29 04:30更新)
★リビー氏起訴で、ブッシュ大統領が米東部時間15時50分(日本時間04時50分)から会見【米ABCテレビ】
(10/29 04:10更新)
★CIA機密漏洩疑惑、「捜査まだ終わっていない」=フィッツジェラルド特別捜査官。カール・ローブ大統領次席補佐官の起訴の見通しについてはコメント断る【ロイター=ワシントン発・米国東部時間15:04(日本時間04:04)
(10/29 03:30更新)
★CIA機密漏洩疑惑で、チェイニー副大統領首席補佐官リビー氏を起訴=連邦大陪審。偽証や司法妨害の容疑で。有罪となれば最大で懲役30年と125万ドルの罰金。リビー氏は首席補佐官を辞任、チェイニー副大統領も辞任を了承。チェイニー副大統領「被告人には無罪の推定原則がある」とのみコメント。フィッツジェラルド特別捜査官は声明で「高官を含むすべての市民は大陪審で真実を語ることを要求される」と。【ロイター=ワシントン発・米国東部時間14:14(日本時間03:14)
(10/28 03:30更新)
★連邦最高裁判事に指名されたマイヤーズ氏が指名辞退、ブッシュ大統領が了承。保守派の反対で。引退するオコーナー連邦最高裁判事の後任人事は振り出しに【共同通信】
(10/25 16:20更新)
★米公民権運動のローザ・パークスさん死去、92歳。アラバマ州モンゴメリーでバスでの座席移動を拒んだことから黒人差別への注目を集め公民権運動の端緒となった【共同通信】
(10/19 23:30更新)
★ハリケーン「ウィルマ」、最強のカテゴリ5に勢力増す。中心の気圧は882ヘクトパスカルと記録的な強さを観測=米空軍観測機【ロイター=マイアミ発・米国東部時間08:39(日本時間21:39)
★サダム・フセイン元大統領裁く特別法廷初公判開かれる。フセイン元大統領らは無罪を主張。次回は11月28日に。【ロイター=バグダッド発・米国東部時間09:56(日本時間22:56)
(10/19 20:48更新)
★20時44分頃、首都圏で強い地震、茨城県南部で震度5弱【NHK】
(10/18 11:00更新)
★米ABC、「ナイトライン」アンカーに現在ホワイトハウス担当記者のテリー・モラン氏など=降板するテッド・コペル氏の後任に。11月28日からの番組形式変更にあわせる【ロイター=ロサンゼルス発・米国東部時間20:25(日本時間09:25)
(10/16 16:10更新)
★16時05分頃、首都圏でやや強い地震、茨城県南部や埼玉県北部、神奈川県東部などで震度4【NHK】
(10/14 04:10更新)
★「サダム・フセイン裁判、テレビ公開望む」=イラク特別法廷裁判長、AFP通信に【BBC】
(10/13 08:10更新)
★パキスタン北部でマグニチュード5.6の地震。最新の余震=米国地質調査所【ロイター=サンフランシスコ発・米国東部時間17:10(日本時間06:10)
★ガザで誘拐されたアメリカ人とイギリス人の記者、解放=パレスチナ自治政府内相報道官発表。約10時間拘束されていた二人とも健康【ロイター=ガザ発・米国東部時間16:46(日本時間05:46)
(10/13 00:10更新)
★アメリカ人とイギリス人の記者、パレスチナ・ガザで誘拐される。パレスチナ人通訳が目撃。パレスチナ内務省報道官「捜査を始めた」と。【ロイター=ガザ発・米国東部時間10:47(日本時間23:47)
(10/12 14:40更新)
★米MicrosoftとYahoo、インスタントメッセンジャー相互通信で連携へ=情報筋。最大手AOLや新規参入のGoogleに対抗、水曜にも発表か。両社の広報担当官はウォールストリートジャーナル紙の取材にコメント拒否【ロイター=シアトル発・米国東部時間01:06(日本時間14:06)
(10/12 11:00更新)
★中国の有人宇宙船「神舟6号」打ち上げ成功で、温家宝首相が祝賀メッセージ発表。技術陣に敬意表したほか、「中国の宇宙ロケット開発は完全に平和目的」と強調。【新華社通信(電子版・特設ページ)・北京時間09:45(日本時間10:45)
(10/12 10:30更新)
★中国で2度目の有人宇宙船「神舟6号」打ち上げ成功。ロケットエンジン点火後583秒でロケット切り離しに成功、高度200kmに到達、乗組員から「分離成功」と地上に報告。北京管制センターは「正常に軌道に入った」と発表【新華社通信(電子版・特設ページ)・北京時間09:21(日本時間10:21)
(10/08 15:50更新)
★インド・パキスタン国境での強い地震で、現地民間テレビはイスラマバードで2つの高層ビル倒壊を報道。イスラマバード政府高官によれば、2つの高層ビルに75以上の部屋があり、数百人が生き埋めになっている模様。インド科学技術相は「第一報ではインドで死者の報告ない、損害はパキスタンで生じている」とテレビ局に語る。インド・カシミールの職員によれば、高速道路が地すべりにより閉鎖。パキスタン政府職員は、死傷者は北部で予期されるが電話が不通、移動ネットワークも輻輳しており詳細不明と。【ロイター=イスラマバード発・米国東部時間02:37(日本時間15:37)
(10/08 15:30更新)
★インド・パキスタン国境で強い地震、パキスタン軍報道官は「カシミールおよび北部で致命的な損害」と=AFP通信に。アフガニスタン東部ジャララバードの政府職員は「2人の子どもが死亡」と【BBC・世界標準時06:05(日本時間15:05)
(10/08 15:15更新)
★インド・パキスタン国境付近で現地時間9時前(世界標準時04時=日本時間13時)に強い地震。カブールやデリーでも揺れ。アメリカ地質学研究所によれば地震の規模を示すマグニチュードはリヒター・スケールで7.6以上、震源はイスラマバード北東。日本の気象庁によればマグニチュード7.8。「これまででイスラマバードで感じた最強の揺れ」とパキスタン気象庁長官=ロイター通信に。パキスタン・ラホールの警察は少なくとも8人が負傷、4軒の商店が損壊と=AP通信に。【BBC・世界標準時05:20(日本時間14:20)
(10/03 00:45更新)
★アルカイダ、「イラクで米海兵隊員2名を誘拐」=ウェブサイトで声明。24時間以内にスンニ派女性を釈放せよと要求。イラク米軍報道官は情報聞いていないと懐疑的【ロイター=ドバイ発・米国東部時間11:34(日本時間00:34)



2005/10/27 ラジオとともに〜♪

 週1回学生、残りの九日間は……アレ!? 「一週間に十日来い」を地でいく人だ!(メチャメチャなノリになってしまった「パーソナリティのシャッフル企画」をやったネットラジオあたりの挨拶)


 ……個人的には、「下僕?」と後ろで笑ってる美人ディレクターさんがポイントだったかしら(笑)。

 ピーター・ジェニングスさんが世を去り、テッド・コペルさんが方針の違いから「ナイトライン」を今季限りで降板で、米ABCもなんだか今ひとつ、な昨今。
 ……と言ってから慌てて付け足すんですが、今ひとつ、といっても前に比べてのことで、新アンカーは最初のうちは誰でもそうだったわけですし、何よりも、内容のレベルは日本語メディアとは比較になりません。
 野球には詳しくないんでこの比喩で合っているかどうか分かりませんが、「選手入れ替えて今年のメッツは弱くなったねえ」と、「またうちの小学校の野球チーム負けたんか」ぐらいの差、でしょうか。向こうが弱くなったように感じるといっても、レベルの差は全然お話になりません。
 あ、そうそう、話いきなりずれますけど、この季節、洋服のバーゲンセールをあちこちでやってますね。ウチには「ABCのテリー・モランさんやテッド・コペルさんがときどきやってるような、背広の上下が青でワイシャツもネクタイも青系、ってのを試してみよう」とか言ってるのが一人います(笑)。同じ青系のシャツなら、BBC風にイエローのネクタイでまとめてみるのも手だとは思うんですけど、それは最近日本の街中でも流行り始めたらしいのが気に入らない、とか言ってますよ(笑)。フランスF2の真似はさすがにできないみたいなのが微苦笑モノですけれど……。しかも、決してこういう方向のコーディネートは考えないのね(笑)。

 脱線ついでにアドバイスしておくと、「勝負色」などと言われている赤系のネクタイされるときはとくにですけど、替えのネクタイも持っていくことをお勧めしておきます。  食事などで汚れる危険もあるんですが、それ以上に赤色が不謹慎な場に呼び出される可能性もあるわけですから……。暗い色のネクタイをカバンに入れておくのは社会部記者の心得だそうですが(訃報を扱うのは社会部です)、まあそこまでする必要は普通はないのかしら(笑)。
 でも、携帯やインスタントメッセージなどで動画でお話される機会があるんでしたら、呼び出されたとき用件が明るいものとは限らないので、そういう方は社会部記者に見習ってみては、と思います。
 古のテレビドラマ「事件記者」では、キャップ役の永井智雄さん、ダブルのスーツで決めていたような記憶がありますが、色は……あれ白黒だったっけか(笑)。

 話戻しますけど、そんなこんなでテレビにもちょっと意欲が湧かず、BBCやABCの流し見だけで、あとは寝る前と起きたときのロイターチェックで終わってしまう毎日、となると、あとの救いはアニメとアニメ系ラジオだけです(笑)。
 なんちゃら系というくくりが自称でも悩んじゃうのは前からですが、この際A&G系を独立させた文化放送さんにならって、「NBAG」とか勝手に名乗ろうかしら、とも……News,Books,Anime,Gameの略で(笑)。

(修学旅行の話題で)
儀武ゆう子:行くべきだよ、広島! ちょっと戦争問題には熱いからさ、沖縄人は(笑)

 儀武さん、ふだんの番組ではぶっとんだ調子で突っ走ってますけど、根は真面目なのかも(笑)。
 ただ、シャレではすまない一面はあるでしょうね。
 というのは、こういっては失礼だけれど、戦後も沖縄は人の出入りが限られていたわけで、「昔ここでなんかあったの?」というような人が新しく入ってくることも多くはなかった。それゆえに、ある意味では、広島・長崎以上に、戦争の惨禍を身近な体験談として受け止めるほかなかった、という事情は考えられます。
 広島・長崎の場合は、これは空襲を経験した東京・横浜でもそうなんですけれど、戦前戦後とも都市ですから、必然的に人間の出入りがあって、家族揃って引っ越してきたりするとそこで何が起きたか分かんないんですね。知識としては知る機会があっても、身近な話題にはなりにくいわけです。それが、親戚のレベルで被害者が出ると、否応なしに向き合うしかない。悲劇として直接の話にならなくても、「あの子が生きていればちょうど同じぐらいの歳に……」というように、ふとした機会に感慨が漏れることはあるでしょう。 直接の被害というものは、それぐらい切実に長期にわたって影響するものです。
 そこには、戦争責任といわれる、狭義の加害・被害ではなくて、とにかく訳の分からないままに肉親を喪った、どこで誰が悪かったかによらず、あんな思いは二度とイヤだ、というような、率直な感情があるでしょう。どちらかといえば加害者に区分けされがちな、朝鮮半島や満州に住んでいて終戦後引き揚げてきた人たちにしても、やはり「ひどい目に遭った」という思いは一致するはずです。
 「ダメ、ゼッタイ」だけでは防ぎきれないのは、戦争も麻薬も同じでしょうけど、「ダメ、ゼッタイ」を意識の根底に持たないで、小手先の技術だけで有効な対策が打てるかというとそれも疑問です。
 他人事なら、麻薬でさえどうでもいい話のように思えなくもないでしょう。犯罪事件が増えると困るなぁ、ぐらいは思っても、何としても食い止めなければならない深刻な問題である、といわれてもピンと来ないかもしれません。それは所詮、他人事としてしか見ていないからで、重ね合わせて思いを馳せる、想像力が働いていないからです
 もっとも、自殺者年間約3万人、交通事故の死者約1万人の時代に、公共の電波で「このままいくと自殺する羽目になる」「交通事故に遭う」と言ってのける自称占い師が「地獄落ち」を唱えるのを笑って見ていられるんですから、現代日本人の想像力や優しさなんてタカが知れている、と言ってしまえばそれまでですね。身近な人を自殺や事故で失った人のことなんか考えもせずに、ただ笑っていればいいんですから。  個の存在しない利己主義というものの恐ろしさに慄然とさせられますが、そういう恐怖感も持たないほうが、「みんな揃って大政翼賛」の時代には生きやすいのかもしれません。人間としてどうか、後でどんな評価が歴史という審判者によって下されるかは別ですが。

 では、外見的にユダヤ人を見分ける方法を教えよう。それはあるとすれば、目だ。ユダヤ人は、もの悲しい瞳をしている。長年の迫害のためだ。そして今日生きているユダヤ人のなかで、ナチス虐殺の遺族でない者は一人もいない。私も親戚の多くを失っている。世界にいたユダヤ人の三人に一人がナチスの犠牲になったのだ。
(『トケイヤーのユダヤ格言集』)
 この本は、ユダヤに対する偏見を打破する立場から書かれたものですし、言わんとすることはまったくよく理解できるのですけれど、それを言ったらパレスチナの人々も悲しい瞳をしているようにも思えます。
 ……日本人はえらく楽しそうですねえ(苦笑)。

<眞鍋かをり>ニート、引きこもりにエール【毎日新聞/ Yahoo】
 「若者の人間力を高めるための国民運動」のイベントが26日、東京都千代田区の東京国際フォーラムであり、タレント・眞鍋かをりさんと五輪柔道三連覇の野村忠宏さんが若者にエールを送り、歌手の川嶋あいさんが応援ミニライブを開いた。
 ニートや引きこもりなど問題が増えている若者を支援しようと、経済界や労働界などでつくる「同国民会議」(議長、奥田碩・経団連会長)が主催。眞鍋さんは「若者サポーター」として、参加した約300人の若者らに「社会に出て大人として働くためには、能力よりも先に人間力が必要。若者のみなさんは、自信を持って、人間力を高めて、生き生きとした生活を送って」と呼びかけた。また、野村さんは「目標を持って自分を奮い立たせてください」と訴えた。
 その後、若者と識者らのトークセッションがあり、川嶋あいさんが熱唱し、「夢を一つは持って、火の中に飛び込む意気込みでがんばって」と激励した。【乗峯滋人】
(毎日新聞) - 10月26日19時24分更新

 これ、悪気はないにしても、ずいぶん無神経というか、極端に言えば死人に鞭打つような真似じゃないかとも思えるんですが……。「火の中に飛び込む意気込みで」って、焼身自殺でもされたらどうするんですか?
(大急ぎで注記:文中に出てくる人名、経団連会長以外は顔も分からないので、他意はありません)
 ニート問題において、ニートの人たちが好き好んで現状に甘んじている、と決めつけるのは間違いです。多くの事例を見ると、イイカゲンで適当な人ならやり過ごせる逆風を、真面目に受け止めてしまうために座礁するような、繊細な人が大部分ではないかとも思えます。
 どんな調査でも原因のトップに来る「人間関係に悩んで」にしても、甘ったれるな、と“主流派”は叱り飛ばすのでしょうけれど、だいたいヤケ酒飲んで酔っ払うぐらいで忘れられるような図太い神経持ってたら、「悩む」まで行かずにすむはずです。真剣に考え込んでしまうから、そして自分や他人に嘘をついたりごまかしたりするのが下手だから、悩みに悩んで自信をなくしてしまうわけでしょう。そういう人に、ああせいこうせいと更なる要求をふっかけるのは、どうも納得がいかない。“主流派”が悪意をもって「死刑執行命令」を書いているのか、それともそんなことにも気づかない無神経な「識者」で固めてるのか、まったく分かりません。
 身体でいえば、交通事故で足の骨を折った人に向かって、「そんな骨折ぐらい何だ、戦場では痛みをこらえて前進しなきゃならないんだ、日本軍に退却はない!」と言ってのけるようなものではないでしょうか。
 戦場ならいざ知らず、人命と人の尊厳を重んじる社会であれば、可能な限り痛みのないように処置をし、徐々にリハビリを進めてなるべく苦痛なしに歩けるように時間がかかっても持っていくものです。痛みなくして前進はできない、と車椅子を突き飛ばして、その人が一生歩けなくなったら責任とれるんですか。目に見えにくい心の問題だからって、あまりにも軽率にやってるんじゃないかという疑いが捨てられないんです。
 交通事故の死者が約1万人、これに対しては「交通戦争」と呼ばれた頃から、社会側も大問題として、精一杯の対策を取ってきています。実は交通事故は、自動車を禁止すれば一挙に激減できるものですが、私たち文明社会の人間はそういう荒療治は好まないわけですね。何とか利便性と共存できないか、知恵を絞ってゆこうと、さまざまな対策を講じ、実際に効果が上がっているけれどまだ何とかしようと、努力を続けているわけです。「事故を起こす奴の不注意だ」で済ませておけば、社会は何もしなくていいんですが、それでは失うものが大きすぎるから、道路に鏡をつけたり、信号の設置を考えたり、少なくない費用をかけているのです。
 個人の病気である「がん」にしても、「対がん十か年総合戦略」というものを作って、早期発見早期治療を目指してやってきています。早期に発見できれば治せるから、がん検診だって費用と手間をかけて行っているわけです。興味深いことに、「対がん十か年総合戦略」を始めたのは中曽根内閣ですよ。頭の悪い人は「小さな政府」と正反対と見るかもしれませんが、人命がどんどん失われてゆくのではどうにもならない、という危機意識があったのではないでしょうか。
 ところが、現代のニート問題に関してだけは、各自頑張れ、各員奮闘努力せよ、の掛け声ばかりが目立つようです。打つ手がないときにだけ、個人の責任にするのは、とても良い趣味とは思えません。
 本人がどうにかしたい、でもどうにもならないと苦悩しているときに、その人に向かって、あれが足りないこれが足りない、と鞭打つのは、どこか根本のところで間違ってないでしょうか。都合の悪いことは見なかったことにして、末端をどんどん見殺しにするのは、ノモンハン、ガダルカナル、インパールとまったく同じ無為無策無責任の構図ではないんですか。
 では、そこまで言うなら対策を提示してみろ、対案を示せないのは無責任だ、などと“主流派”から罵声が飛んできそうですが、有能な昔の日本の役人なら考えたであろう簡単な方法が一つあります。本人が読もうが読むまいが、何でもいいから職業に関するパンフレットを自宅に送るようにして、受け取っていれば職業教育を受けている最中でございます、と定義すれば、「職業につかず、教育も受けず、職業訓練も受けていない」の定義から外れますから、統計上ゼロにできます。何の解決にもなっていませんが、そういうマヤカシを好んでやってきた人たちが少なくないはずですけれどね。
 愚劣な主流派を馬鹿にするのはともかく、いま悩んでいる最中の方に失礼に当たるならそれは謝りましょう。本気で悩んでいる方に対しては、安直な姿勢で物事を言うべきではありません。だからこそケース・バイ・ケースであって、こうすれば万事解決、教祖様の残り湯ですべてうまく行きます式の、無責任な「対策」を言うわけにはいかないのです。その案を真面目に実行して、やっぱりダメでしたと言われたら、責任の取りようがありません。
 ただ、もし何もしないでいるのが苦痛だから、何でもいいから具体案を出してみてください、と言われたら、そうですね、無理のない範囲で英語を勉強してみては、とは言えるかもしれません。万能薬ではありませんから、英語ができればどうにかなる、などと自信たっぷりに言うことはできないんですが、少なくとも害はないでしょう。
 これは、「非常口」として英語を勧めているのです。
 確かに、いま「英語ができます」という人が、どれだけ物事を考えられるのか、言い換えれば「英語は話せるが話す中身がカラッポ」な人がどれだけいるのか、この点を考えると、英語だけできればいいってものじゃないと思います。思考の道具はたくさん持っているに越したことはありません。
 ですが、物事を考えられる人間が、このムラ社会で必要とされているかどうか、疑問が残ります。下手をすると、自分で物を考えられる人間は、魔女狩りの対象になるかもしれない、そういう危険な風潮が強まってきているように思えてなりません。
 緊急事態に備えて、英語という自衛の武器を持っておくのは、決して受験勉強なんてチャチな目的のためではありません。沈む船から逃げ出すときの命綱です。
 人間関係に悩む。そりゃ、この閉塞したムラ社会では、繊細な神経を持っていれば悩む方が普通ですよ。炭鉱のカナリヤと同じで、先に危険を察知してしまうために苦しむ羽目になっているんですが、カナリヤがうるさいと怒鳴りつけている馬鹿な人は、もうすぐ中毒で死ぬ運命にあります。そのときに、飛び立って逃げる羽根として、国際共通語の英語を学んでおいて損はないでしょう。
 ムラ社会が滅びるときに、沈む船に一緒に乗っていなければならない、なんてことはありません。「人間関係」で悩む、それは現在の日本というムラ社会だから起きている苦痛かもしれません。外に出れば何とかなるさ、と無責任なことは言えませんが、少なくとも現状どうにもならない沈む船の中でのいざこざに疲れているなら、船から降りてどこかに上陸してみるのも一つの方法かもしれません。
 もちろん、状況や境遇によりますから、英語の学習がきついこともあるでしょう。そういう場合にまで無理を押してやってみては、などとは言えません。  人によっては、とにかく休んでおくことが大事な状況にあることも考えられます。そういう場合にヤミクモに何かを強制するのは、診察もしないでカゼ薬でも飲んでろと命じるのと同じ無責任な態度です。休息が必要なときは、自分を責めることなく、しっかり休んでおくべきです。
 休むことが悪いと決めつけて罪悪感を覚えがちなのは、「月月火水木金金」の悪しき伝統です。将来、戦力として復帰してもらうために徹底的に休んでちゃんと治して早く戻って来い、というのが「普通の国」の軍事常識です。結核だろうが栄養失調だろうが竹槍で突っ込めばいいんだ式の頭の悪い方法で多くの犠牲を出したことを、馬鹿な人はもうキレイサッパリ忘れていますが、生き残るべき人はそんな愚劣な輩に惑わされてはなりません。
 沈む船からは早く逃げ出したほうがいいですし、故障するバスには乗り遅れたほうがいいんです。「バスに乗り遅れるな」の大合唱は、滅びの前奏曲にすぎないことを歴史が教えていますから、できる範囲で避難の準備を進めておくほうが、人間力なんて国語辞典にもないコトバに騙されるよりは賢明でしょう。
 想像力も創造力も必要とされず、忠誠心と事なかれ主義だけが「能力」とされるムラ社会で、良心と知性をもった人が悩むのはある意味当然の現象です。想像力と創造力がないほうが適当にやり過ごせるんですから。もし、やり過ごせない人に改善を迫るなら、「力をつけろ」ではなくて「力を捨てろ、馬鹿になれ」と呼びかけるしかないことになります。それも目先の悩み解決にはなるかもしれませんが、そこまで悲しい呼びかけをする気にはなれません。

2005/10/25 寛容と忍耐

 日本はもはや、日本語だけでは通用しない(英会話教室の広告あたりの挨拶)

 国勢調査のドタバタ、日本語メディアは興味本位の時事ネタとして扱っていたようですが……。
 プライバシーに対する意識、生活スタイルの多様化、それぞれ「国勢調査」というシステムが抱える問題であることは事実ですが、ひとつひとつは技術的に解決できる可能性があります。しかし、ここには国勢調査の方法論に留まらない、大きな文化格差が生じてきていて、今回たまたま国勢調査で一部が露呈しただけで、実は多くの社会問題と共通する要因が隠れているのではないでしょうか。

 英語が万能だとは言いませんが、半可通が言うような意味ではなくて、「国内における国際化」が始まっているのは、直視するほかない現実でしょう。
 などというと、すぐさま「観光でもビジネスでも外国人が増えていて……」なんて反応が返ってくるんですが、そんな話ではありません。
 いま、母国語として日本語を使う人をとりあえず「生まれながらの日本人」と呼ぶことにしましょう。
 アメリカなら「大統領になれるアメリカ人」というところでしょうか。出生時にアメリカ国民でない、後から帰化でアメリカ国籍を取得した場合は合衆国憲法(第2条第1節第5号)によって大統領にだけはなれません。キッシンジャー・オルブライト両元国務長官もそうですし、最近では人気が低下しているカリフォルニア州知事のシュワルツェネッガーさんもそうです。
 日本は帰化に対して最初から不寛容ですから、こう定義したところで何の意味があるのかと言われそうですが、とりあえず問題を整理するために、帰国子女なども全部除外した「日本人」に限ることにします。
 その極めて狭い「日本人」の間でも、世代や受けた教育によって、もう到底同じ文化を共有しているとはいえなくなっているのではないでしょうか。国際化の場面で生じてくる文化摩擦と同じものが、「生まれながらの日本人」間で発生しているように思えてなりません。
 本来なら「帰化」と「帰国子女」では随分違うはずですが、初等教育を日本国外で受けた場合に「生まれながらの日本人」から受ける「ちょっと違う」感は似たり寄ったりでしょう。そのこと自体が異常ですが、それは別の問題としてひとまず置くとして、それでは日本で生まれて日本の初等中等教育を受けて、均一化した日本語メディアを見て育っていれば「同じ」かというと、もはやそれも成立しなくなっているのではないでしょうか。
 言語が通じることと、話が通じることはまったく違う問題です。日本人は日本語を特殊な難しい言語だと主張したがる傾向がありますが、完璧に日本語が話せれば会話が成立するという保証はありません。
 日本語の乱れを嘆いてみせる風潮もあるようですが、それ以前の問題として、現時点ですでに文化格差が生じている、この事実を直視する必要があります。それを無視あるいは黙殺して、格差なんかないはずだ、という思い込みないしは幻想によって無理矢理問題を解決していこうとすれば、ボタンの掛け違いが起きないほうが不思議です。
 世界的に見れば、「文明の衝突」ではありませんが、欧米のキリスト教を土台とした文化と、その他の文化との摩擦が起きています。衝突と呼んで危機感を煽るのはどうかとは思いますが、ともかくも異なる文化が接触するところ、大なり小なり摩擦が生じるのは当然の現象です。
 「そのときにこそ非西欧・非一神教の日本が……」なんて幻想を抱ける方はおめでたいもので、実はその日本国内、足元で同じレベルの文化摩擦が生じてきていることを見過ごしています。
 どこでもいつでも常に存在するジェネレーション・ギャップといった簡単な話ではないことも、問題を複雑化しています。世代間の格差も大きくなっていますが、上の世代でさえびっくりするような若い超国粋主義者、昔の青年将校のようなハネ返り右翼も少なくありません。
 国際化の手前で、日本国内で日本語によってさえ意思の疎通が困難になってきている、下手をするとイスラム対西欧文化を超える価値観の違いが発生している、そんな気さえします。
 これを一気に解決する処方箋など、ありえません。そんな処方箋があったら、とっくにアメリカが使って世界各地の問題がクリアされていることでしょう。しかし、処方箋がないこと以上により深刻なのは、ここに問題があるという、問題の存在そのものを認めたがらない日本人の認識の欠如です。問題があると分かっていても解決が難しいのに、問題の存在をはなから否定していたら、スタートラインにも立っていないのですから、解決どころの騒ぎではありません。
 イスラム過激派が、穏健派や西欧と異なる価値観を持ち、交渉も会話も成り立たなくて正直困っているのが国際社会の現実の一面ですが、そこでは曲がりなりにも「会話が成り立たない」事実は認めています。ところが、ただ過激な犯行に及ばないだけで、実は同じぐらい価値観がかけ離れている現実が身近にあるのではないか、と疑うことすらしない日本人は、よほどおめでたい能天気な集団ではないのか、と評したら酷にすぎるでしょうか。

2005/10/11 私だけの十字架

 業務拡張につき技術者急募! 経験者優遇、あなたの都合にあわせて働けます!(よくある求人広告あたりの挨拶)

 ロイター通信に「Oddly Enough」(おかしな話)というコーナーがありますが、目を引かれたのがコチラ。

Looking for work? Consider Al Qaeda...【ロイター】
Fri Oct 7, 2005 10:50 AM ET
DUBAI (Reuters) - Al Qaeda has put job advertisements on the Internet asking for supporters to help put together its Web statements and video montages, an Arabic newspaper reported.
The London-based Asharq al-Awsat said on its Web site this week that al Qaeda had "vacant positions" for video production and editing statements, footage and international media coverage about militants in Iraq, the Palestinian territories, Chechnya and other conflict zones where militants are active.
The paper said the Global Islamic Media Front, an al Qaeda-linked Web-based organization, would "follow up with members interested in joining and contact them via email."
The paper did not say how applicants should contact the Global Islamic Media Front.
Al Qaeda supporters widely use the Internet to spread the group's statements through dozens of Islamist sites where anyone can post messages. Al Qaeda-linked groups also set up their own sites, which frequently have to move after being shut by Internet service providers.
The advertisements, however, could not be found on mainstream Islamist Web sites where al Qaeda and other affiliate groups post their statements.
Asharq al-Awsat said the advert did not specify salary amounts, but added: "Every Muslim knows his life is not his, since it belongs to this violated Islamic nation whose blood is being spilled. Nothing should take precedence over this."
The Front this week issued the second broadcast of a weekly Web news program called Voice of the Caliphate, which it says aims to combat anti-Qaeda "lies and propaganda" on major global and Arab television channels such as CNN and Al Jazeera.
Last month it issued an English-language video on the Internet called Jihad Hidden Camera which showed sniping and bombing attacks against U.S. forces in Iraq, and carried comical sound effects as well as laugh tracks.
Al Qaeda and other groups have increasingly turned to the Internet to win young Muslims over to their war against Western-backed governments in Arab and Muslim countries.
Islamist insurgents fighting U.S. forces and the U.S.-backed government in Iraq have often posted slick montages of their military activities, including beheadings of hostages, on the Internet.

 待てい! その求人広告はヤバイでしょう!!(笑)
 記事にもある通り、アルカイダ系のウェブサイトは、次から次へと閉鎖されています。ウォッチャーが追うのも大変なぐらいです。
 爆弾テロの計画から実行までを考えても、標的の選定、計画の策定、爆弾の製造や輸送、自爆テロを実行する犯人、そしてそれらの連携を取る連絡役などなど、人材は数限りなく必要なのでしょう。その上に、終わった後で犯行声明も出さなければならないわけで、爆弾なんか見たこともないようなSOHO的メンバーも必要になってきます。このSOHO的デスクワーカーは、何も現場に一緒にいる必然性はないわけで、戦闘地域など行ったこともなければ実行犯グループと会ったこともないのに、冷房の効いたネットカフェで“仕事”をする、ということも考えられます。
 これ、「非戦闘地域のお仕事です」と言うこともできるでしょうね。「輸送、保管、通信」といえばなんだか地味に聞こえそうですが、りっぱにアルカイダに貢献できる活動であるのは、このテロの過程を見れば分かるでしょう。
 戦闘地域で、手近な爆薬集めて爆弾作ってその場でドーン、というのなら簡単ですが、現在の爆弾テロはもっと複雑になっています。
 この非戦闘地域のSOHO作業にしても、テロ実行より先に情報を流せば計画が潰されますし、かといって犯行声明が遅れるのも不都合で、実行直後に必要にして十分な情報を流さなければならないわけです。末端の人間に必要以上の情報を渡すと漏れるおそれがありますから、そうとうタイミングを見計らって連携をとらなければなりません。「通信」は、(戦争でもテロでも)作戦遂行上きわめて重要な部分です。

 ヨーロッパに幽霊が出る……とは、20世紀の大実験であった共産主義の始祖、マルクスの『共産党宣言』の有名な出だしですが、妖怪でも幽霊でも、ガードレールや井戸やら廃屋に出るか出ないか分からない奴よりも、間違いなく出てくる実在の人間のほうがよっぽど怖いです。
 しかも、化け物的人間のほうが、スパンが長いです。「皿屋敷」の舞台なんか、あっという間に一等地。いま話のネタにされてる怪奇スポットだって、いつまで持つか分かりません。人の移動が激しくなってくればくるほど、話の賞味期限は短くなるでしょうし。
 それに比べて、妖怪的人間の息の長いこと長いこと。先ごろも、「昭和の妖怪」未だ死なず、みたいな話が出ていました。

愛国心、国防に決意 自民の憲法前文素案判明【共同通信】

 ここでまたも亡くなった御意見番の証言を。

 岸さんがこう言われたんです。中曽根君の外交方針と内政上の政策、これを僕は支持する、これを止めろなんていうことは、僕は言わないよ、と。これが決め手になった。そこで引き続いて中曽根でいくということになって続投になったわけです。
 なぜ岸さんがそれを言ったかは、推測以外にないんですが、岸さんの憲法問題、中央集権的な国家体制の再建とか再軍備路線、こういうものの考え方、そしてアメリカとの関係、こういうことについての中曽根さんの考え方、あるいは政治的な体質と言いますか、それが岸さんとやや似ているんですね。岸さん好みなんですよ。これが岸さんのそういう判断に結びついたのかなということがある。
(『情と理―後藤田正晴回顧録〈下〉』)

 21世紀、平成の御世になってもまだ、というよりも、逆に、うるさ型の慎重居士が世を去るにつれて、♪この道はいつか来た道 の逆コースが華々しくなっているように思えてなりません。
 いや、そろそろ、♪ひとつ曲がり角ひとつ間違えて〜迷い道くねくね かもしれませんが……。

 ソ連という「巨大な悪」がなくなったら、蜘蛛の子散らすように全世界で紛争が多発するようになってしまいました。冷戦時代のほうがまだマシだった、なんて懐古主義に陥るのも安直すぎますが、「敵」が分散して扱いにくくなったことは事実です。
 とくに、「アルカイダ」は、ソ連のアフガニスタン侵攻に対抗するために西側が支援した勢力が母体になっています。もちろん、あとから合流したグループもあれば、喧嘩別れしたグループもあって、そんなに単純化することはできませんが、西側が生んだ妖怪であることを忘れるわけにはいきません。
 この妖怪、すでにオサマ・ビン・ラディン氏の総指揮によって動くような単純なものではなくなっていて、方向性さえ合っていれば勝手にやってしまう「ネットワーク型」の組織になっているとされます。トップやナンバー2以下主要な幹部を拘束もしくは殺害すれば組織が崩壊するかというと、もはやそんな簡単な相手ではなくなっているのです。
 全世界の頭痛の種であるテロ組織と同列に並べると問題でしょうが、日本の「逆コース」反動主義や、アメリカのキリスト教右派、イスラエル右翼過激派なども、もはや特定の指導者がどうなっても勝手に動いてしまう「妖怪」になっているのではないでしょうか。
 この種の「妖怪」は、ある意味で独裁政権よりも恐ろしいといえます。もっとも、妖怪の生まれ育ちを調べると、独裁と無縁でないことが多いのですが……。どんな独裁者でも永遠に生きることはできませんが、一定の支持を集めてしまった極端な思想というものは、世代でさえ乗り越えて生きながらえることができるからです。
 「昭和の妖怪」が、手段を選ばずに(治安確保のため、自衛隊の動員はおろかヤクザの手も借りようと画策)、安保条約成立と同時に実現したかった会談相手は、アメリカのアイゼンハワー大統領でした。このトップ会談は、危険な情勢と、内閣の不人気が反米に転じては困るという判断から、アメリカ側から断られています。
 そのアイゼンハワー大統領は、離任の演説で「国民は軍産複合体に注意してほしい、将来抑えが効かなくなる危険がある」と指摘しています。この予言は恐ろしいほど当たっています。
 時代の熱狂やムードというものは一時的だとよく言われますが、そういった一時的なものが、一定の思想を生み出してしまうと、こちらは往々にして固定化してしまうんですね。無形の思想がさらに進んで、組織・システムにまで具体化すると、それがちっぽけなであっても、より強固なものになります。
 1人の大統領は最長で2期8年ですし、終身制の連邦最高裁裁判官でもいつかは死亡退職します。しかし、ひとたび思想が作られ、しかもその思想を信条とする集団が形作られると、これは一人の寿命の範囲をはるかに超越します。その上、組織・システムは、その存在根拠である思想をアイデンティティとしますから、正否を問い直すことは自己否定につながるために期待できなくなります。日本人から見て奇異に映りやすい全米ライフル協会も、経済的な問題は別にあるにせよ、そういう「考え直してしまうと自己否定になるからできない」側面があるのではないでしょうか。
 思想の恐ろしさといいますか、安易に考えてよいものではない、たいへん長期にわたって影響する特質を持っていること、これは十分認識しておく必要があります。

 打って変わって、「妖怪」つながりですが……。

>はるかさん (10/03)
> 仮面ライダー響鬼を観てなきゃ意味不明、観ててもアヤシイ与太話。生暖かく読み流せるお暇な方だけおつきあい下さいませ。

 ゴメンナサイ、アタックしても無理は無理で、一読して「これ日本語?」と思っちゃいました(笑)。
 語学って、文法ももちろん大事ですが、単語が分からないと手も足も出ないことがあります。とくに、固有名詞は知らないとどうにもなりません。
 ここのところ、BBCやロイターで「歌手の誰々が麻薬容疑で逮捕」「俳優の誰々が結婚」などの第一報を見かけて、日本語メディアが伝えていなくてアレ?と思ったんですが、一晩寝たら日本語メディアで大きく扱われていた、なんてこともありました。一足先にお伝えできた可能性はあったんですけれど、何しろ話題の中心人物を知らないことには、扱いようがありません(苦笑)。
 日本時間午前、NHK BS「おはよう世界」で流れている各国のニュース、ウチではときどき副音声になっていて原語浴びせられて目を覚ますことがありますが……それでもロシアRTRにしても、スペインTVEにしても、もうちょっと単語聞き取れたりしますよ(笑)。まあ、ワールドニュースは大体出てくる固有名詞が各国の首脳や地名など、だいたい決まっていることも大きいでしょうけど。
 日本語のものを日本語で説明するのも、知識と技術が必要になります。まして外国語へ翻訳するとなると、双方の知識が必要で、語学力だけでどうにかなるものではありません。逆にいえば、知識がないと日本語の文章でもさっぱり分からなくなります。
 たとえば……

 後方から椎弓間を経てヘルニアを切除するラブ(Love)法がもっとも一般的に行われる方法である。椎弓間靭帯を切除し、必要ならば上下の椎弓の一部も切除して開窓し、神経根をよけ、その前方に突出するヘルニアに切開を加えて内容の髄核を摘出する。
(『整形外科エキスパートナーシング』)

 ところで、なぜミアは下着がドロワーズじゃないんですか? あれほどドロワードロワー言ってたのに(笑)
(夜明け前より瑠璃色な 初回版 (DVD-ROM版)付属 オフィシャル設定画集『瑠璃色クロニクル』より、榊原拓さんの発言)
 といった具合。(例が悪いかしら)
 分からない単語の比率が高いほど、全文の意味が推定しにくくなるのは、暗号解読と一緒ですね(笑)。きっと、一度では分からない単語でも、たくさん文章を集めて使用例を分析すれば……固有名詞以外は解読できるはずです(苦笑)。

>春歌ちゃん(10月8日)
> 要はアンケート主体に切り替えたはずの紅白歌合戦のアンケート中間発表の上位がNHKの意図していたものと違う曲ばかり並んでしまったというお話。
> ちなみに兄君さまは現在芸能活動をほとんど行っていない(現在本業はキリスト教の音楽伝道師)久保田早紀さんの『異邦人』に一票を投じたようですw
 兄君さまも人が悪いですwww

 うーん(苦笑)。
 ここはひとつ、開き直って「ジェネレーションギャップの融和」をテーマにしてですね、水樹奈々ちゃんに美空ひばりメドレー歌ってもらうとかの打開案で手打ってもらえないかしら。衣装はぜひ映画「悲しき口笛」のシルクハットに燕尾服で……(黙れ)
 童謡といえば、桑谷夏子さんが以前「NHK『みんなの歌』をカバーしたい」と発言されたことがありますけれど……。そういう合作で乗り切るのはダメですか(笑)。

2005/10/08 BREAKING NEWS:インド・パキスタン国境付近で強い地震



Quake hits Indo-Pakistan border 【BBC】
Last Updated: Saturday, 8 October 2005, 06:47 GMT 07:47 UK
Dozens of people are feared dead after a strong earthquake hit Pakistan, north India and Afghanistan.
The US Geological Survey said the quake had a magnitude of at least 7.6 and the epicentre was 80km (50 miles) north-east of Islamabad.
Pakistan's army says it fears heavy damage in northern areas. A government official said the eventual death toll could be "very high".
Rescuers are trying to reach residents in collapsed buildings in Islamabad.
Residents in the Afghan capital, Kabul, and India's capital, Delhi, are also reported to have felt the tremor.
Maj Gen Shaukat Sultan, Pakistan's chief military spokesman, told the AFP news agency: "We have reports that an entire village has been wiped out in Bagh district in Kashmir.
"In Kashmir and the northern areas we are receiving reports of severe damage."


Scores feared dead or trapped in Pakistan quake【ロイター】
Sat Oct 8, 2005 2:37 AM ET
By Simon Cameron-Moore
ISLAMABAD (Reuters) - Scores of people were feared trapped or killed on Saturday after two buildings collapsed in Pakistan's capital following a major earthquake felt across the Indian subcontinent.
The earthquake, with a magnitude of 7.6, struck at 0350 GMT and was centered in Pakistan-controlled Kashmir, about 95 km (60 miles) northeast of Islamabad.
Officials said casualties were expected in the north of the country, but it was difficult to get details because phone lines were down and mobile networks overwhelmed.
But scores of people were feared killed or trapped in two apartment blocks reduced to rubble in Islamabad.
Private television station Geo TV broadcast pictures of residents and rescue workers clambering over heaps of rubble. Officials told Reuters the two tower blocks had contained 75 apartments.
"I just cannot say how many people are still under there and we are trying to evacuate them. Over 75 apartments were affected so the number of people is in the hundreds," said Mohammad Ali, a government official in Islamabad.
Geo TV also said 25 people had been killed in Pakistani Kashmir and four in northern Pakistan.
The quake was also felt in the Indian and Afghan capitals. A young girl was killed in eastern Afghanistan when a wall collapsed.
The U.S. Geological Survey (USGS) situated the earthquake on its Website between Indian- and Pakistani-controlled Kashmir with a magnitude of 7.6.
It described the quake as "major", saying it took place at a depth of 10 km (6.2 miles). It was centered 95 km (60 miles) northeast of Islamabad and 125 km (75 miles) northwest of Srinagar.
The USGS's David Applegate told CNN that because the epicenter was relatively close to the surface, the quake was likely to have been felt over a large area.

 場所が場所だけに、二次災害的に変な事態に発展しないといいのですが……。
 地震の規模を示すマグニチュードは、日本では気象庁が発表していますが、算出方法が複数あります。アメリカで使われているリヒター・スケールと気象庁方式は違いますので、数値を同列に並べることはできません。
 記事にもありますが、通信網に影響が出ており、まだ被害の詳細はつかめていないというのが実状のようです。

 日本時間土曜の午後(なんでも今日から3連休って人もいるらしいですが言われるまで気づきませんでした)、実は寝ていました(どんな生活だ)。偶然目が覚めたので寝なおそうと思いながら外電チェックしたらBBCが速報を伝えていて、場所聞いて飛び起きました。「Indo-Pakistan border」は眠気吹き飛ばすのに十分なインパクトを持った言葉です。
 日本の閣僚が心臓病かなんかで急死したって聞いても、おそらく平然と寝直しちゃうと思いますが(苦笑)、事の重大性があまりに違うのです。

2005/10/07 どうしてもっと慎重におやりにならないんですか

 連中を糾弾しろ。それまではホワイトハウスに入ることは許さん! 出て行け!(『ザ・ホワイトハウス』記念すべき第1回で、キリスト教保守過激派のテロについて、キリスト教団体のトップを怒鳴りつける大統領あたりの挨拶)

 珍しくアニメ以外で民放地上波を見ているんですが……「24」。って、これじゃNHK BSでアメリカのドラマ見てるのとさほど変わらないかもしれませんが(笑)。
 しかし、一般向けCM自体あまり見ないので、新鮮といえば新鮮です(笑)。
 やたら流れる番組予告で気になったのが、あの顔をテレビに映すことが「教育上有害」じゃないかと思えるウソキカズコの番組宣伝。

幸せって何だっけ緊急特番!細木vs母子50人これが真の子供教育だ 【gooテレビ番組ナビ】
10/7 19:00 >> 20:54
フジテレビ
バラエティー
▽体罰?愛のムチ?細木究極実践授業に激怒&号泣者続出!一触即発にらみ合いの結末は▽フリー選択吉?凶?福沢朗アナに細木衝撃宣告&アノ失言新人議員に大激怒▽絶品料理

 前にも触れたことがありますが、教育を論じるのは、他の問題に比べて非常に簡単です。医学でも軍事でも、議論となればある程度専門的な知識が要求されますが、教育だけは、まことに気軽にシロウト談義が「議論」として成り立ってしまいます。その胡散臭ささえ、あまり感づかれていません。
 それは、「家庭教育」というコトバが示すように、最前線で子どもと接するのがシロウトであり、シロウトが自らの体験で語ることが許されているからです。自動車の運転にも免許がいるのに、子どもを育てるのには何の資格もいりません。
 シロウトが治療と称して他人の身体に針一本刺せば医師法違反、薬を与えれば薬事法違反ですが、教育にはそれがありません。プロフェッショナルとシロウトの境目がほとんどない、といってもいいでしょう。
 では、だからといって、シロウト談義を何でもかんでもウノミにしていいのかは別問題です。たとえば、庭にあったキノコを煎じて飲んだら頭痛が治った、そういう個人的体験はあってもいいですし、それを友人に体験談、ネタとして語るのも勝手です。しかし、それに「奇跡のなんちゃら療法」と名前を付けて、大々的に宣伝してよいのでしょうか。その宣伝にマスメディアが考えなしに加担してもよいものでしょうか。そして何よりも、そういったものを、安易に信じることは賢明といえるでしょうか
 体験談は勝手です。「教祖の残り湯飲んだら難病が治った」でも、言論は自由ですから、どうぞ好きなように語ってください。しかし、そんな話を検証なしにマスメディアが取り上げてよいのでしょうか。そして、「知的水準が高い」と自負する日本人が、そんなものをいとも簡単に信じるとすれば、その自信は盲信とどこが違うのでしょうか。
 「教祖の残り湯」は、例として極端だと言われるかもしれませんが、それは後から(Retrospectiveに)結果を見ているから言えることでしょう。進行中の段階で、どこに本質的な違いがあるのか、教えてもらいたいものです。
 私たちは、地下鉄で毒ガスを撒くという空前のテロ行為に出たカルト集団を見て、しばしばその犯罪行為に先立つ奇矯な言動を嘲笑します。確かに、どう考えても理解できないことを言っていましたし、それに対しておかしいんじゃないかと思うのはごく普通の反応です。
 しかし、「あいつらおかしい」だけで笑ってすませてよいのかどうか、似たような構図のものは本当に他にはないのか、冷静に考えてみることも必要です。そうしない限り、気がついたら残り湯を喜んで飲んでいた、ということになりかねません
 何よりも情けないのは、エンタメ番組とは言え、こんなゴミに「教育」の二文字を使わせて、恬として恥じないメディアです。そして何よりも不甲斐ないのは、こんなゴミが公共の電波で「教育」を語ることに対して、憤りも反論も表明せずに笑って見過ごしている「教育」のプロたちです。プロフェッショナルの誇りや矜持を、いったいどこに捨ててきてしまったのか、あるいはどこで売り飛ばしてしまったのか、と問わざるを得ません。
 こういう番組に抗議電話もかけず、スポンサーへの不買運動も起こさず、さらにはそもそも不快感や問題意識も大して感じない人間を、教育のプロたる「教師」と呼ぶのに抵抗を感じないのもどうかしています。
 イスラム過激派がテロを起こせば、良識あるイスラム社会からは「あれは我々とは違う、断じて許せない」と非難声明が出ます。キリスト教福音派が過激な主張を自らのテレビで流せば、穏健派はあらゆる場所でそれは違うと声を上げます。日本人には、それだけの良心すら欠如しているのでしょうか。
 いま「日本人」とくくってしまいましたが、ウソキカズコやそのシンパ、あるいは同様に思慮を欠く人々を、たまたま日本列島に生まれて、日本語を喋るからといって「日本人」と見なすこと自体、「日本」に対する冒涜であり、それこそが愛国心の欠如ではないかとさえ思えます。一部の反動主義者がいうように、上からの命令をウノミにするだけが愛国心なのか、そんな取るに足りないレベルの話なのかは疑問です。
 あんな浅はかな連中は日本人ではない、「矮小ジャップ」と呼んで区別すべきだというのが、本来の「日本人」に対する礼儀ではないでしょうか。イスラムがテロ組織を糾弾し、これはイスラムではない、あんな連中はムスリムではないと明言するのと同じく、あんなのは日本人ではない、あんなのと一緒にされちゃ困る、ぐらいのことが言えなくて、何の愛国心でしょうか。
 矮小ジャップをこう規定してしまえば、良識ある人間としてのコメントは、次の簡単なもので済ませることができます。

「ジャップを殺せ、ジャップを殺せ、そしてジャップを殺しつづける。それだけだ」
(ガダルカナル争奪戦で方法を聞かれたハルゼイ提督)

 殺せ、とまで言ってしまうと、今度は尊皇攘夷の内ゲバのような“粛清”につながりかねませんが、奴らが死んだら祝電だ、ぐらいの意気は持つべきではないでしょうか。
 その程度の自尊心も持たず、公共の電波によるゴミの垂れ流しが行われるのを見過ごしておいて、即物的描写だけを取り上げ「教育上好ましくない」などとしたり顔で言えるのは、厚顔無恥ないしは破滅的な無分別です。
 自分たちで作ったテレビ・ラジオ局を通じて説教を行うアメリカのテレビ福音派を、私たちはその極端な主張ゆえに「おかしい」と感じますが、全国放送のプライムタイムにエンタメ番組と題して、それ以下のクズが「説教」をしているのを見過ごしているのは、灯台下暗しどころかダブルスタンダードでしょう。
 もっとも、そんなダブルスタンダードを放置するような無知蒙昧な民族は滅びて当然、ここからどう破滅してゆくか見ものだ、と考えるなら、話はまったく別です。実験に外から干渉してしまうと実験結果が変わりますから、実験の観察者はなるべく触らないように外から眺める必要があります。
 観察者の視点から放置するのか、それとも内側にいる人間としてゴミの排除に務めるのか、あるいはゴミと一緒に何も考えずに沈んでいくのか、選択肢は3つしかありません。どれを選ぶのも個人の自由ですし、その結果は個人が負うべき責任です。


(「ザ・ホワイトハウス」第3シーズンより)
大統領夫人:あなたって口から生まれてきたみたいね。
大統領:それでも神は愛してくださる。
大統領夫人:地獄行きじゃなかった?
大統領:それは別の理由でだ。(略)
大統領:聖パウロはこう言っている、「キリストを敬う気持ちで互いに仕えよ」。「互いに仕えよ」だ。一日24時間、ケーブルテレビから、アメリカ人の性欲と食欲を満たすくだらん番組が垂れ流され、安っぽいドラマがまるで名作のように送り出されている。そんな時代に聖パウロの言葉がいかに重要か。これを終わらせるには互いに仕えることだろう。
大統領夫人:じゃあ、あなたの仕事ね。
大統領:私じゃない! いや、そうともいえるが、明日にも他の人間の仕事になる。とにかくあの手のくだらん番組は一掃すべきだろう! 国家の安全に関わる!


 もうひとつ、打って変わってくだらない方向で気になったCMが。
 ……いかに普段民放地上波番組を見てないかがまるわかりで、なんだか数年ぶりに帰国して変容に驚いている帰国子女みたいなカンジですが(笑)。
 CM料金の関係もあるんでしょうけど、口腔清涼剤のCMの連呼がたいへん目につきました。はっきり言って耳障り、逆効果じゃないかと思うぐらいの垂れ流し。手元にたまたまあった計数器(「日本野鳥の会推奨のカチカチ」=川澄綾子さんの説明)で数えてみたら、1時間に7回でした。
 数としては多すぎるわけではなさそうですが、他のCMのような売り込み文句がなく、すりこみを狙ったような単調なものであるために、よけい目障り耳障りに感じたようです。素直に「今すぐお電話を!」と売り込む保険のCMのほうがマトモに思えるのは、直接的だからまだ無視できるからかもしれません。
 ところで、CMの作り手側は、決してネガティブキャンペーンで流しているわけではなくて、これで商品の売上を伸ばそうと思っているわけです。商品を買ってもらうためにカネと労力を費やしているわけで、逆効果になると予想したらやめますよね。
 これは、CMの作り手側に、「たくさん流せば買ってもらう機会も増える」という大前提があることを示しています。大前提が視聴者と同じで、そういう結果が出れば誠に結構です。ですが、もし逆効果になっているとすれば、視聴者との感覚のズレがあることに気づかなければなりません。
 この大前提と似たものは、実は教育の分野にも蔓延しているようです。やたらと漢字の書き取りをさせたり、有無を言わさず大量に計算問題をやれば頭がよくなる、といった類で、中には「頭脳は筋肉と同じで、とにかく鍛えるべきだ」とまで豪語する人もいます。
 筋トレだって方法を間違えば逆効果で、そのためにスポーツ医学などの学問があるはずですが、方法論の検討よりも先に実践だ、とにかく根性だ、式の乱暴な話が決して少数ではないのが悲しい現実です。
 「単調なCMを大量に流せば売れるに決まっている」前提の検証は、比較的短期間で出ます。視聴率が算出され、売上の増減と関係があるかどうか、効果があったかどうかのチェックは当然の作業です。その作業を怠っては広告戦略など成り立ちませんし、効果判定もせずに次の企画を出すようならそんな担当者はクビでしょう。広告代理店に限らず、事前の予測と結果の検証をしないようなドンブリ勘定が許されないのは常識です。「予実管理」と呼ばれる大事な作業です。
 ところが、売上がダウンしたら打ち切ればいいCMとは違って、もっと大事な問題であるにも関わらず、「脳は筋肉と同じだ、とにかく計算させろ、暗記させろ、書き取りさせろ」式の教育論は、結果が出るのに時間がかかることもあって、検証を怠っているとしか思えません。
 その場での短期的な効果判定はできるでしょう。計算能力が上がった、漢字試験の正答率が上がった、そんなものはいくらでも出てきます。
 しかし、受験勉強で詰め込んだはずの情報を、どれだけの大人がいまでも覚えていて、「効果」として残っているでしょうか。短期的には「合格」という結果が出ているはずですが、中長期的にどうなのか、かなり心許ないところがあります。
 これらの検証もせずに、なし崩しで雰囲気だけで大事な子どもを実験台に使うのが、果たして良識ある態度なのでしょうか。
 教育というのは、ある意味で「待ったなし」の分野であることは事実です。考えている間も子どもは成長してしまうわけで、立ち止まって考える時間が非常に少ない。何もせずに放置するわけにはいかないというジレンマがあります。
 しかし、それだからといって、方法論について考えもせずに飛びつくのは、賢明とはいえません。飛びつく先が、教祖の残り湯でないという保証はどこにもないからです。持ち時間が少ないことは、結果責任の言い逃れにはなりません。限られた持ち時間のなかで、検討に最善を尽くすのが当然の責務です。
 まさに、「事件は、リアルタイムで起こっている」 といったところですが、ドラマでさえ、少ない持ち時間でテロを食い止めなければならないわけです。まして、これは演習にあらず、次世代を担う子どもの問題だとすれば、事の重要性はドラマの比ではありません。
 それだけの切迫感を持たない社会に、明るい未来など期待すべくもないのは、当たり前のことです。この当然のことを、少しは理解してもらいたいものです。

2005/10/03 李下に冠を正し……てどうする?

 Q. 好きになるのにいちばん重要なのは? 1位「性格」79.6%、2位「ルックス」15.6%(「なかよし」読者小1〜中3 958人の1997年11月現在のデータを紹介する『恋愛向上委員会ジューシーフルーツ』あたりの挨拶)

 コレ、何しろ8年前の話、対象年齢の当時15歳は現在23歳って計算ですね。
 時代の変化もありそうなものですが、「JJ」誌(2005年10月号)によると、「カレにする条件で重視するものは?」に「1.性格 2.顔 3.お金」と出ています(なぜかこれだけ数値が出ていませんが)
 っていきなり話ずれますけれど、この質問文、「カレにする」の意味が最初分かんなかったのは、すでに感覚ズレてるのかしら(苦笑)。
 助詞の「に」と、動詞「する」の組み合わせが分かりにくいというか、「条件」の修飾語として読み取らないと意味が違っちゃうんですね。最初「すでにいるカレに対して突きつける」条件みたいに読んでしまって、さっぱり分からなかったんです(笑)。
 まあ「対日講和条件」みたいな意味に取ればよかったんですか(どうしてそういう例が)

 ところで、こういったデータを読むとき、対象はどうだったのかを見ておかなければなりません。「JJ」の調査対象は「18〜26歳までの150名」だそうで、スケールとしては「なかよし」のほうが大きいのはどんなものかしらってカンジもしますが(笑)。

 並べてみると結構面白いんですが、

「一目惚れをしたことは?」(「JJ」) ある:73%
「ひとめぼれしたことありますか?」(「なかよし」) はい:79.5%

だそうです。
 と、ここでカンタンに「ああ、そんなに変化ないものなのね」と言ってしまえる人は、まあそれはそれで幸せかもしれませんが(笑)、データの読み方としては甘いです。
 なぜなら、「経験の有無」は、一度YESとなれば一生YESのままだからです。対象年齢の違いが問題になるのはここで、毎年同じ年齢に対して行って比較するならともかく、対象年齢が変わってしまうと笑い話にもなりかねません。
 たとえば、仮にまったく同じ1000人に、8年経って同じ質問をぶつけちゃったとします。8年前に「経験あり=YES」が700人いて、その他の300人は「経験なし」のまま8年変化がなかったとしても、現在の「YES」は70%。それを見て「時代は変わっても案外変化ない」と見たらおかしいでしょう。まして、8年前の「No」のうち100人が新たに「YES」になって、「YES:80%」と変化したのを見て、「10ポイントアップ!」と時代の変化を読み取ったりしたら滑稽な話です。
 これ、生涯免疫を獲得する感染症(例、風疹)のデータを扱うときも注意しなければならない話で、恋愛話だからと気楽に読み飛ばせないのは……やっぱり読み飛ばせる方が人生幸せかもしれませんけど(笑)。

 ……って、データの読み方はともかく(笑)、こういった調査につきもののホンネとタテマエの差、ぶっちゃけてしまえば、いきなり条件を聞かれて「カネ!」とは答えにくいよねえ、という問題はあるでしょう。
 経験の有無にしたって、自己申告である以上確かめようがないわけで、多感な時期に背伸びして「ある」と答えてみる、などは容易に想定できるところです。
 それを差し引いても、1位性格、2位ルックスの構図は揺らがない、と好意的に解釈することはできるでしょう。順位に変動が起きないとは限りませんが(笑)、逆にいえば、少なくともルックスが極端に軽視されるわけではない、と見ることができます。
 「JJ」調査では「1.性格 2.顔 3.お金 4.服装 5.趣味」となっていますから、項目が細分化された分、選挙風に表現すれば「票が割れて」いるだけで、「ルックス」という大項目にくくると野党大連立でひっくり返るかもしれません(笑)。
 「JJ」誌調査では「男のコ」にも聞いていますが、こちらは「1.顔26% 2.性格24% 3.服装15% 4.身長11% 5.趣味9%」と、評価はともかく率直なデータになっています。
 って、引用しといてチャチャ入れるのも何ですけれど、これは率直つうか愚直つうか即物的というか、ホントに見方分かれるでしょうね。
 それはともかく、この順位でも、性格+服装の2位・3位連立なら1位単独をひっくり返せるわけで(笑)、顔に自信がなければ性格と服装とか、「自社さ」連立みたいなウルトラCもあるのかもしれません(笑)。
 だいたい見た目のどこをもって「優れている」と見るかはまさに個性の問題で、数字で出そうなのは身長ぐらいでしょうが、それだって高ければいいってわけじゃないですよね。
 現在再放送中のドラマ「ザ・ホワイトハウス」第3シーズンの終盤で、報道官C.J.クレッグが付き合おうとする相手の男性に「私のほうが背が高くて」と微妙な心境を見せていましたが、同じような感覚を持つカップル、日本でも少なくないと思います。むしろここでいう身長は、「高いほうがいい」という単純なものよりも、自分と相手の身長差何センチ以内が望ましい、というような範囲指定なのかもしれません。
 「趣味」となるとコトバの持つ多義性に戸惑うばかりで、「趣味が良い」といった感性(センス)の方向の話なのか、「趣味:読書」のように名詞が一致することなのか、それだけでもずいぶん違ってきます。趣味が同じ「音楽鑑賞」でも、クラシックとJ-POPではなんだか危なっかしさを感じますし、同じクラシックだと思って安心したら、フルトヴェングラー派対カラヤン派みたいなキナ臭い内部抗争になりやしないか心配もありますね(笑)。

 ……と、なんだかんだ難癖つけてるようですが、ひとつここで注目しておきたいのは、「外見」の重みです。
 「性格重視」と言ったって、まさか合コンの席上で心理学の性格検査やるわけじゃなし、アルコールの助け借りて麻酔分析とかいうのは禁止です 「黙って座ればピタリと当たる」こともあるでしょうけれど、言動として外に表れたものを見ていいとか悪いとか理解することのほうが多いでしょう。
 ということは、極論してしまえば、外から見えるものが唯一の判断基準ということです。内心をうかがい知るなんてことは非常に困難ですから、同じ内容の意思表示であっても、外への出方、言動によって印象はそうとう違ってきてしまう。まして「付き合うかどうか」の第一段階では、たった一つの言葉や表情が決定票になりやすいでしょう。
 「ルックスには自信ありますっ!」なんて豪語する人は、男女ともに珍しいもので、そういう人に向けて「いやあ、それよりも中身、性格が大事ですよ」と慰めの言葉をかけるのも分からないではないですが、中身は外に出てきてはじめて評価対象になるのも事実です。
 そう考えてみれば、かつて言われた「3高」すなわち高学歴・高収入・高身長というのは、「性格」「顔」と違って、客観的評価のしやすい因子ですね。まあ、バブル崩壊後、今日の高収入は明日リストラされない保証にはならない、という大転換が起きていますが(いまだにこの点をきちんと認識している人は少ないようですが)、少なくとも「○×大学卒」「年収1000万円」「身長175cm」という「データ」は、受け止め方がバラける「顔」よりは分かりやすい指標です。
 では、初めて逢ったその日から、データいきなり突きつけて「どうだ!」とアピールするのが得策かというと、首をかしげる人が多いのではないでしょうか。
 もっとも、旧来の「お見合い」システムは、あらかじめ定型に従ってデータを提示する仕組みですから、一概にダメだとはいいません。そういうアプローチもありうるとは思いますが、それはお見合いシステムというプロトコルの中だからやりやすくなっていることで、他の手段・プロトコル(例、合コン)でも通用するかどうかは疑問でしょう。
 年収が高いことは、一般的にプラス材料ではあるでしょうが、プラス材料だから見せつけてやろうとすれば失敗に終わるのが普通だと思います。
 つまり、プラス材料も見せ方を間違うと威力を失うばかりか、「性格が悪そう」と、アンケートのトップに入る要因を敵に回す危険さえあるのです。

 ……なんで慣れない話題をここまで続けてきたかというと(笑)、性格も含めて広義の「外見」が非常に大きな意味をもつ、つまり「外見」を軽視するのは得策ではないですよ、ということ、これは実は恋愛話に限らないからです。
 昨年、プロ野球再編問題のときにも書きましたが、内容が重要な企業戦略でも、見せ方を間違うとせっかくの効果が薄れてしまうことが多々あります。
 「戦略の誤りを戦術で挽回することはできない」のは真実で、戦略が間違っていたら見せ方をどう工夫してもどうにもなりませんが、せっかく戦略が優れていても、見せ方についての配慮を欠いたために印象を悪くしてしまうことが少なくありません。
 それだけに、広報というのは、たいへん重要な位置になります。
 どうも「大本営発表」の伝統をもつこの国では、広報なんて、と軽視する傾向があるようですが、メディアの時代には、とても賢明とは思えません。
 もっとも、それはそもそも戦略が存在しないから、広報をどうやったって手の施しようがございません、という話なら、もっと根の深い問題になってしまいますが……。


エイベックスが「のまネコ」商標登録取り下げ、CDの特典映像も収録中止【INTERNET Watch /goo】
 先日来、一部で話題になっていたこのトピックスを見て、事実関係以前に最初に感じたのは、広報の役割や見せ方の重要性といった基礎がまるで分かってない、非常に低レベルの話だということです。
 著作権がどうこうといった事実関係や経緯の問題は、まったくフォローしていないのでコメントできません。しかし、これが仮にも議論の渦中にある企業が出すコメント文か、こんなライター(担当者)は即刻クビだろうに、それさえできないのか、と正直思いました。
 殺人予告とか、「2ちゃんねる」の性質とか、著作権や商標登録、そういった別の問題はここでは全部おくとして、企業コメントの頭の悪さに的を絞っています。
 公式コメント(『いわゆる「のまネコ」問題についての当グループの考え方』)に、いちいち添削することはしませんが、

結論から言いますと、現在CDに特典としてつけているマイアヒ・フラッシュを今後はもうつけないことにしようと思います。また、「のまネコ」の図形商標の登録出願を有限会社ゼンに中止してもらおうと思います。

 この一文だけでも、担当者のクビを切るに値する頭の悪さが丸見えです。
 なぜなら、これは、重大な決定の表明です。その重大な決定について、「しようと思います」「してもらおうと思います」は常識外です。
 まだ決定できていない、つまり「つけないこと」が確定していなかったり、「中止してもら」うのが、相手方次第で現段階では断言できないとしても、「思います」はありえない
 騒動の中で、未確定の断言できない段階で発表してしまうのも問題ですが、百歩譲っても、「つけないことにする方向で検討中です」「中止してもらうよう依頼し調整中です」といった表現で、意思だけは明確にすべきです。このコメント文では、意思さえ不明確で、「思ってるだけか?」と突っ込まれても文句は言えません。
 後半には、

直ちにマイアヒ・フラッシュの提供を中止し、「のまネコ」の図形商標の登録出願も取り下げることで、皆さんに安心していただこうと決心した次第です。

 とあって、いくらかマシな表現になっていますが、結論を最初に持ってきておいて、そこは不明確な(あえて「曖昧」とは言いません)言葉を使っているのでは、これが結論の確認なのか、それとも経緯説明の末尾にすぎないのかさえ疑わしくなります。
 繰り返しますが、私はこの事件はまったく追っていません。ロイターにもBBCにもABCにも報道されていませんから(当たり前か)、特オチどころか部署違いでまったく知らなかったのが正直なところです。
 ですから、事実関係がどうだったのか、どちらの主張に正否があるのか、まったく分かりませんし、分かりもしないことをイメージで語る愚行はしません。
 しかし、コメントの重要性、広報戦略の重要性という普遍的な問題としてなら、取り上げる価値があります。
 これは、何もエイベックスや2ちゃんねる、あるいはネットの書き込みに限ったテーマではありません。「見せ方」が大事だという点では、個人の恋愛から国家レベルまで、共通した問題です。そして、それだけあらゆるレベル・場面で問われることの割には、この国では軽視されやすい部分でもあります。

 ことのついでにあえて蛇足として触れておきますが、このコメントでは、「殺人予告」があったことを最後に取り上げ、

この事件に接して、正直言って、冒頭からの発表文を出すことにややためらいを感じましたが皆様を信じて当初の予定通り発表させていただきます。

と結んでいます。書いた人はカッコつけた気でいるかもしれませんが、ここには、広報以上に、問題の整理ができていない根本的な頭の悪さが露見しています。
 殺人予告は明らかに犯罪です。当たり前のことです。それと、企業戦略の転換の発表とが、どう結びつくのでしょうか。
 想定実験として、不幸にも、予告に留まらず実際に殺人が行われたとしましょう。そのときは、「皆様を信じ」ることができなくなって、この決定も撤回する(フラッシュ提供を続行し商標登録も続ける)つもりだった、というのでしょうか? いったい、何に「ためらいを感じた」のでしょうか? この部分の脈絡は、情に訴えるつもりかもしれませんが、論理的にはまったくつながっていません。
 殺人予告は犯罪であり、刑事事件として捜査・処罰が行われて当然のことです。その当然のことによって、なぜ「ためらいを感じ」たのか、まったく理解できません。
 「昨日飲みすぎてそのまま寝たら風邪をひいてしまい、正直発表文を出すことにややためらいを感じました」と言ったら、知能が正常か疑われるでしょうが、殺人予告という重大犯罪をお題に出しただけで、実は同レベルです。
 殺人予告については、コメントは1本限りと決まっているわけではないんですから、もう1本別の発表で取り上げればよかったのです。批判側と絡むから、どうしてもここで取り上げておきたいというような感情論があるとしても、発表を出すか否かとつなげたのは知能拙劣としか言えません。
 たとえばこれを、「私たちは、この事件とは関係なく、私たちみずからの判断として皆様のご意見をもとに決定いたしました。この事件によって私たちの決意が揺らぐことは絶対にありません」などとしておけば、全然違うものになりませんか?
 このまったく異なる2つの問題を、ただ感情的にリンケージさせ、感情に流されたままの文章を発表してしまうのでは、結局「頭が悪い」の一言しかありません。
 広報技術の拙劣、戦略思考の欠如、これは必ずしもエイベックス叩きで済ませて良い問題だとは考えられません。目立つのを叩いていれば溜飲は下がるでしょうし、気分もいいのかもしれませんが、各分野・各レベルでも同様の問題がないか、見直してみる必要があります。

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