VNI鈴凛 過去ログ 04/05/04-29

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2004/05/29 蛇の道は蛇
2004/05/24 だからニュースはやめられない
2004/05/22 ほとんど予定原稿
2004/05/21 されどカビ
2004/05/17 春歌ちゃん生誕日(1日遅れ)
2004/05/14 今は昔
2004/05/13 原告は文明である
2004/05/12 経験値とフラグ
2004/05/11 ♪時は、流れた〜♭
2004/05/07 確信犯? 計画的犯行? 自爆テロ?
2004/05/06 田や沼や、よごれた御代を改めて
2004/05/04 声に出して読みたい……

ニュースクリップ

(05/24 09:50更新)
★ブッシュ米大統領、24日夜(=日本時間25日午前)にイラク情勢についてテレビ演説の予定。当初午後の予定を繰り下げ、全米テレビの「プライムタイム」に【ABC /NHK BS】
(05/24 08:30更新)
★米下院議員、台湾に対しイラク派兵を要請。台湾政府高官は論評を避けながらも、中台関係に変動来たすとして不可能とコメント【聯合報】
(05/20 06:15更新)
★宇都宮の発砲・たてこもり事件、容疑者の身柄を確保。「容疑者は死亡したと見られるが、病院で確認する」=栃木県警本部【NHK】
(05/20 05:32更新)
★宇都宮の発砲・たてこもり事件で、警察が室内に突入【NHK】
(05/18 05:50更新)
★米連邦最高裁、身体障害者が法廷に入れない州裁判所の施設について障害者に賠償求める権利認める決定。エレベータのない州裁判所について車椅子の被告人が訴え。「障害をもつ数百万のアメリカ人にとって大きな勝利」=Bazelon精神保健法センター法務担当者【ロイター=ワシントン発・米国東部時間16:06(日本時間05:06)
(05/14 17:30更新)
★小泉首相にも国民年金あわせて6年11ヶ月未加入期間【NHK】
(05/14 16:05更新)
★小泉首相、22日に北朝鮮訪問し首脳会談へ=細田官房長官が官邸で正式に発表。家族帰国など前進の見通しについては言及を避ける【NHK】
(05/14 11:30更新)
★韓国憲法裁判所、盧武鉉大統領に対する弾劾を棄却、職務復帰へ【ロイター=ソウル発・米国東部時間22:00(日本時間11:00)
(05/11 23:40更新)
★シンガー・ソングライターの岡崎律子さん死去、44歳。敗血症性ショックで5日に。『シスタープリンセスRe Pure』はじめ『ラブひな』『フルーツバスケット』などアニメ主題歌の作詞・作曲を手がけた【朝日】
(05/10 17:10更新)
★民主党の管代表、辞意表明【NHK】
(05/07 11:00更新)
★福田官房長官、年金未納問題で官房長官を辞任へ【NHK】
(05/06 18:20更新)
★イラク捕虜虐待問題で、国際赤十字委員会は改善の処置を米政府に繰り返し要求【ロイター=ジュネーブ発・米国東部時間04:48(日本時間17:48)
(05/06 02:55更新)
★大阪のコンビニで男が女性を人質に男が立てこもり。警察が突入、容疑者を殺人未遂で逮捕【NHK】
(05/05 08:00更新)
★イラクとアフガンの捕虜25名の死亡のうち、2人はイラクで米軍兵士とCIAの契約者が殺害、事件を司法省へ引渡しへ。12人は変死。イラクでの10人の死亡についても死因を調査。軍憲兵司令官は調査チームを派遣【ロイター=ワシントン発・米国東部時間18:21(日本時間07:21)
(05/05 05:30更新)
★イラクとアフガンで拘束された捕虜25名の死亡について米軍が調査。うち12人は変死。10人の死亡についても死因を調査。性的暴行も含まれる可能性=米軍情報筋【ロイター=ワシントン発・米国東部時間16:24(日本時間05:24)
(05/05 05:10更新)
★ゴア・前米副大統領、若手層向けの独自ケーブルネット構想を発表。「政治的な意図を持たず、従来メディアの力学から独立した情報を提供したい」=FOXテレビを意識【ロイター=ニューオーリンズ発・米国東部時間15:46(日本時間04:36)
★イラク人虐待問題、「ラムズフェルド国防長官は調査に非協力的」=米上院議員。「ラムズフェルドは調査資料を上院国防委員会より先にマスコミに送ってしまった」と調査の不徹底を強く批判【CNN / NHK BS】


2004/05/29 蛇の道は蛇

 「40年以上、ソビエトという幻の龍と戦って、やっとその龍を倒したと思ったら、毒蛇だらけのジャングルにいたんです。蛇は龍より見つけるのが難しい」(元CIA長官の回想あたりの挨拶)

 こう語ったのは、CIA自体に対して不信感を持っていたクリントン政権当時のCIA長官で、そのために「2年間で2回しか会えなかった」と言います。
 「(スキャンダルになった)モニカ・ルインスキーは、(CIA長官よりも)頻繁に会っていました」「(クリントンは)CIAの報告書を読むのをやめ、『ニューヨーク・タイムズのほうが情報が多い』といっていました」などとまで言われるのもすごい話だなあと(笑)。
 これ、明日深夜に全3回が再放送されるBSプライムタイム「CIA 秘められた真実」第3回に出てきますので、興味のある方はぜひ。……「せんせいのお時間」と思いっきりかぶるなぁ(苦笑)


 あ、いまさら気づいたんですが、05/22付で書いた「警戒宣言」関係、ウチの予定原稿が古かったです。
 従来、気象庁が異常データを発見した場合、専門家からなる「予知判定会」が招集され、その時点で自治体などにも「判定会招集連絡」を出すことになっていました。判定の結果が「地震の可能性なし」と出るかもしれなくても、招集の段階でマスメディアにも発表、気象庁前にパトカーで先導されて判定会メンバーが集まって……という映像だったんですが、昨年の制度見直しで、「異常データ発見だけで『観測情報』を出す」ようになりました。
 判定会招集の前に、シロクロ分からなくても注意報(観測情報)・警報(注意情報)が自動的に出ます。つまり、判定会が招集されているときには、すでに「注意情報」が出ています
 判定会の結果、「起きる可能性が高い」と判断されると、「予知情報」が出て、これが気象庁長官から内閣総理大臣に報告され、警戒宣言が発令されます。「警戒宣言」は、気象庁の予報(科学的なデータをもとに呼びかける)と違って、法に基づく措置が取れる行政命令ですから、警報・注意報とは性質が異なります。
 以前の制度では、判定会招集の時点ではまだどうなるか不明なので、自治体などに判定会を招集したという連絡を出すことにはなっていましたが、現行制度では「注意情報」の段階(=判定会招集前)で各自治体が公立学校の生徒・児童の帰宅などの準備が開始されることになっています。
 以上、予定原稿の訂正でした(汗)。「人を呪わば……」じゃなかった、「人のふり見て我がふり直せ」ですね(苦笑)。


 すさまじく出遅れ感の強い私信(笑)。

>真紀奈さん (05/18)
> ここで、ウイルスの定義は「人が電子計算機を使用するに際してその意図に沿うべき動作をさせず、又はその意図に反する動作をさせるべき不正な指令を与える電磁的記録」とされています。ユーザーの意に反する動作をするプログラムのほとんどがウイルスとして定義されるわけですね。この法案では、ウイルスの概念を広くとって、その上で別の形で制限をしようとしています。(ちなみにこのユーザーの意に反するという言葉ですけど、業務用のPCで管理者がセキュリティソフトや監視ソフト等を入れている場合、それは問題なしとされるようです)

 真紀奈さんも触れてますけど、刑法の電子計算機損壊等業務妨害罪(刑法234条の2)と似た規定になっていますね。

刑法 第二百三十四条の二(電子計算機損壊等業務妨害)
 人の業務に使用する電子計算機若しくはその用に供する電磁的記録を損壊し、若しくは人の業務に使用する電子計算機に虚偽の情報若しくは不正な指令を与え、又はその他の方法により、電子計算機に使用目的に沿うべき動作をさせず、又は使用目的に反する動作をさせて、人の業務を妨害した者は、五年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。

 ……見比べてみて、なんだかコピー&ペーストしてませんか今回の立法者?って疑うのは私だけかしら(苦笑)。
 刑法のほうでも、「目的に添うべき動作をさせず」と「使用目的に反する動作をさせ」るというのは同じじゃないかという気もしますが、一応、単純化して言うと、前者は「止めちゃうこと」、後者は「違うことさせる」というように区別されているようです。
 たとえば営業に行って冷たくあしらわれたのを逆恨みして、目を離した隙にフォーマットしちゃうのは、「目的に添うべき動作をさせない」ということになるでしょうし、ネットにつながっているからとヨソの会社のPCで怪しげなサイトに勝手にアクセスするのは「目的に反する動作をさせる」ことになると思います。
 「ブラクラ」踏ませるとかで使えなくしちゃえば、ほとんど同じでしょうけど、使えない状態にならなくても(一瞬で終わってまったく変化なくても)相手にIP残るだけで困るようなサイトはありますから。身近なとこでは、VNIサイトのリファラにIP捕捉されるとか(ばき)
 ところで、コンピュータ資源の寸借詐欺というか、「ちょっとCPUの性能お借りします」式のは、この両方から漏れるんじゃないでしょうか。ちゃんと了解とってやっている白血病の「UD Agent」のイメージですけど、あれと同じことを無断で、しかも何か不正の暗号解読に使われたんではたまったもんじゃないですが、そこはこの法律では抜けるような気がします。
 刑法では「使用目的」と言っているのを、こちらでは「意図」という言葉にしたのは、そのあたりも考えて、拡大しているのかもしれませんが……。

(→参考:刑法234条の2について)
 使用目的に反する動作をさせることで、もとより内容が真実に反する偽りの情報を入力すれば、当然得ようとする正しい情報処理を求めることができない。しかし、自分の情報処理のため勝手に他人の電子計算機を使用する行為は、道義的に非難される行為であっても使用目的にそわない動作または使用目的に反する動作をさせたというわけにはいかない。
(植松正『口語刑法』……って私最新版まだ買ってなかったんだっけか(汗))


> 問題点として、この「人」の定義があります。例えば、同意を得た他人のPCに対してウイルスを使用したところ、その他人のPCを通じて拡散してしまったという場合とか……。そういう場合は電子計算機損壊等業務妨害罪で処理っていうことなんでしょうか……。

 結果の予見も問題になりそうですが、故意であれば、間接正犯にならないかしら……?
 ただ、これ「作成」の罪、目的犯で、刑法の位置的にもすごいところに入りますよね。電子計算機損壊等業務妨害罪もそうですけど、そういう拡散してしまったというような「事故」は、過失の規定でも作らないと追いつかないように思います。
 コンピュータ・ウイルスじゃなくて、ホンモノのウイルスを培養して生物テロやれば、殺人なり傷害なりになるでしょうけれど、たまたま研究室に遊びにきた友達が感染して持ち帰って、周囲にまで広げちゃった場合はどうしようもないでしょうし(そもそもそんな危ない研究室にシロウトを入れてはいけません(笑))
 それに、「同意」の有無が関係する犯罪は、「本当に分かってた?」というのが常々問題になるところですよね。いつも例に引いてる「このボタンを押してごらん」と幼児に起爆スイッチ押させるだとか、医師がナースに指示を出して憎い患者を殺害しちゃうとか、人を道具として使うあれですけれど……と考えてくると、「同意」そのものの成立も微妙ですよね。
 たとえばコピー対策のスパイウェア同梱、「製品情報のアップデートと、不正コピー防止のために、このアプリケーションは弊社に情報を送信することがあります」なんていう項目に「同意します」を押させるとすると、どこまでが「同意」になって合法で、どこからが「意図に反する動作」になるのか、など……。
 アプリケーションを起動したときに、バージョン情報を読みに行って、「最新版をダウンロードしてください」はOKでしょうが、極端な例、PCに残っていたクレジットカード情報まで抜いちゃって、「次に表示されているお客様のクレジットカードで、いますぐ最新版をご購入になれます!」とまでやるのはアウトじゃないかと思います。
 つまり、情報を送信するとは聞いていたけど、そんなのまで持ってかないでよ、という問題ですね。逆にいえばどこまで詳細に「同意」させるのか、「アップデートに必要な情報」のような表現で「同意」した場合に、「同意の範囲」が揉めそうな気がします。
 「きちんと説明」が、はなから苦手で曖昧にしたがるお国では危なっかしい、というのは個人的見解ですけれど(苦笑)。

> 三つ目は「遠隔差押え」です。
> 今まで、差押えというのは令状を取った場所・物に対してのみしか行えませんでした。しかし、この218条2項によって、差押え令状が無くても一部のデータについては差押えが可能になります。
> 具体的には、差押えの対象となっている人が使っているASPのデータやファイルサーバのデータなどになるでしょうか。こういうデータについて、令状が無くてもコピーを差し押さえることができるようになるわけです。まあ、サーバーそのままもって行かれることがないというだけましかもしれませんけどね。
> これの問題点としては、海外にサーバーがあった場合どうするのかとかそういう問題があります……。

 私はこれが、実は一番危ない気がします。
 公開されてるものだからコピーを押さえるぐらい構わないじゃないか、個人的にページ印刷して後で読み返すのと変わんないんだし、ぐらいの感覚で起案されているように思えるんですけれど、刑事訴訟の令状主義をひっくり返してしまう根本的な問題があるんじゃないかと思います。
 たとえばここ、公開のページですからどこから読んでいただいても構わないですし、印刷して保存されても異議はないんですけれど、「要注意リスト」と称して捜査機関がやりはじめたら、いくらなんでも寒気を覚えます。
 いえ、GoogleのキャッシュもOKなんですから、警察の方でも、あるいは海外の諜報機関の方でも、読まれるのはいいんですけど、それを法的手続として「捜査機関」がやってしまうのはどうなんだろう、令状主義による裁判所のチェックも入らないとなると、予防拘禁とまでは言いませんけど、似たような「恐怖」を感じます。
 なにしろ、一ヶ所突破口を作ると、どこまでも都合のいいほうに突っ走るお国柄ですから……なんていうと、やっぱりいつもの論調になってしまいますが(笑)。サーバといわず国籍も海外に置いといたほうが安全かも、などと言いたくなっちゃいますし、まあここから暴走しても行き先は焼け野原、という超悲観論の繰り返しですね(笑)。
 ……って、10日も経って、思いっきり出遅れてるので、もう出回ってる見解かもしれませんけれど(苦笑)。
 「裁判員制度」も、もう今更何をかいわんや、で、再放送になるんで一切パスしたんです。基本的に人数とかの目先の問題じゃなくて、「個」の存在しない風土の問題だという超悲観論に変わりはありませんから。
 「Winny開発者逮捕」も、もうデュープロセスなんてコトバはこの島国では死語みたいで、ナントカにつけるクスリはないです、と、毎度毎度の再放送になるのでやめてましたし(笑)。

 いきなり話ずれますけど、最近、次のフレーズが何かと思い浮かんで仕方ないです……。
 湾岸危機直前の九〇年五月、私は国連本部広報局の招待で各国を合わせ一〇人ほどのジャーナリストのグループに加わり、アラブ・イスラエル紛争のアラブ側当事国を三週間ほど歴訪している。(中略)
 食卓を囲むたびに同業同士の情報や冗談に花が咲き、K氏の皮肉なコメントがいつも一座を沸かせていた。「二〇年余り中東問題に頭を突っ込んできたが、自分の足もとに火がつきそうだ。大使館(ユーゴスラビア)に中東の話を聞きに行っても、大使が話題にするのはユーゴスラビア情勢ばかりだ」。このK氏、クロアチア人であった。
(平山健太郎『エルサレムは誰のものか』)

2004/05/24 だからニュースはやめられない

 ♪僕の手柄が知りたいならば 電光ニュースを街で読め(最初のうちは記者を邪魔者扱いしなかったのねと思わされる戦時歌謡あたりの挨拶)

 SPAMの多いメールボックスをチェックしていたら、いつも流し読みしているメールマガジンで記事を見かけて驚きました。

美決議案起草人:和台灣高層討論過派兵案【聯合報(台湾・繁体字中国語)
【記者范凌嘉、羅曉荷/台北報導】
美國衆議院議員提案建請台灣派兵揄伊拉克,決議案的起草人、美國共和黨重要幕僚崔普列特昨天在離台前表示,當初是在美國國防部朋友的要求下,研擬這個案子,也判斷只要布希總統開口,台灣答應出兵的可能性相當大。
(中略)
崔普列特這次專程來台參加五二○總統就職典禮,他説他在美國國防部的朋友要求下,起草這個案子,美國需要地面部隊,但因為政治因素和一中政策,布希總統會公開要求台灣出兵的可能性非常小。
(中略)
外交部長陳唐山上周一曾設宴款待前美國在台協會理事主席卜睿哲一行人,崔普列特也出席餐會。據指出,崔普列特向與會人士強調,他知道台灣如出兵伊拉克,中共必然有強烈的反應,台灣内部也會有不同聲音;但政策都有利有弊,贊成與反對的意見都要參考,評估利弊後,這項政策還是値得一試。
(一部日本語コードにない文字を削除・改めました)

 「窮すれば通ず」とは、『易経』の言葉ですが、この場合は「貧すれば鈍す」のほうだと思います。
 さすがに「名を捨てずにとりあえず持っておいて実を取る」したたかな台湾は、ほいほい「全面的に支持」してしまう某国と違って言を左右にして言質を取られないように立ち回っていますが……。
 日本では北朝鮮ばかり問題になりがちですが、現在の軍事的バランスを見ると、北朝鮮が暴発する可能性はゼロに近いものがあります。たとえヤケッパチで暴発したとしても、南北の国力の差を考えると、北に勝ち目はなく、国際紛争のレベルまで行かずに崩壊する結果になるでしょう。
 金正日総書記は、日本では貶められていると言って良いほど軽く見られていますが、海外では外交のテクニックから侮れない相手として評価されています。とくに38度線の国境監視を引き受けているスウェーデンは、活発な外交関係をもとに冷徹な分析をしています。
 たとえば、先日の列車爆発事故に関して、総書記が列車で訪中したためにダイヤが狂ったという点は日本でも報道されていますが、スウェーデンの分析筋は、総書記の飛行機嫌いについて、自身がヘリコプター事故に遭って恐怖体験を持っているからではないかと指摘しています。先代の金日成と違って、軍を絶対的に抑えつけるだけの“カリスマ”がなく、代わりにドイツ留学などで国際感覚を持ってはいるものの、それがかえって「叩き上げ」の軍指導者から侮られる原因になっているとも言われます。
 こういった情報、外交ルートを持っていればぞくぞくと入ってくるはず(大使館の職務の一つは情報収集、悪く言えばスパイだと言われるほどですから)ですが、こちらから耳を閉ざしているような気がしてなりません。
 それはさておき、日本・台湾間も中国(大陸)との申し合わせで、政府は事務レベル以上のやり取りはしないことになっていますが、観光客だけで年間約100万人行ってますから、民間レベルでは国交の問題などどこ吹く風というぐらい交流が進んでいます。
 来年開通予定の「台湾新幹線」も日本のシステムで決まって、先日出荷のニュースがありました。
 この中国・台湾問題は、世界経済の上でも非常に重視されるところです。両方が「向こうは正統政府でない」と主張するため、「両国」という表現を嫌って「両岸関係」(台湾海峡を挟んだ両岸の意味)と表記していますが、この極東の平和は全世界が注視しています。
 なにしろ、世界の外貨準備高トップ5位までが、日本、中国(大陸)、台湾、韓国、香港と、この極東に集中しています。ユーロ圏をまとめた統計でも3位に割り込むだけですから、万一何か起きれば、これらトップ5が外貨準備として持っている米ドル・米債券がえらいことになるのは目に見えています。
 逆にいえば、アメリカの貿易・財政がぶっ飛んだときには、上から順に持ち資産が紙キレになるわけで、呉越同舟で穴あけると無理心中になっちゃうというか……。


中国、台湾総統の就任演説は独立に向けたものと非難【ロイター /Yahoo】
[北京 24日 ロイター] 中国は、陳水扁・台湾総統の就任演説が独立に向けた演説だったと非難し、台湾は地域の脅威だと警告した。
中国の台湾事務弁公室の報道官は、記者会見で、「演説では『両岸に1つの国』への言及はなかったが、内容は独立国としての台湾の地位に関するものだ」とし、「台湾海峡の緊張の根は除かれていない。アジア太平洋地域の平和と安定を危うくする要因は依然存在する」と述べた。また、中国は陳水扁総統の言動ではなく行動のみに関心がある、とも述べた。
さらに、2008年の北京五輪を前に情勢を悪化させないよう、台湾に警告した。台湾独立に向けた動きがあれば、五輪をリスクにさらしてでもそうした動きを阻止するつもりか、との質問に対し、同報道官は、「陳水扁総統が世界の人々に挑戦するつもりならば、いかなる代償を払ってでも、我々は、主権と領土を保護するだろう」との考えを示した。(ロイター)
[5月24日12時51分更新

 同じ記事が英文のロイター電にありますが、こちらのほうがより口語的になっています。

【ロイター=北京発・米国東部時間22:47(日本時間11:47)
China Says Chen's Speech a Taiwan Independence Bid
Sun May 23, 2004 10:47 PM ET
By Jonathan Ansfield
BEIJING (Reuters) - China on Monday denounced Taiwan President Chen Shui-bian's inaugural speech as a cloaked address on independence and said Beijing would spare no cost if he continued down the road to statehood.
In his address on May 20, Chen ruled out any immediate steps toward independence and called for better ties with Beijing in a bid to placate China and key ally the United States.
While Washington welcomed his address, Chen appears to have failed miserably with Beijing. The two sides have been foes since the end of the Chinese civil war in 1949.
"Although in his speech, he made no reference to the words 'one country on each side', the content of the whole speech was completely about Taiwan's status as an independent country," Taiwan Affairs Office spokesman Zhang Mingqing told a news conference.
"The root of tensions in the Taiwan Strait has not been eliminated. The peril affecting peace and stability in the Asia-Pacific region still exists," he said.
China would protect its territorial unity at any cost, including sacrificing the Olympic Games which it hosts in 2008.
"If Chen Shui-bian dares to challenge the people of the world, we will safeguard our sovereignty and territorial integrity at any cost," he said when asked if China would be willing to risk the Olympics over Taiwan.
The United States last week welcomed Chen's speech as "responsible and constructive" for avoiding an immediate showdown with China and added it created an opportunity for the two rivals to resume dialogue.
But China, which regards Taiwan as a renegade province that must be returned to the fold -- by force if necessary -- told Washington not to be deceived by the speech.
Zhang said there was no sign that Chen was willing to alter his course toward seeking an independent country.
"For such a faithless man, we do not care what he says. The key is what he does, which road he would choose," he said.
"He is riding near the edge of the cliff, and there is no sign that he is going to rein in his horse."

 最後の行の表現、趣旨を伝えるときには省いてしまいがちですけど、表現として面白いと思います。1コマ漫画やイラストにそのまま描けそうですよね(笑)。


>詩子さん (05/22)
>●2004/05/22 Sat 13:46 受験生の半数が0点の作文問題
>千葉県の県立高校の入試試験にその問題はあった風味です。
>正答率はわずか14%風味ですか……どんな問題なのカナ???

 元記事を読むと、「地図を見ながら」というところに出題者の本来のポイントがあったんじゃないかと思います。
 携帯のおかげで、電話でナビゲーションしたりされたりする機会がありますが、それと同じことを作文でさせて、勘違いのないように正確に伝えられるかどうかを見ようとしたんじゃないかと……。
 でもこれ、ベストセラーの『話を聞かない男、地図が読めない女』じゃないですが、作文能力と違うところが問われるような気がします。
 私なんか地図が「略図」だといきなり迷う性質で、地図上で道路3本だったら細い路地でもカウントして曲がってしまうので……トレーサーロボットじゃないんだからとよく言われますが(苦笑)。
 でも、妙な選択肢を作らずに問題を作るとなると……。

 「高速道路を300メートル行ったところにある、サービスエリアへ走れ。サービスエリアの、タバコの自動販売機の上に、手紙がある。手紙のとおりしろ。」
の「手紙」を書くようなイメージで、

 「あなたは、テロ対策ユニットの捜査官の娘を誘拐しました。目的の場所まで彼をおびき出すための指示を、地図を見ながら文章で書きなさい」
……ボツ確実っぽいです(おい)。
 冗談はさておき、「配慮」と言われると、首都圏の駅構内地図のほうが分かりやすいかもしれません。都営新宿線で新宿で降りるなら一番後ろ(初台に向かって)、地下鉄半蔵門線で渋谷で降りるなら半蔵門寄りで降りると、全部エスカレーターで地上まで行けたような記憶が……って私が年寄りじみてますか(笑)。
 駅での待ち合わせはカンチガイ・行き違いが多いので、老若男女を問わず、間違いようのない「改札口」の決め打ちか、出口の番号(「A6」とか)などを使うことをオススメします……あと、携帯の電波の届くところ(笑)。

2004/05/22 ほとんど予定原稿

 「最悪の政治家を選ぶのは実に難しい。これこそ最悪と思ったとたん、もっと悪いやつがかならず出てくる」(フランスの政治家が語ったといわれるブラックジョークあたりの挨拶)

 編集のために昨年の分を読み返していると、ここんとこ順調に更新滞っていることに、否応なしに気づかされますが……。
 予定原稿を用意しておければ一番楽なんですけど、「本日中にお召し上がりください」の生菓子みたいに保存がききません(苦笑)。
 予定原稿どころか、「使う前に間に合わなくなって」ボツ原稿になったのを覗いてみると……。ラテ欄ネタはやっぱり使い物になりません(笑)。番組終わっちゃってるし。
 その他でも、たとえば……。

(05/22 06:30更新)
★市場は「日本円の弱さに救われたドル持ち直し」「今後新たなテロで対ユーロ・対スイスフランでドル下落も」と【ロイター】
★ユーロに対し円安進む、一時1ユーロ=137.50円で1999年1月の取引開始以来最安値水準【ロイター】

 うわー(笑)。
 ちょうど1年前の「ニュースヘッドライン」没原稿なんですけど、コレ(笑)。

 そういえば、大規模地震対策特別措置法で、「東海地震」の前兆現象が見つかった場合、気象庁が判定会を招集、その後マスメディア各社が「判定会招集→警戒宣言発令」の報道の流れについても、前は防災の日に随分「訓練」していましたが、いまでも予定原稿など用意してちゃんとやってるんでしょうか。
 原稿の中身チェックしないと、省庁や市町村の名前が変わっている可能性もありそうで(笑)。身近なとこだと、ウチで使ってる道路地図、なくなった金融機関がランドマークに入ってたために、思いっきり迷ったことありますから。
 まさか「電電公社では被災地域への通話を控えるよう呼びかけています」「国鉄は全線が……」なんて原稿は残ってないでしょうけど(笑)。

 というわけで、困ったときのニュース原稿、とやってしまうから状況がますます悪化するんですけれど、昨日付で書いたように、やっぱり小泉首相の北朝鮮訪問、相変わらずの外交下手を露呈して、北朝鮮側のシナリオどおりの結末になったようです。

「裏切られた気持ち」 家族会メンバーが怒りの声【共同通信 /Yahoo】
 「裏切られた気持ちだ」「なぜ8人を一緒に連れてくることができなかったのか」。拉致被害者家族会のメンバーは22日夕、細田博之官房長官と川口順子外相らに激しい怒りをぶつけた。
 細田長官らは22日午後4時前後から約30分間、東京都内のホテルで、拉致被害者5人や家族会メンバーにそれぞれ日朝首脳会談の概要を説明。
 家族会代表の横田滋さん(71)は「最悪の結果。8人(の帰国)は当然と思っていた。納得した人は一人もいない」と憤然とした様子。
 事務局次長の増元照明さん(48)は「ジェンキンスさんが(訪日に)難色を示していたというのは以前から分かっていたはず。なぜ、一度日本に連れてかえることができなかったのか」と声を震わせて、細田長官らに迫ったという。(共同通信)
[5月22日18時53分更新]
(上記18:53発共同電はリンク切れているようなのでアップデートして張っておきます)

「最悪の結果」「裏切られた」=首脳会談結果に批判集中−家族らの怒り収まらず【時事通信 /Yahoo】
 「最悪の結果」「気持ちを踏みにじられた」。日朝首脳会談が拉致被害者家族5人の帰国という結果に終わったことを受け、家族らは22日午後、東京都内のホテルで記者会見し、怒りをあらわにした。死亡もしくは入国が確認できないとされた安否不明者10人については、新しい情報は一つもなく再調査の約束がなされただけ。「期限も設けず、政府の対応には怒りを覚える」との声が相次いだ。
 横田めぐみさん=失跡当時(13)=の父滋さん(71)は「予想していた中で最悪の結果」と顔を紅潮させ、母早紀江さん(68)は「不明者10人のことは、怒りを込めて言ってくれと伝えておいたのに、どうして。子供たちは置き去りにされたまま。怒りでいっぱいです」と訴えた。
 有本恵子さん=同(23)=の母嘉代子さん(78)は「拉致されたたくさんの人たちが、首相の訪朝で今回は助けてもらえると期待を持っていたと思う。こうした結果は本当に心外」と強調。父明弘さん(75)は「首相は独断で訪朝したのだから、結果が悪ければ政治家として責任を取るべきだ」と語気を強めた。
 「小泉首相は会見で拉致問題の扉を開いたと言ったが、閉めて鍵を掛けてしまった」「北朝鮮の手のひらの上でもてあそばれた」「何をしに行ったのか。情けない国、情けない首相だ」。家族らの批判の声が会見中やむことはなかった。 (時事通信)
[5月22日22時0分更新]

「最悪」「新たな悲劇」 家族会が政府批判【共同通信 /Yahoo】
 日朝首脳会談で曽我ひとみさん(45)=新潟県佐渡市=の家族来日を実現できず、安否不明の拉致被害者に関する新たな情報も引き出せなかった政府の対応に拉致被害者家族会は22日、厳しい批判を浴びせた。
 家族会は同日午後、都内のホテルで記者会見。横田めぐみさん=失跡当時(13)=の父で家族会代表の滋さん(71)は「予想された中で最悪の結果だ。裏切られたという感じ。北朝鮮の実利だけが通り、落胆している」と強調。蓮池透事務局長(49)は「新たな悲劇が生まれた。(地村さんら)5人の間を引き裂いた。いじめに等しい」と語った。
 関係者によると、会見前に細田博之官房長官らが家族会に結果を説明した際、めぐみさんの弟の横田拓也さん(35)は「きちんと交渉してほしい。平壌にいる首相にこの場で電話して」と詰め寄り、ほかの家族からも怒りの声が上がった。
 子供の帰国決定について地村保志さん(48)=福井県小浜市=は会見で「曽我さんの気持ちを考えると喜んでいいのか複雑」と述べた。(共同通信)
[5月22日23時22分更新]

 被害者やそのご家族の感情は察するに余りあるものがあります。「感情で外交やられちゃ困る」というのもいつも指摘している点で、ここは相反するところがありますが、このジレンマのなかで最大限の成果を挙げるのが、外交の手腕です。
 いつも国内では入港禁止法案だとか、有事法制だとか、「感情」で、あるいは「感情」を追い風に利用して威勢のいいことを言っている人が、いざ外交交渉でダイレクトにぶつけるチャンスとなったら、こんな腰砕けに終わるのか。瀬戸際にこそ、人間のレベルがあらわになると言いますが、そう考えるとまあ無理もないですか、と納得するしかないですが。
 だいたい、国際社会が一番懸念している――もともと今回の訪問にあまり期待はかけていなかったとさえ言われますが――核問題についてどこまで詰めることができたのかも不透明です。これは日本語マスメディアが「拉致」一色で感情を煽ってしまったというミスリードの責任はありますが、それにしても天下国家を論じているつもりで「改革」を口にする人にしては、またも飼い犬のように従順なメッセンジャー役に徹したと言わざるをえません。
 「家族の感情」の問題よりも国益を、という論旨で一貫するなら、それは冷酷と言われても国際政治の場では否応なしに認めるしかない現実ではあります。国際社会の直面する大問題「朝鮮半島の非核化」を解決するため、いくら冷酷非情と言われても拉致問題は協議に入れられない、というのなら、それは痛みを伴う決断として受け入れなければならない場合もあります。その場合は、当然国民感情とは真っ向対立することになりますが、感情に流されて強硬姿勢一本槍というわけにもいきませんから、やむを得ない場合は厳然として存在します。このバランスは、相手のある外交問題ではどうにもならない現実ではあります。
 しかし、今回はそういった苦渋の判断という側面は、かけらも見られません。国内では、明らかに北朝鮮を仮想敵国と見なしている「特定船舶入港禁止法案」が国会で審議されています。どう考えても、国内向けには「強気で行く」「強硬姿勢で臨めば必ず成果は挙げられる」という戦略を喧伝しているとしか思えません。その人が、いざ直接会談に行ってみたら、強気どころか、呆気なく短時間で終わってしまったのには、国内向けと国外向けで随分使い分けをされているとしか思えません。
 繰り返しますが、外交は相手のあることですから、感情に流されるままではできないんです。しかし、ここで問題視しなければならないのは、国内向けには「感情に流される」か、あるいはそのフリをして、強硬のポーズをとり、それで国内法は成立させていく。一方で実際の外交では、そんな感情など知らないかのように、借りてきた猫のようにおとなしくなってしまう。そこの一貫性のなさ、あるいは「感情」を自分にだけ都合の良いように利用するやり方という点です。
 何も会談を決裂させるのがベストの選択だったとは言いません。被害者やそのご家族にしてみれば、これぐらいなら決裂させて帰ってきて欲しかったと言われるかもしれません。それは当事者にとっては当然の想いでしょうが、外交上そこまではできないことは、当事者でないところから残酷な物言いであると分かっていても、現実として言わなければならないところです。
 しかし、国内では強硬姿勢を宣伝しておいて、実際に行ったらまるで腰抜けではないか、というのは、これは当事者ならずとも憤りを覚えて当然でしょう。家の中なら言うだけならタダ、リスクもなければ責任もないからと威勢のいいことばかり言っていて、実際に直接対談に臨んだら別人のようになってしまったのでは、これはまさに「裏切り」ですし、その憤りの中で皆さんよく言葉を選んでお使いになったとさえ思います。
 歴史にifはありませんが、こんな形で拉致問題を先送りにしても構わないのなら、なぜ難航する6カ国協議で切り離して議論しておくことができなかったのか、そこも問い直さなければなりません。
 逆に、「当事者に対しては冷酷な仕打ちだが、拉致問題とは別の重要問題について成果を求める」という方針もありえたはずです。とにかく間口を開けておく、外交ルートを開いておいてその中でこの問題も考えていくという戦略もあったはずです。被害者やご家族にとっては迂遠に見えて賛成できないでしょうが、外交戦略としては検討してもよかったはずです。
 しかし、そういう「冷静な」外交戦略をとるわけでもない。国内向けの感情一本槍の姿勢と、外交の場面での異常な従順さの落差には、もともと希望など持っていませんから失望こそしないものの、「こんな人間も生物学上ヒトに属するんだ」という単純な驚きがあります。
 おそらく、今後予想される日本国内のシナリオとしては、最初に(帰国直後から?)「過大な期待をされても相手のあることだし、しかも相手が相手だから」という擁護論が出てきて、次いで「もっと強硬姿勢で臨むには、そのための力と手段が必要だ」として、北朝鮮に対して強硬措置を取れる法案の後押しが出てくるのでは、と思います。
 しかし、手段があっても、力があっても、安全な国内での発言と、現実に外に出て行ったときの発言が180度近く違うような人にマトモに使いこなせるとは思えません。むしろ、善悪の区別のつかない人に強大なパワーを与えるというのは、あたかも幼児に爆弾を与えるような危険さえあると言わなければならないでしょう。
 国民感情に最大限の配慮をしつつ、現実面で妥協できる着地点を探してゆくというのは、民主国家の外交の基本です。国民感情に煽られて戦争の惨禍を招いた最悪のケースも少なくありませんから、どこで決断するかを冷静に考える思考も必要ですし、その決断によって国民から一時的にも不評を買うだけの覚悟も求められます。
 このどれひとつとして持ち合わせがないまま、内政の行き詰まりをごまかす煙幕として、国民感情を都合よく利用しようと、いわば「人気取り」「外へ国民の目をそらす」ために、「外交」を使ったとすれば、これは被害者やそのご家族、あるいは日本国民のみならず、国際社会を侮辱した最低の逃避だと、あらゆる言葉で指弾しなければなりません。
 国民感情が自分の政治屋稼業に都合がよい方向なら、むしろ煽って「反日的分子」と言って同調してみせ、煽った火種で自分の懐を暖めようとする。それが逆風になったときには、「冷静な現実」なんてものを持ち出して抑えにかかる。まったく便利この上ない使い方で、政治屋さんやそのとりまきには笑いが止まらないでしょうが、いつかそのツケは回ってくる、しかも国民の生命財産という大きな代償を払う羽目になる。この歴史が語る予言に耳を傾ける必要があることを指摘しておきたいと想います。

 ……そういえば、「指導者」に右向け右と言われたら絶対服従、従わなければ「反○×的分子」と決めつける。その「指導者」が国内向けには「強気一本槍」の姿勢で国内を煽って支持を確保しながら、「国外向けの顔」は使い分ける。
 このあたり、なんだかどっちも似たり寄ったりになってませんか?

 はなから希望を持っていないため、いまさら失望もありませんが、それにしても予定原稿を用意していたとは言わないものの、予想された結果と、おおよそ考えていた内容で済んでしまい、何の新事実も、新たに付け足す内容もないことに、空しさを覚えます。
 もっとも、歴史の教えに従えば、「言うことだけは国民受けするほど立派」な何もしない首相が投げ出した後に、さらに強硬派の首相が出てくる危険を心配しなければなりません。「一生懸命仕事はやる」人でも、憲兵を使いまくるような「もっと悪いやつ」が出てくるおそれがあります。
 焼け野原へのカウントダウンが始まっているように思えてなりません。

2004/05/21 されどカビ

 アフラトキシンB1のヒト肝がん発生への関与の可能性が示されている(毒博士の警鐘あたりの挨拶)

 先週飛ばしちゃった「ラテ欄」です。って、1週間過ぎてしまったんで番組も更新しちゃうわけですけど……。いま(日本時間21日午前3時すぎ)NHK見ても「台風情報」ですね(笑)。

 「神楽坂ハッピーチューナー」。
 松来未祐さん、カビ入りのペットボトル飲料を飲むのはやめましょう(苦笑)。
 実は同じような経験があって……放置していたわけでもないのに、ペットボトルのお茶をガラスコップにあけたらマリモのような塊が出てきたことが。
 ウチは「カビ毒は怖い」というのを叩き込まれていたので、即刻保健所に持っていきましたが……技官は集まってくるし、20倍の解剖顕微鏡では菌糸も見えるはずがないしで、衛生研究所に送られて培養検査という結構な事態になりました(笑)。
 まあ、結局カビの学名まで同定したものの「ヒトには無害のカビで、ペットボトル再利用の際に洗浄が不十分だったものと見られます」という鑑定結果で、泰山鳴動して……みたいな結果でしたが、メーカーに持っていったら代替品か金一封でごまかされたのかも(笑)。
 アジア・モンスーン地帯といいますが、アジアの高温多湿の地域、カビが発生しやすい気候の地域と、肝臓ガン発生率の高い地域は重ね合わせると一致するという結果もあります。カビ毒そのものは、見た目「やばっ」と思いますから、一度に致死量まで食べてしまって即死ということはないでしょう。しかし、長期間にわたってジワジワと、それこそ「十年殺し」のように、あとから効いてくる毒というのは怖いですね。
 そういえば、普通の症例より大量の菌を一気に摂取した場合、あまりに量が多いために普通と違った症状が出る、という話はなんだっけ?と記憶をたどったら、「千葉大チフス事件」で問題になった論文(ホーニックの人体実験論文)でした。話が危ない方向というか、差し障りがありそうな方面に行きそうなのでここでカット(笑)。

 「どらごんでんたるクリニック」。
 ネコにひっかかれまくる猪口有佳さんもお人柄ですけれど、ネコひっかき病という病気もあるのでお手柔らかに……(笑)。
 それはともかく、「有佳たん」のアクセントに、地名の「ユカタン」(半島)を連想しちゃうのは職業病みたいなものでしょうか? さすがに『NHK日本語発音アクセント辞典』にも出てないですけど、専門書の『海外観光地理』には出てるのかしら?(おい)
 『NHK日本語発音アクセント辞典』では、―部分を高く発音、¬はその次が下がる、という表記をしていて、たとえば

 ¬
 ハイシャ 歯医者、拝謝、敗者
  ―――
 ハイシャ 配車、廃車

というように分かりやすく書いてありますが、私のアクセントとしては

 ―¬
 ユカタン 有佳たん(人名)
   ――
 ユカタン Yucatan(地名)

かなあと(笑)。おそらく人名のほうは「浴衣」(ユカタ)とは違うアクセントになると思います。

 ……ここんところ「中東情勢」ばっかりで、基本的な立ち位置が「科学・エンジニアリング担当」だったのをカンペキ忘れてましたよ(苦笑)。「1年間を振り返る」編集作業をしていて思い出しました(笑)。
 本来、小出五郎さん(科学技術・環境)の路線のはずだったのに、どこで間違って柳澤秀夫さん(中東)の方向に間違ったのかしら、と振り返ってみると、イラク戦争がターニング・ポイントになっちゃってますね、やっぱり。
 伊藤和明さん(地震災害・防災)や、「ニュースToday」時代もヨーロッパ総局長時代も見たことないのに「ザ・ホワイトハウス」監修で「誰?」と思われていそうな平野次郎さん(国際情勢・欧米)、「メタルカラー」で一躍有名になった山根一眞さんが「ミッドナイトジャーナル」キャスター時代に「カワソウさん」という愛称をつけた河崎曽一郎さん(現代日本政局)、小林和男さん(国際情勢・ロシア)、山田伸二さん(経済)、持田直武さん(国際関係・アメリカ)……などなど、いろんな路線があったはずなのに、なぜ(苦笑)。
 ……それでも今日のは、池田弥三郎さん(故人・慶応大学教授)の路線に近づいたかしら(笑)。

 言ってる側からぶち壊しにしてしまうのは性分です(苦笑)。

テロ厳戒中…英独首脳受難 「粉爆弾」 平手打ち【西日本新聞 /Yahoo】
 【パリ20日坂井政美】英国とドイツの両首相が、相次いで「粉爆弾」や平手打ちを受けるという災難にあった。両首相ともけがはなかったが、テロ厳戒中でのハプニングだけに警備の在り方が問われそうだ。
 英国のブレア首相は十九日の英下院で答弁中、傍聴席から飛んできた紫色の粉末が入った袋が背中に当たった。議事は一時中断し、全議員が避難する騒ぎとなった。
 粉は着色した小麦粉とみられるが、警察は袋を投げた男性二人を逮捕した。二人は離婚した父親が子どもに面会する権利を訴える市民団体のメンバーで、「父の日を前に抗議行動をしたかった」と話しているという。
 英下院では、有毒物質を投げ込むテロに備え、傍聴席と議場を仕切るガラスの仕切りを設置したばかり。二人は仕切りのない議員招待の傍聴席から投げ込んだ。英メディアは「サリンや炭疽(たんそ)菌だったら、取り返しがつかない事態になった」と警備の甘さを批判した。
 一方、ドイツのシュレーダー首相は十八日夜、同国南西部マンハイムで開かれた与党・社会民主党の集会で、新党員にサインをしている最中、失業中という地元の五十二歳の男性にいきなり顔を平手でたたかれた。ほおが赤くはれたという。
 警備員が男性を取り押さえ、警察に引き渡したが、動機については黙秘。同日、釈放された。
 ドイツでは、景気停滞で失業者が増えているが、失業手当削減など首相の経済対策への不満が高まっていたことが背景にあるようだ。(西日本新聞)
[5月21日2時22分更新]
 これ、確かにただの小麦粉だったから良かったものの、モノがモノだったらおおごとになっていた危険はありますが……。イギリスBBCは、議会は開かれた場所でなければならず、今回の事件で「安全のための」仕切りが増える結果は好ましくない、と論評しています。
 いつテロの対象になるか分からない首脳の保安対策は、とにかく隔離してしまえばいい独裁国家と違って、民主国家では「開かれた」状態で守らなければならないだけに、警備の難しさはあります。逆にいえば、安全のためと称してムヤミに壁を作って市民との接触を減らすのは、安直な独裁国家の臆病な独裁君主のすることで、民主国家ではジレンマに悩みながらやらなければならないはずなんですが……。
 台湾では厳戒態勢のもと、総統の就任式が行われましたが、厳戒態勢とはいえ、映像を見ると雨の中ずぶぬれになっていました。「三軍の司令官」であれば当たり前でしょうが、いつもコギレイな花瓶を背景に会見する首相はやっぱりレベルが知れているということでしょうか。

 つづいて、 「なんとかなさいよ! あんたが作ったんでしょ! 最後まで責任とりなさいよ!!」 とキレたくなるようなニュース。

米軍がチャラビ氏宅捜索 銃口突き付け書類押収【共同通信 /Yahoo】
 【バグダッド20日共同】イラク駐留米軍とイラク警察は20日、暫定統治機関、統治評議会メンバーのアハメド・チャラビ氏のバグダッド市内にある自宅と、同氏が代表を務めるイラク国民会議(INC)本部を家宅捜索し、警備員3人を拘束、コンピューターや書類などを押収した。
 旧フセイン政権崩壊後、米国防総省は一時、チャラビ氏を有力な後継指導者とみなしていたが、同氏は最近、米国のイラク統治を批判しており、INCスポークスマンは「政治的圧力だ」と反発した。
 チャラビ氏の側近によると、米兵はチャラビ氏の頭部に銃口を突き付け、米国批判をやめるよう脅したという。
 警察は捜索の理由として、逮捕状の出ている人物の所在確認を挙げ、警備員3人が許可を得ずに武器を持っていたとして拘束したという。
 チャラビ氏は主権移譲後も米軍が治安権限を維持することに反対。主権移譲後の暫定政権のメンバー選出を進める国連のブラヒミ事務総長特別顧問を批判するなど、米国、国連との対立が目立っていた。(共同通信)
[5月21日0時31分更新]
 もう収拾つかないんじゃないかと……。
 ロイター電は当のチャラビ議長のコメントをそのまま伝えています。

【ロイター=バグダッド発・米国東部時間13:02(日本時間02:02)
U.S. Troops, Iraqi Police Raid Chalabi's Home and HQ
Thu May 20, 2004 01:02 PM ET
By Luke Baker
BAGHDAD (Reuters) - U.S. troops and Iraqi police raided the home and party offices of Governing Council member Ahmad Chalabi on Thursday, taking computers and private files from the man once considered Washington's top Iraq ally.
An Iraqi judge, Hassan Muathin, said the raid was carried out under an arrest warrant for several men wanted for stealing state-owned vehicles, but Chalabi accused U.S.-led authorities running Iraq of a "targeted attack" against him.
Squads of soldiers and police sealed off the neighborhood around the headquarters of the Iraqi National Congress (INC) and a nearby house used by Chalabi, removing computers, files, a copy of the Koran and other personal items, Chalabi said.
"I was asleep, I opened the door and police came into my home carrying pistols," a clearly furious Chalabi told reporters. "They went through the rooms and I told them to get out, but they said they were slaves under orders."
No one was arrested in the raid, which occurred only two days after U.S. officials said the Pentagon had cut off about $340,000 a month in funding to the INC -- payments that were made in part for intelligence gathered by the party.
STANDOFF WITH U.S.
Chalabi, a former exile who returned to Iraq after Saddam Hussein's overthrow and was viewed by some in Washington as a possible leader, said he believed the raid had been carried out because of his deepening standoff with U.S. authorities.
He has been at odds with Washington over a number of issues, including exactly how much power would be handed to Iraqis when the country regains sovereignty on July 1.
"Let my people go. Let my people be free. It is time for the Iraqi people to run their affairs," said Chalabi.
He accused Iraq's interior minister, a former member of the U.S-appointed Governing Council, of being behind the "spurious warrant."

 チャラビ氏に対してさえ、「アメリカの傀儡」として支持が急降下していて、先行きが懸念されていたのに、そのチャラビ氏を米軍が敵視して取り調べするという事態です。
 「スケジュールどおりの権限委譲」どころか、誰に委譲するのかさえ見えなくなってきている最中に、ここまでやってしまうのは、アメリカの場当たり的対応と評するよりも、「八方ふさがり」で政略も何もたてられなくなっているのではと疑うほかありません。

【ロイター=ラーファ発・米国東部時間15:07(日本時間04:07)
Israel Defies World Outcry, Expands Gaza Offensive
By Nidal al-Mughrabi
RAFAH, Gaza Strip (Reuters) - Defying international fury and a rare U.S. rebuke, Israel expanded its bloodiest Gaza Strip raid in years Thursday after killing 41 Palestinians in three days of fighting in the Rafah refugee camp.
Tensions rose further after a Tel Aviv court convicted Palestinian uprising leader Marwan Barghouthi of murder, drawing vows of defiance from a firebrand widely seen among Palestinians as a possible successor to Palestinian President Yasser Arafat.
"So long as occupation continues, the Intifada (uprising) will not stop," Barghouthi, 44, said after the verdict in a case Palestinians condemned as a show trial. "As long as Palestinian mothers are weeping, Israeli mothers will also weep."
The U.N. Security Council urged an end to violence after Israeli forces killed 10 Palestinians at a peaceful protest on Wednesday. Troops said they did not aim to hit the rally.
Reflecting its displeasure, the United States, Israel's chief ally, allowed adoption of the U.N. resolution by abstaining rather than using its veto. President Bush urged restraint from the Jewish state.
Senior U.S. officials kept up pressure by urging Israeli counterparts wrap up the 3-day-old raid as quickly as possible, an Israeli political source said.
But the army, which stormed the Rafah camp after losing 13 soldiers in Gaza ambushes last week, forged ahead Thursday.
Troops pushed into Rafah districts on the border with Egypt, where the army says it is searching for tunnels used to smuggle weapons for a Palestinian revolt since 2000.
Residents said troops knocked down a small zoo, a rare place of amusement for refugee children. Palestinian boys were seen chasing a bewildered-looking ostrich through the streets.

 「インティファーダ」にuprising(決起、反乱、暴動)という訳語があてられていますが、これは日本語のようにカタカナで書いておいて「住民蜂起・抗議行動」と註をつけたほうが明瞭だと思います。暴動ではありますが、圧倒的軍事力による占領下にやむなく立ち上がる行為を「反乱」と訳してしまうのには抵抗がありますから。もちろんその点を考慮して、ロイター電はアラビア語の原語を定冠詞つきで書いてからカッコ書きしています。
 ましてや、「テロ」と一緒くたにしてしまうのは、言葉の魔術による「すり替え」に近い、完全な事実誤認と言わなくてはなりません。
 とくに今回は国連安保理決議が採択されるほどの事態です。通常ならイスラエル支持に回って拒否権を発動するアメリカでさえ、今回は棄権が精一杯だったのは、国際メディアの報道が厳しく、いくらなんでも擁護できなかったと見られます。

 日本語メディアでは、明日の「首脳会談」をさかんに取り上げてますが、北朝鮮のほうが外交上手に見えるようなこの数年ですから、拉致問題に限らず国際社会が懸念している核問題を含め、「会談がうまく行かなかったら帰国に及ばず」ぐらいの、それこそ「特攻隊の気持ちになって」片道切符のつもりで行ってほしいものです。
 安全な国内でだけ気勢を挙げるのは簡単なことですから、外交の場で冷静にしかし確実に成果を取ってくるという気迫が求められるでしょう。そこの執念としたたかさを持てないなら、首脳外交ではなくて「朝貢」になってしまいます。
 ネオコンよろしく強硬な姿勢に固執して物別れなら勝手にやる、というわけにはいきませんから、言いたい放題でサヨナラでも困りますが、前回のように向こうのインパクトに押されて帰ってくるのも情けない話です。言うべきは言う、確認すべきは確認する、その上での合意を形作っていくという情熱と冷静な思考が求められます。
 冷静に考えれば、「時間」のプレッシャーがあるのは北朝鮮のほうですから、日本の国益から見れば、検討もせずに慌てて「共同宣言」に持ち込む必要はないはずです。こちらは独裁国家ではないことになっていますから、「そのような曖昧な回答では、持ち帰っても国民が納得しない、とても説得できない」という泣き言を使って保留にするのも外交テクニックです。
 首脳外交は、文字通りのトップ会談ですから、その場での決断を求められる面はあります。事務レベルの協議を積み上げていって、最終確認で調印するのとは違うだけに、ハードな側面はあります。そのリスクは覚悟の上で臨むんですね、という点はいくら確認しても足りません。支持率稼ぎで行けるようなハンパな仕事だと思われては困りますから。
 しかし、それでも最終的には国民の代表として行くんですから、どうにも相手方の対応が納得できないなら、「国民の理解を得られない」と逃げることが政治責任を果たすという、一見矛盾するように見える貫徹の仕方があります。単細胞思考では矛盾に見えても、高度な国際政治の眼で見れば一貫しているのです。これはギリギリの逃げですから、多用できない荒業ですが、しかしクリティカルな運命の分かれ目では逃げるが勝ちということもありえます。
 それほどシビアな話であることを考えると、ギリギリどうなるかという場面で「首脳外交」を多用するのも考え物ではあります。外交ルートを通じて普段から意思疎通をしてあって、念押しで行くのなら、ここまで厳しい話にはなりません。外交ルートがないだけに「首脳外交」の切り札を使うしかないわけですが、ここには「鶏が先か卵が先か」に近い問題がありますね。


>はるかさん
> ※〜受験生の皆さんへ〜
 元明天皇〜称徳天皇、光仁天皇あたりまでは入試でもこまかく年号を聞いてくるところ。年もしっかり覚えましょう。769年の宇佐八幡宮神託事件以外にも701年大宝律令成立・718年養老律令成立757年施行・723年三世一身の法・729年長屋王の変etcetc
 (笑)。
 藤原不比等(ふじわらのふひと)が出てきましたか(笑)。
 ウチでえらくお勧めしている『毒の文化史』で、聖武天皇が「薬に詳しいお坊さんを連れて来い」と本国指令が飛んで、鑑真が招聘されることになる流れについて、聖武天皇が虚弱体質で、皇后・光明子に対する「健康上のひけめ、プラス不比等の政治力に対するコンプレックス」 を挙げています。
 聖武天皇没後に作られた正倉院に、各国由来の薬物が大量に納められたのもそのためだといいます。正倉院の薬物は、後世の私たちにとっても貴重な資料ですが、「なんだか薬やけに多いなあ」と思うのも、そういう理由があるんでは、と言うんですね。
 「三世一身の法」は、さらに下って「墾田永年私財法」に至る流れで見ると分かりやすいかもしれません。「開拓しろ、田を作れ」と号令をかけても動いてくれないので、「作った田は自分のものにできるぞ」とアメを与えてみた。「3代まで」の限定でも私有財産を認めたのは大きかったのに、それでもまだ足りないので「えーい、持ってけ♪」とばかりに「ずーっと自分の財産になるんだから、開拓してみない?」と誘ってみた、と単純化して見ると流れは分かるかも。
 もちろん副作用はあって、人も土地もすべてが共和国の国有財産朝廷のものだといっていたのを、「うまく行けば自分のモノになるかも」と認めてしまったので、全国をあまねく支配するシステムが崩壊してしまったんですね。
 このあたり、日本史だけでなく、現代世界情勢でも似たようなことはあって、「歴史は繰り返す」とはよく言ったものだと思わされますが……。ソ連における「コルホーズ」、中国での「人民公社」など、社会主義システムで「全部国のもの」としたのが、意欲をうまく煽れなくて廃止してみたら、意欲は出てきたものの社会システムが大変革を余儀なくされた、というのと似ています。背景にある思想はまったく別物ですが、おおざっぱに見ると人間というのは変わらないものだなあと率直に思いますね。
 ついでにいうと、「意欲を煽るために」私有財産制を認めたら、今度は「うまく行った人はガンガン稼いで大金持ち、乗れなかった人は永遠に下働き」みたいに貧富の格差ができてしまうことも似ています。
 ……などと乱暴につなげてしまうと、「マルクス史観の信者?それとも逆?」と異端審問のように聞かれそうですが、史学が信仰みたいに扱われるのは問題だと思いますね。
 まあ、なんだかんだ言っても、私も日本史は苦手なので(こらこら)

2004/05/17 春歌ちゃん生誕日(1日遅れ)

 われわれの間では女性が文字を書くことはあまり普及していない。日本の高貴の女性は、それを知らなければ価値が下がると考えている(ルイス・フロイスあたりの挨拶)

 というわけで、春歌ちゃんお誕生日おめでとうございます♪

 ……昨年はドイツ語でお祝いしたんですが、もう手持ちの言語が在庫切れ(苦笑)。

 そういえば、今年はアテネオリンピックというので、そろそろそっちのニュースも増えていますが……ドイツでは戦前のベルリン、戦後にミュンヘンで開催されてますね。前者はヒトラー時代で、日本も「前畑ガンバレ」のナショナリズム全開、次に予定されていた「東京」が戦争で消し飛んでますし、後者はパレスチナ過激派による「血のオリンピック」と、縁起がちょっとアレですけど(おい)

>咲耶ちゃん(のとこの春歌ちゃん)
>■杜の奇跡に咲耶17歳として参加する模様ですわっ
> ちなみに開催場所は宮城県仙台市でございます。

 どれどれ、と手元の時刻表を見てみると……。
 0656東京発「はやて1号」0837仙台着
 上野・大宮の後は福島もすっ飛ばしてノンストップ。
 料金は……往復21,180円(片道10,590円)
 ソウル往復の格安航空券で見かけた「5月最安値:18,800円」(往復)のほうが安いっていうのはちょっと……(笑)。ロス往復33,900円というのもあるし……。


>春歌(WS)ちゃん(5月17日)
> 何だか年齢が2歳プラスされましたが、これは以前据え置きした年齢をここでまとめて加算しただけですのでv
 そんな一括償却がアリだとは知らなかった(笑)。
……って、時空転位しといて何を言うかとつっこまれそうですけれど(笑)。

>春歌(WS)ちゃん(5月16日)
> …11年も前のアルバムにインスパイアという辺りで既に訳が分かりませんけど。
 それを言われるとウチは……(苦笑)。
 挨拶とかで使う歌詞を探してて、ときどき「著作権:消滅」とかあると驚いちゃいます。
 って、調べてみると、佐藤惣之助さん(1942年没)の作詞が軒並み「消滅」してるんですね。春歌ちゃんに縁のあるところ(?)では、「六甲おろし」とか……作曲は古関裕而さんだから著作権生きてますけど(笑)。
 「天国に結ぶ恋」(♪ふたりの恋は清かった)が5月だからって、あれからインスピレーション(「鬼平犯科帳」のEDじゃなくて)受けたら危なくて仕方ないかも(こらこら)
(追記)
 「ネタ投票結果」については、先日リファラで「shugiin.go.jp」を見かけたのでノーコメントの方向で(苦笑)。

2004/05/14 今は昔

 ♪利子さんはマネーに明るいおりこうさん♭(バブル前だったかしら?と記憶が曖昧なCMあたりの挨拶)

 中期国債ファンド、略して「中国(チュウコク)ファンド」が、安心・確実・高利回りともてはやされたのはもう昔の話ですね。
 年7.2%で「所得倍増」どころか、税引前に8%で複利の「定額貯金」も、いまでは2桁違いますから、「人類は月に行ったんだよ」と同じぐらい昔すぎて信じてもらえなさそうです。
 ひさびさにラテ欄に……行く予定でしたが、外電が割り込んできましたので先に。

【ロイター=フィラデルフィア発・米国東部時間15:06(日本時間04:06)
Berg Died for Bush, Rumsfeld 'Sins' - Father
Thu May 13, 2004 03:06 PM ET
By Jon Hurdle
PHILADELPHIA (Reuters) - The father of Nick Berg, the American beheaded in Iraq, directly blamed President Bush and Defense Secretary Donald Rumsfeld on Thursday for his son's death.
"My son died for the sins of George Bush and Donald Rumsfeld. This administration did this," Berg said in an interview with radio station KYW-AM.
In the interview from outside his home in West Chester, Pennsylvania, a seething Michael Berg also said his 26-year-old son, a civilian contractor, probably would have felt positive, even about his executioners, until the last minute.
"I am sure that he only saw the good in his captors until the last second of his life," Berg said. "They did not know what they were doing. They killed their best friend."
Two days after the publication of a video showing the execution of his son by five masked men, Berg attacked the Bush administration for its invasion of Iraq and its sponsorship of the Patriot Act, which gives sweeping powers of surveillance to the federal government.
Berg described the Patriot Act as a "coup d'etat." He added: "It's not the same America I grew up in."
The criticism came amid finger-pointing between Berg's family, U.S. military officials and Iraqi police over the young businessman's imprisonment before his execution.
Michael Berg rejected U.S. government claims that his son had never been held by American authorities in Iraq. The Iraqi police chief in the city of Mosul has also contradicted statements by the U.S.-led coalition concerning the younger Berg's detention.

'FBI CAME TO MY HOUSE'

"I have a written statement from the State Department in Baghdad ... saying that my son was being held by the military," Berg said. "I can also assure you that the FBI came to my house on March 31 and told me that the FBI had him in Mosul in an Iraqi prison."
Dan Senor, spokesman for the Coalition Provisional Authority, said this week that Nick Berg was arrested in Mosul by Iraqi police on March 24 and released on April 6.
Senor said the FBI visited Berg three times during his detention by Iraqi police and determined that he was not involved in criminal or terrorist activities.
Brig.-Gen. Mark Kimmitt, the top U.S. military spokesman in Iraq, said American military police had seen Berg during his detention to make sure he was being fed and treated properly.
Berg returned to Baghdad from Mosul in April and went missing on April 9, during a chaotic period when dozens of foreigners were snatched by guerrillas west of the capital.
His body was discovered by a road near Baghdad on Saturday. The video of his decapitation was posted on the Internet on Tuesday.
Berg had been in Baghdad from late December to Feb. 1 and returned to Iraq in March. He did not find work and planned to return home at the end of March, according to his parents.
Berg's communications to his parents stopped on March 24 and he told them later he was jailed by Iraqi officials after being picked up at a checkpoint in Mosul.
On April 5, the Bergs filed a lawsuit against the U.S. government, naming Rumsfeld and alleging their son was being held illegally by the U.S. military in Iraq. The next day, he was released. (additional reporting by Maher al-Thanoon)

 殺害されたアメリカ人の父親が、ブッシュ・ラムズフェルドのせいで息子が殺されたと強く非難したと伝えていますが……。
 日本の政治屋さんは、ブッシュに忠実な飼い犬として、この被害者の家族に対しても「反米的分子」と罵声を浴びせるのかしら? と、やっぱり「日はまだ沈む」の方向に連想が飛んでしまいます。
 実際、ロイター電の見出しを読んだときは、「さすがアメリカ」とも思いましたが、ここまで露骨に書いちゃって大丈夫かしら、と余計な心配もしちゃいました。ロイターの独立の原則はあるんですが、内容はともかく、随分ハデな見出しだなあと。
 縁起でもない「最悪の事態の想定」ですけれど、もし仮に、ボランティアではなくて職務でイラクに行っている日本人が、自衛隊がらみで惨殺されたとして、家族が「小泉のせいだ」と非難したら、と想像してみると……。現在の日本は、欧米型の自由(最近問題多々あるにしても)よりも、よっぽど旧ソ連やフセイン政権下のイラクに近いのでは?とさえ思います。

 ドナルド君に追い討ち。

【ロイター=ワシントン発・米国東部時間14:10(日本時間03:10)
U.S. Missile Shield Won't Work, Scientist Group Says
Thu May 13, 2004 02:10 PM ET
By Jim Wolf
WASHINGTON (Reuters) - The multibillion-dollar U.S. ballistic missile shield due to start operating by Sept. 30 appears incapable of shooting down any incoming warheads, an independent scientists' group said on Thursday.
A technical analysis found "no basis for believing the system will have any capability to defend against a real attack," the Union of Concerned Scientists said in a 76-page report titled "Technical Realities."
The Pentagon's Missile Defense Agency rejected the report, whose authors included Philip Coyle, the Defense Department's top weapons tester under former President Bill Clinton from 1994 to 2001.
"Even the limited defense we are mounting provides a level of protection against an accidental or unauthorized (intercontinental ballistic missile) launch or a limited attack where we currently have no protection," said Richard Lehner, an agency spokesman. "It would be irresponsible to not make it available for the defense of our nation and our people."
Sen. Carl Levin of Michigan, the senior Democrat on the Senate Armed Services Committee, concurred with the report's findings. The Bush administration should stop buying missile-defense interceptors until they are proven to work through "combat-realistic" operational tests, he said in a statement.
The first U.S. deployment involves 10 interceptor missiles to be stored in silos in Alaska and California. The initial goal is to protect all 50 U.S. states against a limited strike from North Korean missiles that could be tipped with nuclear, chemical or biological warheads.

 ラムズフェルド提唱の「ミサイル防衛」に対して、「現実問題、役に立たないだろう」というレポートが出てきました。
 ただし、大統領選挙がらみの政争の面もあるようですから、割り引いておく必要はあるでしょうが、それにしても、"Technical Realities"というタイトルも刺激的ですし、まさに選挙のなかで焦点になってくるのは確実と見られます。


 今日はいったい何なんですか〜? と聞きたくなるような至急電が相次ぐ金曜日の午後。

小泉首相が22日に北朝鮮を再訪問【ロイター /Yahoo】
 [東京 14日 ロイター] 細田官房長官は午後の記者会見で、小泉首相が5月22日に北朝鮮の平壌を訪問し、金正日総書記と会談を行うと正式発表した。
 「今回の訪朝は、日朝平壌宣言を履行していくことを改めて確認し、日朝間の信頼関係の回復を目的としている。首相としては、日朝平壌宣言に沿って、拉致問題を含む日朝間の諸問題、核問題をはじめとする安全保障上の諸問題を包括的に解決したうえで、北東アジア地域の平和と安定に資する形で日朝国交正常化を実現したいと考えており、こうした基本方針に基づき、首脳会談に臨む」と発表した。
 首脳会談については北朝鮮側も合意しており、発表が行われる予定だという。
 また、細田官房長官は、「一昨年9月に小泉首相が訪朝して1年8カ月経過し、その間、大きな進展はみられなかった。今回の訪朝によって事態が進展するよう期待する」と述べた。
ただ、「首相の訪朝は拉致家族の帰国問題で前進があるということなのか」との再三の質問に対して、官房長官は、「交渉の内容、中身を予測して申し上げることはしない」としたが、「首脳会談が行われるということで、前進を期待することは当然できると思う」と述べた。
 さらに、記者団からは、「(死亡や行方不明とされた)10人の真相解明にも進展がみられるのか」、「逆のリスクもあるのではないか」など様々な質問が飛び交ったが、官房長官は「意見を受け止める」と述べるにとどめ、交渉の中身については、「首相が訪朝し、直接話をして、その結果を報告したい」と語った。(ロイター)
[5月14日17時25分更新]

<小泉首相>計6年11カ月間年金未加入を明らかに【毎日新聞 /Yahoo】
 飯島勲首相秘書官は14日夕、首相官邸で記者会見し、小泉純一郎首相に国民年金保険への未加入期間が計6年11カ月間あることを明らかにした。(1)80年4月〜86年3月までの6年間(2)69年8月〜70年3月までのロンドン留学から帰国後の8カ月間(3)62年1月〜3月までの大学受験浪人中(予備校生)の3カ月間。(1)の期間はすでに衆院議員に当選していたが、国民年金への加入が国会議員にも義務付けられたのは86年4月から。飯島秘書官は「任意加入だったため、加入しなかった」と説明、「未納」ではないと強調した。(毎日新聞)
[5月14日17時55分更新]

 さすがに2つをリンクさせて陰謀論に持っていくつもりはないですが……(苦笑)。
 なんだか報道対策として、大きなニュースと抱き合わせにして、いっぺんに早口でまくしたてておけばごまかせる、とか思ってないでしょうね? と、分かっていてもあえて意地悪な質問をしたくなります。


總統槍撃案曙光乍現【聯合報(台湾・繁体字中国語)
高雄市警察局刑警大隊偵二隊六分隊,昨晩在高雄縣市逮捕販賣毒品的PUB負責人張銘俊和員工林家漢,起出一把八釐米手槍、一枝九釐米槍管、子彈33發,九釐米槍管有火藥殘留。由於張曾在台南市西門路經營PUB店,與319總統槍撃案有地縁關係,且張於319後轉往高雄,警方強烈懷疑他及林家漢渉及槍撃案,已深入訊問,並將槍管等物送刑事局化驗,比對彈道。
(一部日本語コードにない文字を削除・改めました)

 あの台湾総統選挙の前日の狙撃事件について、容疑者を逮捕、拳銃などを押収し弾道検査へ、という台湾発の至急電です。
 台湾現地のテレビが速報で伝えたようですが、新聞・通信社ではまだ「ウラがとれない」という判断か、あまり大々的に扱ってはいません。どちらかというと死活問題?の「日本円、円安続く」が大問題になっていたり、「日本政府證實首相小泉二十二日訪問北韓」(中央通訊)などと打電しています。


 今日もABC「ナイトライン」は、やはり「虐待」問題を取り上げていますが、くどいほどあらゆるゲストに「許されない」ことを問い詰めています。
 日本のメディアであれば、一般論として「許されないことだ」と言わせるか、あるいは感情的に「むごたらしい」とだけのコメントで済ましていられるところでしょうが、ここの違いが欧米メディアの健全なところであり、知性の証拠ではないかとさえ思います。
 というのは、「虐待はヒドイ」とコメントするのは、ハト派・タカ派を問わずどんな立場でも気楽に言えることですが、ABCのキャスターは、「もし同時多発テロが再発するような危険があって、その情報を得るために必要だとしても、やはり同じ意見ですか?」と問い直しているんです。「同時多発テロの再発防止のためでも、それでも拷問や虐待による尋問は許されないんですね?」と、ズバリと斬り込むのはさすが、と唸ってしまいます。
 かなり意地悪な質問で、日本の頭の悪い政治屋さんだったら逆ギレしそうですが、これが「グローバル」「普通の国」の正常な感覚です。

2004/05/13 原告は文明である

 世の中で、最もよい組み合わせは力と慈悲、最も悪い組み合わせは弱さと争いである(イギリスを強い指導力で救った首相あたりの挨拶)

 ここから「抑止力としての軍事」、つまり使わないことを前提とする思想に持っていくこともできるでしょうが、それ以上に、「弱いから争いを起こしたがる」あるいは「力があるのに慈悲がない」といった、あまりにもありふれている出来事への警鐘を読み取るべきでしょう。
 「われわれは海岸でも、上陸拠点でも、野原でも、路上でも、丘陵でも、どこででも戦う決意がある」と悲壮な決意を表明したぐらいですから、よく言われる「理想的平和主義」なんて生易しい主張の持ち主ではない人ですが、その人でさえ、弱さと組み合わさった争いは最悪だと言っているのです。後ろにいて進め進めと威勢のいい号令さえかけていれば、結果はどうなろうと自分だけは安全な人とは、どうしてもレベルの格差を感じてしまうところです。
 さて、「唯一の超大国」と持ち上げられ、「世界の警察」を名乗るアメリカですが、そのパワーを思う存分使った割には、「弱さと争い」で進退窮まっているようです。
 アメリカABCテレビ「ナイトライン」も連日、錚々たるゲストを呼んでイラク虐待問題を取り上げています。タカ派を自称する議員や軍関係者でさえ、今回の事件は修復できない打撃だと述べています。

 ……えと。
 昨日からものすごい勢いでアクセスが増えていて、この視聴率急増は何かと思ったら「アメリカ人 殺害」関連の検索でお越しのようです。
 ウチは外電については、日本語メディアが先に伝えていればヘッドラインの速報では取り上げないという方針なので、なぜ?と思ったんですが、今回ビデオ映像が流された事件ではなくて、前のファルージャでの殺害事件が検索にヒットしているようです。

 リクエストにお応えして、といえるほど材料はないんですが……。
 「イラク人捕虜虐待問題」で、せっかくアメリカ非難の火の手が上がったのに、残虐なアメリカ人の殺害映像で、いわば「帳消し」「喧嘩両成敗」になって逆効果じゃないかという見当違いのコメントもあるようです。
 実際、アメリカのメディアでも、民間人が虐殺される映像の衝撃で、イラク捕虜問題が一時的にかすんでしまったという見方はあります。しかし、そこは極東の不思議の国とは大違いで、一時の衝撃が収まってからは「それとこれとはやはり別問題」と引き続き「なぜ捕虜を虐待してしまったか」システムの検証を再開しています。
 もうひとつ、冷静に考えて「この民間人殺害で誰が得をするか」という点、これは日本人が一番苦手な思考法ですが、今回アメリカ人を殺害した犯行グループがアルカイダ系統と言われることを考えると、「帳消し」でも目的は達成していると考えられます。
 単純な「イラク対アメリカ」の二者対立だけで考えると、アメリカによる捕虜虐待という「せっかくの敵失」を活用すればよかったのに、と思われがちですが、そこにはアルカイダとイラクの関連についての検証が抜け落ちています。イラクとアルカイダをイコールで結びたがるのは、アメリカ同時多発中枢テロでのブッシュ発言にも見られる発想ですが、そう単純な構図ではありません。
 もともと、オサマ・ビン・ラディン氏がソ連のアフガニスタン侵攻に対して、西側の支援を受けていたというぐらい、「昨日の友が今日の敵」になっています。お気楽な人は「150年にわたって友好関係」なんて言い放ってしまいますから、ナントカにつける薬はないということになってしまいますが、それは論外として……。
 当のアメリカ・イギリスの情報当局が、アルカイダが狙っているのはイラクの内戦状態だと分析しています。反米だから、アメリカの失敗をなるべく大きくアピールすればいいのに、というのはイラク対アメリカの二つしか見えていないからで、実はアルカイダそのものは決して「イラク側」とは言いきれません。
 サダム・フセイン政権当時でさえ、アルカイダとのつながりは不透明だったのを、ほとんど無理矢理つなげて戦争に持っていったのを「全面的に支持」してしまった平和ボケな人には難しいかもしれませんけれど、アルカイダが混乱を狙う根っからのテロリストと考えれば、イラクの安定が彼らにとってプラスかどうかは分かるのではないでしょうか。混乱を望む勢力にとっては、誰が得をしようと関係なく、安定そのものを敵視します。
 まして、「紆余曲折はありましたが、アメリカ主導で安定に持ち込みました、めでたしめでたし」では、反米テロリストは結果を受け入れられないでしょう。アメリカ主導で戦争をやっても最終的にはなんとかなった、という「実績」「前例」を恐れるわけですから、とにかく混乱を長引かせてアメリカ主導はうまく行かないんだという方向に持っていきたいと見れば、今回の民間人殺害も別の側面が見えてくるのではないでしょうか。
 当事者のイラク市民にとっては迷惑この上ない話ですが、紛争を輸出したいテロリストがそこまで親身になるとも考えられません。「アメリカ憎し」の声はテロリストにとっても追い風ではありますが、それを利用することはあっても、それに縛られて行動を謹むような良識をテロリストに求めるのも、よく考えると不思議な発想です。
 この点、相次いで民間人を誘拐したファルージャ近郊の武装勢力のような、急ごしらえのローカルなグループと、全世界にネットワークを持って潜伏する国際組織は分けて考えなければなりません。追い詰められて蜂起したアマチュアと、前代未聞のハイジャック自爆テロを敢行するような超A級のプロを一緒くたにしても事実は見えてこないでしょう。
 もし、かつてのアフガニスタンのような、アルカイダべったりの政権がイラクに作れる可能性があるなら、アルカイダもその方向で安定するように動くでしょう。しかし、現状それはどう見ても不可能としか思えませんし、仮に作れたとしても、アメリカがその気になれば簡単に破壊できることをそれこそアフガニスタンで実証済みです。そうなると、反米闘争というものの方法が、反米政権を作って意のままに動かすベストの選択ではなく、まったく逆、政権のない無法地帯で混乱が続くベターの方向に持っていきたいという戦略が出てきても不思議ではありません。
 繰り返しますが、イラク市民にとっては代理戦争もいいところで、こんな迷惑な話はありません。しかし、アルカイダが「国際テロ組織」である以上、そこに住む人も紛争の道具としか見ないのは、超大国と変わりはありません。
 もう一つ見ておかなければならないのは、仮にイラクでアメリカ主導でない民主的な政権ができた場合のイメージです。アメリカ主導でなく、数の力で政権ができるとすると、どんなものになるか。言い換えればアメリカがイラクを見棄てて放置したときに、どんな勢力が政権につくかの予想図ですが、シーア派が多い地域ですから、隣のイランのような政権ができる可能性があります。もちろんアメリカや周辺アラブ諸国が望まない事態ですが、ではアルカイダが喜ぶかというと、そうではありません。ここでは意外にも利害が一致してしまうんですね。
 つまり、アフガニスタン・タリバン型の政権ならともかく、それが期待できない以上、どんな形でもイラクに政権ができあがってしまうことは、アルカイダ一派にとって許せないことなのです。安定した情勢そのものを憎むわけですから、イラク市民が最も望む「混乱の早期収束」こそが、アルカイダの敵視するところとなります。
 こういったとき、「敵の敵は味方だろう」と簡単に考えるわけにはいかない、複雑怪奇なパワーバランスが、現実の世界にはあるのです。前回の湾岸戦争で、どちらにも味方せずに沈黙を守ったイランが「悪と悪の戦争」と決め付けたように、どこが勝っても自分の勢力にはマイナスという突き放した戦略的思考が、冷酷ですが確実に存在しています。

 さて、民間人殺害があったからと「相殺だ」と放置できる不思議の島国とは違って、当のアメリカでは、他国に責められるから問題なのではない、自分たちが標榜してきた理想を破壊するからこそ問題なのだという冷静な分析が出ています。
 民間人が殺害された映像の衝撃で、国際社会が忘れてくれれば終わり、他人から責められなければ結果オーライとは言えないところに、あれだけムチャクチャな戦争をやってもまだモラルが残っている健全さが垣間見えます。このモラルの部分については、バレなきゃいいと言わんばかりの国民的熱狂を作りたがる不思議の国とは、やはり超えられない壁があると言わなければならないでしょう。
 捕虜の扱い方自体を知らず、捕虜どころか自分の軍民にも補給ができないようなムチャな戦争をやってしまった暗黒の歴史はもはや問題外ですが、今回のアメリカは侵攻作戦で、しかも圧倒的な戦力差によるワンサイドゲームのはずでした。それが、予想外にも――大方の冷静な分析によれば予想通りですが――フセイン政権の排除は実現できたものの、そこから事態を終わらせるのに悪戦苦闘している。簡単に終わるつもりで戦場に赴いた末端の兵士にとっては、話が違うと言いたくなるところでしょう。
 こういう終わりの見えない状況で、しかも進攻真っ最中のような派手な戦果もない、その上ワンサイドゲームで壊滅的に負ける危険もない、となると、虐待の条件がすべて整ったようなものです。これは別にイラク戦争の戦場に限ったことではないんじゃないか、陰惨なイジメが発生する条件として、常日頃から考えておかなければならないところですが、それはともかくとして、これを止められるとすれば個の持つ「殺すなかれ」の良心か、明確な禁止命令しかないでしょう。ところがそのうち前者は戦場という異常な状況下で破壊されている、後者は報道によれば命令が曖昧だったということですから、止められるはずがないと言わなければなりません。
 しかし、現場では「起きて不思議ではない」現象であっても、後方や周辺が許せるかどうかはまったく別問題です。
 話ずれますが、ここは警察と軍隊の大きな違いでもあります。つまり、警察においては、「セキュリティ・ミニマム」と言うように、力の行使は必要最小限度に留めなければならない、たとえ武器を使用するにしてもやむを得ない範囲で止めるのが根本理念とされますが、軍隊では、最少の武器によって最大の殺戮を行うことがむしろ推奨されます。侵攻作戦中はそうでなければ戦えないでしょうが、問題は「戦闘終結」後の平和維持と再構築の場面でも、この殺戮を任務とする発想が抜けないことです。
 個々の良心を重視する欧米でも、軍隊である以上、個人の良心によって作戦行動が左右されるようではかえって困りますから、今回のような負の事件についても、個としての良心に責任を押しつけて終わりとするわけにはいきません。システムとして見直さなければどうにもならない、という反省論が、当のアメリカから沸きあがってくるのはこのためです。
 負けた側は、何をやってもある程度大目に見られるところがありますが、勝った側はより高い自制が要求されます。しかも戦闘が終結したはずの場所で、解放者を自称しているわけですから、負けた側が民間人を誘拐し殺害するという卑劣な行為よりも、さらに大きな非難を浴びるのも当然です。まさに解放を唱える側のレベルが問い直される事態が、現在進行中であるというほかありません。

 ところで、話は変わりますが……。
 攻め込んでいって、抵抗を排除するところまでは、撃って撃って撃ちまくるという軍隊の仕組みは、目的そのものに適ったものですが、戦闘が一段落してから問題になるのは、こういった平和維持活動に限りません。
 「反政府デモと軍隊が衝突、死者何名」という外電は珍しくもありませんが、普段殺傷を中心に訓練している軍隊を、いくら反政府デモとは言っても自国の市民に向けてしまうと、起こるべくして起こる悲劇なのではと思います。
 文民警察というのは、指揮官を気取りたい日本の平和ボケ勢力には受けが悪いのですが、安保騒動でも学生運動でも、やはり自衛隊を使わずに、通常のセキュリティ・ミニマムの原則で訓練された警察力で抑えこんだことは、日本の戦後史の中でもっと評価すべき点ではないでしょうか。
 これを外にもっていって安全が保てるかどうかとなると、また別の問題はありますが、重武装で殲滅するという任務を持った「軍隊」よりも、かえって行った先の住民から危害を加えられにくいメリットも否定できないはずです。
 もっとも、昨今の不祥事やら、検挙でのムチャの仕方を見ると、日本の警察も、いまや本来のセキュリティ・ミニマムの理念を保っているかどうか、不安はありますが、それでも、殲滅を目的とする軍隊と違った役割は果たせるのではないでしょうか。
 この虐待問題が明らかになる前から、イラクの治安悪化について、イラクの警察を解体したのは戦略的に間違いだったと言われます。警察も治安と称して弾圧を行っていた以上、「解放」するアメリカとしては徹底的に解体するしかなかったとも言えますが、しかし手持ちの自前の軍事力だけで日々の平穏まで守りきれるはずがなかったという反省はありました。せめて国境だけでも守らせておけば、越境してくるテロリストに対して有効だったのではという指摘もあります。
 進攻作戦で敵を壊滅するには、圧倒する武力が必要です。しかし、燃料気化爆弾やバンカーバスターのようなハイテク兵器は、頑強な敵軍隊に対しては有効であっても、一人で突っ込んでくる自爆テロにはほとんど無力です。
 国と国の対立であれば、最終兵器である核兵器のように、相手を完全に壊滅させる威力によって牽制すること(「相互確証破壊」の思想)もある程度までは有効ですが、破壊したところを占領して治安を保つ場面では、そんな大きな兵器は何の役にも立ちません。むしろ、反感をかわないように、最小限度の実力行使で抑え込んでいくほうに方針転換をして、いずれはその地域の人々が自力で治安を守れるように持っていく戦略が必要になるはずですが、進攻作戦の頭からの切り替えにはまだ時間を要するのでしょうか。

 やや不穏当な表現かもしれませんが、破壊だけならアルカイダでもできるのです。破壊した後の再建こそが、文明の側の責任であり、文明の側の自らのレベルが試される正念場と言わなければなりません。

2004/05/12 経験値とフラグ

 困ったときの広辞苑。(岩波書店初のテレビCMあたりの挨拶)

 「年金未納」問題がじゃかすか出てきて、「慙愧(ざんき)に堪えない」というお決まりのフレーズもよく聞かれるような昨今。かつてのリクルート事件でも聞かれたフレーズですが、どこかの空爆じゃあるまいしこう次々に出てくると呆れる以外にどうしようもないですね。
 というような、どうせ行く先焼け野原、A級戦犯目指して奮闘中みたいな政治屋さんの話は、正直お脳の悪さが伝染すると困るんで、いい加減のところでパスしたいですが(苦笑)。

 さてさて。
 衝撃の訃報で中断した昨日の話題ですが……。
 論理的思考でも、統計的調査に基づいたわけでもない、単なる連想・思いつきなんですが、恋愛ゲームで「昔の記憶がない」設定は、消費者のM1(男性20〜34歳)にとって何かの意味があるのでは、と漠然と感じたわけです。
 これを題して「ゲームに現れたる現代日本の空想の研究」……さすがにそこまで悪ふざけはしませんけど(こらこら)
 この点について、先々月に対談したはるかさんが、以前の日記で指摘されていたことが思い出されます。(アルケミスト」つながりというダジャレではありません(おい))

>はるかさん (2003/01/16『探しています』)
> どちらにしろ、日本人にとっては生も死も日常世界中での出来事。死んでも魂は「隣近所」で見守ってたり生まれ変わってたりするわけです。
> ところがこの考え方、ここ二十年くらいの間に西洋から入ってきたニューエイジ文化の影響でだいぶ傾向が変わってきてるんだそうです。
(中略)
> 完全に非日常な輪廻転生観。生まれ変わりは信じても、その行き先は前世も来世もぜんぜん日常世界内に収まっていないんです。そんなにみんなココ(日常世界)から逃げたいのでしょうかしら?

 これ、対談では、「現世イヤイヤ」という表現が印象的でしたが……。
 そこまで突き詰めて、「思想」や「宗教」には行かないにしても、あるいは行かないからこそ、本来字義どおり“サブ”であるはずのサブカルチャーが、そういう「イヤイヤ」の欲求に応えているのでは?と連想したんです。
 年金問題に差し戻しはしませんけど(笑)、先行きあまり明るく見えないぞ、というのは、多かれ少なかれ若い世代に共通している認識ではないでしょうか。もちろん、その「明暗」の程度や、深さやコントラストはそれぞれ違うとは思いますが、しかし、かつての「夢の21世紀」式の明るい未来を漠然と信じられるような空気は吹き飛んでしまっていて、多用される表現で言えば「閉塞感」が漂っているようです。
 この「行き詰まった現状認識」から、突き詰めて考えて過激な行動に走ると、「もう行く先はないからヤケッパチで……」式の暴発が起きる危険性はあります。おそらく紛争地域だけではなく、欧米先進国でも、過激派が横行する時代には、背景に「どうせ先行き暗いんだし」といった空気が、形は違っても存在していました。「そのうち何とかなるだろう」であれば、なにも今日わざわざ爆破したり要人襲撃したりする必要はないわけですから。
 現代日本の抱える社会問題、これヨソの国だったら暴動か内乱が起きても不思議ではないくらい深刻なものがあります。自殺者数は日本の自殺文化という思想の問題もありますからあえて外すとしても、失業率や貧富の格差の拡大を見ても、将来がバラ色とはとてもいえない状況にあります。しかし、それでも何も起こらない。
 これにはもちろん、「なんとなく」の「投げやりな楽観」や、突き詰めて考えること自体を放棄しちゃう風土も大きな要因になっているとは思います。最悪の事態を想定するという思考法のトレーニングを受けていないから、実際に直面してみるまで考えもしない、「出たとこ勝負」になりがちなのとも共通する問題でしょう。「思考停止」が何とかブレーキになっている可能性さえあります。
 ただ、そういったシリアスな現象とは違う、思いもよらない場所に、現状に対する悲観が図らずも噴き出しているのかもしれない、と、思想どころか空想的に連想します。
 循環史観ということではないんですけれど、ここでさらに飛躍して思い出してしまうのが、19世紀末ヨーロッパの「阿片」と文学です。アヘンによる幻覚の世界を美しいものとして文学が描き、それに憧れてどっぶり中毒に走る人が増えた。まさに戦争で侵略してむりやり押し付けた東洋の悲惨と違って、本国のほうで耽溺したのは「教養も資産も家柄もあったのに……」と言われる人が多かったのは、「今日明日の食の心配はないけれど、先も明るくはない」、なんとなくの「現世イヤイヤ」が背景にあって、「夢の世界」に行ってしまおうとした、というイメージをしています。なんだか、現代日本の状況と重ね合わせたくなってしまうんですね。
 麻薬問題については、それこそ超大国のアメリカを見てみると、食うや食わずで絶望しかない収入層と、生活に余裕があるのに興味本位ではまってしまう層と、かなりくっきり二分されると思います。ただでさえ収入が少ないのに、さらに麻薬に持っていかれて犯罪に走ってしまいがちな負の循環を辿る前者と、なんだか有名になってからスキャンダルになる程度で、その前に治療システムが動いてくれる後者では随分事情が違いますが、後者にしても幻覚の誘惑にのせられて犯罪に突っ走る危険があって、社会問題として長いこと苦闘しています。
 現代の日本の場合、水際作戦の効果もあり、「一億総中流」と呼ばれるほどの経済水準もあって、「食うや食わずで泥沼にはまる麻薬中毒」はほとんど見られなくなってきていると言ってよいでしょう。かつての「ヒロポン」など覚醒剤中毒の中には、そういった背景もなかったとは言いませんが、少なくとも現在では「末端価格」がハンパな金額じゃないですし、むしろ「お手軽な価格」で興味からはまってしまう若年層のほうが深刻な問題です。高学歴前提の社会システムからドロップアウトする過程に使われてしまう危険、これは確かに重大な問題です。
 ところが、ドロップアウトのようなはっきりした形を取らない場合があります。「普通の人」が、何かのきっかけで挫折したとき、「仲間」がいるドロップアウト組と違って、「ドラッグで景気づけでもどう?」と誘ってくれる人もいない。いや、誘ってもらっては後々大変困るんですが、反社会的集団からのサポート(?)もなく、一人で悩んでしまうことになりますが、このときドラッグのノウハウも入手ルートもないために、行き場のないまま苦悩するのではないかと思います。逆にいえば、機会と手段さえあれば、ドラッグに頼ってしまう潜在的需要は決して少なくはないのに、“供給”が遮断されているためにその方向へ陥らずに済んでいて、別の問題として表面化しているのではないでしょうか。
 昨今の風潮では、なんだか「軍人に使えない人間はいらない」と言わんばかりですが、そこで批判の的になる人たち、つまりは「ひきこもり」などで「メンタル的にダメだ」とラベルを貼られてしまう人たちですが、この人たちは「水際の麻薬取り締まり」のおかげで、瀬戸際一歩手前で麻薬の魔の手から遮断されている、ある意味では止まっているだけまだ幸運なのかもしれません。そのギリギリ崖っぷちにいる人たちに対して罵声を浴びせて非難するのは、ヒロポンを打ってでも片道爆撃させるのとあまり違わないように思えてきます。
 ……なんだか随分肩の凝るところに来てしまったので大急ぎで戻しますが(苦笑)、「ひきこもり」まで深刻にはなっていなくても、どこかで「このまま行っても先は明るくない」という思いがあって、「現世イヤイヤ」と断言はしなくても、「できれば劇的に変わってほしい現実」として、仮想体験の場に持ち込まれているのでは、という疑いを持ってしまうのです。
 大慌てで補足すると、この空想世界というのは、「えらい軍人さんになって……」式の画一化よりは、よっぽど平和だとは思います。その意味では、「ある日突然……」の空想世界で発散されることを、やたら「不健全だ」と叩きたがる老人のほうが、未来を焼け野原に持っていきたがっていることは見逃せません。
 しかし、みんながみんな現世から逃避してしまって、記憶をなくしてしまうことに憧れるのは、憧れているその人が問題なのではなくて、なんでそんなに「記憶をなくした」キャラが受けるのか、社会の側で反省すべき点があるように思われます。とかくこういった議論では、「受ける」キャラや、「受けている」ユーザーに対して、「不健全さ」を指摘して叩いて満足してしまう傾向がありますが、そうではなくて、「なぜそれが受けるのか」と社会そのものの健全性を疑わなければならないはずです。
 「近親婚のタブー」について、「もともと人間は嫌悪を呼び起こすからだ」というお決まりの理由説明に対して、澁澤龍彦氏は真っ向から否定しています。
 もしそれが人間の性情に反し、本能的な嫌悪を呼び起すようなことだったら、どうして峻厳な法律が制定されたりする必要があったのか。どだい、本能的な嫌悪などと称して済ましていられると思ったら、とんでもない間違いであろう。事情はむしろ逆なのだ。
(『エロスの解剖』)

 近親婚と「記憶喪失の二次元キャラ」ではかなり趣が違いますが(笑)、「過去の記憶がない」設定への憧れや共感は、その設定を叩けば済むわけではない点では同じでしょう。本能的に嫌悪するなら、共感もなにもそんな設定が受けるわけがないんですから。
 現実に老年期に起こる「記憶障害」の悲惨さに対して、美化されすぎているとさえ言いたくなる「過去の断絶」の描写と、それが受ける土台。19世紀末の阿片への憧れなどを連想しはじめたら、なんだか飛躍した連想に振り回されてしまいましたが、どこか問題を感じているのも事実です。
 さらに飛躍して、「実際の体験で得た知識」と「詰め込み教育など机の上での知識」の格差を、「経験値」として表示する冒険・戦闘系のロールプレイングゲームと、「イベント時のフラグ発生」として評価する恋愛攻略シミュレーションゲームの違いという話もあるような気がします。数値が連続的に増減して21と22の違いがあるアナログ的な「経験値」と、「そこでフラグが立ったかどうか」の断絶した「フラグ」の差ですが……連想どころか完全な妄想になりそうですし、それ以前にそんなにゲームの世界に詳しいわけではないんで、この考察は機会があったらまた後日、ということで(笑)。

 ……ゲームでもなんでも気分転換にならない性分だと言われたらそれまでなんですけど(笑)。『NHK日本語発音アクセント辞典』を購入してから、ラジオ・テレビでも時折気になってしまって、だんだん息抜きのできる場所が減ってきているような気もしますし(苦笑)。

2004/05/11 ♪時は、流れた〜♭

 経験は授業料の高い学校であるが、愚者は他の学校では学ぼうとしない。(避雷針を発明した科学者にしてアメリカ建国の父あたりの挨拶)

 日本では昨日でゴールデンウィークもカンペキに明けて……今年は休みやすいカレンダーだったので日曜まで休んじゃう方もいらっしゃったようで……7月まで祝日なしになりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
 と書いてみても、根本的に日本の祝日にあまり関係がない生活をしていると実感ないんですけど(苦笑)。次の祝日は今月最終月曜の「メモリアル・デー」かしら、とか……。

 昨日のお買い物。

郭沫若『抗日戦回想録』
南博『日本人の心理』
大江志乃夫『靖国神社』

 久々に地元の書店に行ったら、今月末で閉店というので、ネット書店よりも流通在庫が貴重な岩波新書などを買いあさりそうな予感が……(笑)。
 いえ、♪君とよくこの店に来たものさ〜♭ ってことはないんですけど、住宅街の書店ですから(笑)。

 そうそう、全然話違いますけど、PCゲーム「月は東に日は西に」(注:PC版は18禁らしいです)アニメ化だとか。……めちゃめちゃ出遅れて今更感がありますけど。
 で、いまごろになって気になったことが一つ。主に「ギャルゲー」の分野ですけど、
「過去の記憶がない」
って設定、多くないですか?
 多くない? と振っておいて、具体的には「Kanon」ぐらいしか思い当たらなかったりもしますが、「ダ・カーポ」も入れちゃっていいのかしら、形はいろいろでも「過去に問題あり」な設定をよく見かけるような……。
 この種のゲームの需要は、圧倒的に視聴率調査でいうM1(男性20〜34歳)だと思いますが、この「過去の断絶」には、M1にとっての「願望」が投影されているんでしょうか? もっとくだけて言えば、現代日本のM1は、「過去を忘れているキャラ」に憧れや親近感を持っているんでしょうか?
 ……ここまで書いたところで、衝撃的な訃報が入ったので番組を中断してお伝えします。

シンガー・ソングライターの岡崎律子さん死去【朝日】
 岡崎 律子さん(おかざき・りつこ=シンガー・ソングライター)は5日、敗血症性ショックで死去、44歳。葬儀は親族で済ませた。
 テレビアニメ「フルーツバスケット」の主題歌などを手がけた。 (05/11 20:56)

 先月発売の堀江由衣ちゃんのアルバム『楽園』に収録された4曲が、最後の作品ということになったんでしょうか……。

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2004/05/07 確信犯? 計画的犯行? 自爆テロ?


 福田官房長官は、「年金未納」問題で官房長官辞任の意向を突然発表しました。

福田官房長官が辞任 年金保険料未納で引責【共同通信 /Yahoo】
 福田康夫官房長官は7日午前の記者会見で、国民年金保険料未納問題をめぐる対応の不手際の責任を取って辞任する意向を表明した。既に小泉純一郎首相も了承している。
 福田氏は「年金未納問題で国民の信頼を失ったことはざんきに堪えない。私の対応の不手際で内閣のスポークスマンとして政治不信を増幅したことをおわび申し上げる」と述べた。
 内閣の要である官房長辞任は、小泉政権にとって深刻な打撃となった。福田氏と同じく保険料が未納だった中川昭一経済産業相ら他の6閣僚や、民主党の菅直人代表の進退問題にも波及する可能性がある。
 福田氏は2000年10月に森内閣で官房長官に就任。今年4月に歴代の官房長官として在任期間1位になっていた。(共同通信)
[5月7日11時9分更新]

(上の速報元記事は素早く消えたようなので下に別記事を張っておきます)

福田官房長官が辞任=年金未納問題で引責−後任に細田副長官・小泉政権に打撃【時事通信 /Yahoo】
 福田康夫官房長官は7日午前の記者会見で、閣僚の国民年金保険料未納問題について「発表までの対応に不手際があり、内閣のスポークスマンとして、内閣提出法案の取りまとめ役である内閣官房の責任者として、政治不信を増幅してしまったことを国民におわびする」と陳謝した上で、責任を取って官房長官を辞任する意向を表明した。小泉純一郎首相の了承を得ており、後任には細田博之官房副長官の昇格が内定した。
 内閣の要だった福田長官の辞任が小泉政権に大きな打撃を与えるのは必至だ。今後、年金未加入問題で批判を受けている菅直人民主党代表の進退問題に波及する可能性がある。 (時事通信)
[5月7日13時4分更新]

 内閣の要でスポークスパーソンの官房長官が、不信任案も出ていないのに突然辞任を表明するというのは、何かしら意図を考えてしまうのが疑い深い性質で……。
 まあ、これをきっかけに根こそぎ「未納」議員が切腹した上で、それから年金法案を考えましょうというのなら話は分かるんですが、昨日年金関連法案の衆院通過のメドがついてその翌日です。よく言われる「トカゲの尻尾切り」という見方もできそうですが、もっと奥深い謀略として、ここで与党内の全責任は内閣官房長官辞任でとったことにしておいて、野党から異論が出てきたときには「なら辞めてみろ」と切り返すための下準備という見方もできるでしょう。
 ここで官房長官が辞任しておけば、与党側としては「フリーハンド」で優位に立てますから、野党の今後の異論や抵抗を排除するための「地ならし」ではないかとも疑われます。
 結局、「喧嘩両成敗」「両者痛み分けで引き分け」の「勝負なし」を好む日本のメンタリティを巧妙に利用した戦術ではないでしょうか。倒れた相手への徹底追及を好まない、「もう許してやれ」式の効果を狙っているのでは、と疑ってしまうのです。
 これが欧米であれば、キーパースンの辞任は、「いよいよ政権内でも批判が高まってきた」と末期症状として受け取られるところです。「なぜ辞任するのか」という疑問から、「悪いことをしたから辞任したのだろう、それなら全部を暴露せよ」と追及が始まるところですが、日本では「水に落ちた犬に石を投げるな」式に、辞任されてしまうとそれ以上の追及を差し控えるのが美徳のような風潮が、これは政治に限らずよくある話ですし。
 「辞任したんだから、もう大目に見てやれよ」というメンタリティを計算に入れた上で、この際「潔い」印象を与えつつ、「未納」批判の矛先を野党議員のほうに向けるという一石三鳥のトリプルプレイを狙ったようにも思えます。
 しかも、「責任をとる」と言っても、「内閣官房長官」を辞任するだけで、国会議員を辞任するわけではありません。たとえばこの年金法案でも、もうすぐ衆議院本会議での採決が予定されていますが、福田氏は一議員として「賛成票」を投じるでしょう。
 本当に「責任をとる」なら、議員も辞職すれば、それは評価もできるでしょう。しかし、「官房長官」職だけでは、「またいつでも任命してもらえるポストだからですか」と皮肉っぽく聞きたくなってしまいます。
 議員辞職となると、次の選挙で当選するかどうか大変な賭けですが、閣僚の辞任なら、また総理から「お声がかかれば」なれるわけですし、逆にここで恩を広く与党内に売っておけば、もっと上のポストを目指せるかもしれません。
 ちょっと古い例しか思い出せませんでしたが、「リクルート事件」で大蔵大臣を辞任した宮沢喜一氏の例があります。閣僚の辞任はインパクトはありますが、それで経歴に傷がつくといったほどのことではないんですね。一過性の衝撃で終わってしまいます。
 そうすると、ここで与党内の全責任を負うような「絵」を作って、未納問題では野党側を批判するように世論を誘導してゆく、というのは、「自爆テロ」どころか計算し尽くされた「計画的犯行」ではないかとさえ思われます。「自爆テロ」は自分が傷つくのが普通ですが、これで経歴にも目下の情勢にも傷がつかないとすると、自爆でもなんでもなくて、巧妙に練られた完全犯罪トリックでは、とさえ疑ってしまいます。
 逆に、「自爆テロ」で、しかも多くの自爆テロと同じように何の効果も上げられなかったのが、当時ここでも触れた「野中元幹事長の政界引退表明」でした。あの突発的でしかも効果を上げ得なかった例を見ると、どうも今回の辞任劇は、ノーリスク・ミドルリターンを狙うしたたかな策略に思えます。
 経歴には傷がつかないのですから、将来へのリスクはないですし、むしろ「しつこく追及される」リスクをここで消しておくことができる。それでいて、今後の国会運営で得られるであろうリターンは少なくないでしょう。
 

2004/05/06 田や沼や、よごれた御代を改めて

 江崎真澄さんの読み方は「エザキ」ではないんだってね、「エサキ」とにごりを付けないんだ(閣僚名簿読み上げで「ハダシュウ(羽田孜)」「エザキマスミ(江崎真澄)」「スズキショウゴ(鈴木省吾)」「カワノヨウヘイ(河野洋平)」と立て続けにやっちゃったカミソリ官房長官あたりの挨拶)

 まあ、「ミヤザワケンジ君が殺人を……」に比べたらご愛嬌だとは思いますけど(笑)。問題は中身ですし。
 この「にごるかどうか」でよく取り上げてる例が、「ヤナギタ・クニオ」「オリクチ・シノブ」の民俗学者お二人ですが、最近は「イノクチ・ユカ」さんもこの例に入りますか(随分系統が違いますけど)
 ……そういえば前に、ラジオで「マイナスの金星人」とかの話題で出てきた「ホソギ・カズコ」さんの表記が分からなくて、カタカナで書いたら航空機事故の名簿発表になっちゃうなあと思ったんですけど(こらこら)、こうやって書いてみるとやっぱり(笑)。
 逆に漢字表記だけが出てきて「……とお読みするんでしょうか」というのも以前はよくあったような気がします。

捜査に全面協力=三菱ふそうがコメント【時事通信 /Yahoo】
 神奈川県警の家宅捜索を受け、三菱ふそうトラック・バスのコミュニケーションチーム(広報)は6日午前、「事故発生以来、事態を真摯(しんし)に受け止め、捜査に全面的に協力する一方でハブのリコールを3月に届け出し、安全確保に積極的に取り組んできた。3度目の立ち入り捜査は大変残念だが、今後も引き続き全面的に協力する姿勢に変わりはない」とのコメントを発表した。 (時事通信)
[5月6日12時1分更新]

 これ、日本のメディアの「記者会見」だからコメント読み上げぐらいで済んでますが、欧米メディアだったら「殺人の自覚はあるのか?」といった質問が出てもおかしくないですね。

パウエル長官辞任の見通し 「疲れている」と側近証言【共同通信 /Yahoo】
【ワシントン6日共同】米国の大衆誌「GQ」最新号は、大統領選を機に辞任するとの見方が出ているパウエル米国務長官について「精神的にも体力的にも疲れている。ブッシュ大統領が再選されても、長官職にとどまることはないだろう」とする側近の話を伝えた。
 昨年来、匿名の政府関係者の話を基に、対イラク政策などをめぐる強硬派との路線対立から「今期限りで辞任」との見通しが米紙で報じられてきたが、今回は長官の「片腕」ウィルカーソン首席補佐官らが実名で登場。
 国務省のバウチャー報道官は「(長官が辞任を希望しているとの見方は)間違っている」としながらも、引用された補佐官らの発言は「正確」と認めており、長官辞任が現実味を増してきた。
 補佐官はイラク戦争や台湾問題をめぐる強硬派の政策を非難した上で「長官は時間の多くを、世界中に謝罪して回る『被害対策』に費やしている」と指摘。(共同通信)
[5月6日17時27分更新]

 ロイター電も「あと4年も続けたくない」と伝えていましたが、出所が分かりにくかったので「またか」と思って読み飛ばしてしまいました。
 ただ時節柄?「証言」という日本語はどうかと思いますが……公聴会や議会証言などのホンモノの「証言」と違って、これは首席補佐官がマスメディアに発言しただけですから。
 イギリスBBCも同様に伝えていますが、より口語的な表現もあって“過激”な口調になっています。

Powell aide takes swipe at rivals【BBC】
Last Updated: Thursday, 6 May, 2004, 08:58 GMT 09:58 UK

By Jon Leyne
BBC correspondent in Washington
A close aide to US Secretary of State Colin Powell has outspokenly attacked rivals in the Bush administration.
Mr Powell's chief of staff, Larry Wilkerson, attacked those he said were making cavalier decisions about sending men and women out to die.

He compared the Deputy Defence Secretary, Paul Wolfowitz, to the Russian revolutionary leader Vladimir Lenin, describing them both as Utopians.
"When all you use is a stick," he pointed out, "you're not going to get too far."
On the US policy towards Cuba, it was the "dumbest policy on the face of the earth," he said. "It's crazy."
As to his boss, Mr Wilkerson said Colin Powell was mentally and physically tired.
He said he was unlikely to serve out a second term if President Bush was re-elected.
 レーニンとウルフォウィッツ米国防副長官を並べてしまうのは、むしろレーニンに怒られそうですがアメリカでは最大級の批判といえるでしょう。

 ベルルスコーニ首相のイタリアで、テレビの天気予報番組について議論。イギリスBBCでご覧ください。

Too sexy for Italian television【BBC】
Last Updated: Thursday, 6 May, 2004, 03:32 GMT 04:32 UK

By Suzanne Bush
Rome
After decades of weather bulletins presented by military colonels in full uniform, Italian television got its first weather girls last September.
 なんだかどうでもいいニュースですけど(笑)、本文中の「Miss Weather」や「weather girl」という表現が気になっただけです(笑)。日本でいう「天気予報のお姉さん」と同じような表現するんだなぁと。
 もっとも、このイタリアのケースで本文中に出てくるように、多くの国で天気予報というのは、「軍事」に近い位置にあります。「地図」ほどではありませんが……。
 もちろん民主的な先進国では、機密扱いにはしていませんが、その一方でアメリカが世界中をカバーするように気象衛星を上げているのは、単なるサービスのためではありません。
 その点では、完全なサービスとしてアジア・太平洋地域に「ひまわり」の映像などの気象情報を提供してきた「国際貢献」は小さくなかったはずなんですが……。
 などと書いてはみたものの、基本的に「外の天気はアメダスでチェック」な生活だと説得力ないかもしれませんが(笑)。

2004/05/04 声に出して読みたい……

 学問の自由は、これを保障する。(現憲法中もっとも短くて意味の濃縮されている条文あたりの挨拶)

 声に出して読んでみると分かりますが、5-7-5になっているのもポイントですね(笑)。
 昨今問題にしたがるのは「9条」ばかりですが、もうちょっと全体を知ってからモノを言ってはどうですか?という気がします。
 たとえ「改正」しても雰囲気次第で守る気があるかどうかは別かもしれないですがとにかくも原理原則を定める基本法なのですから、是非をいうならまず全文に目を通して、それぞれの背景などもちゃんと考えて欲しいと思いますね。
 と、一日遅れのメモリアル的記事はともかく(笑)。
 前にも何度か書いた記憶もありますが、強い印象があって、それこそいつでも取り出せる憲法の条文といえば、第24条第1項、とくにその前段です。
第24条
 婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。
 「婚姻は、両性の合意のみに基づいて成立」というこの一節、とかく「適齢期」だの「出生率」だの表面上の問題ばかりごちゃごちゃ言われるときに、いつも思い出すところです。
 そりゃ社会全体を見るときには、晩婚化・少子化というのは大問題でしょうけど、「いつ・だれと」なんてのはあくまで個人が決めること、社会制度や環境が邪魔をしているのを取っ払おうという議論ならまだしも、「生めよ殖やせよ地に満ちよ」式の発言に対しては強い反発と違和感を覚えます。
 あ、ウチで別の文脈でよく使うフレーズ「いつでも・どこでも・だれとでも」の、「どこでも」が入っていないと気づいた方はご明察。それはここ最近気になっている次の条文があるからなんです(笑)。
第22条
 何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。
2 何人も、外国に移住し、又は国籍を離脱する自由を侵されない。
 第22条1項には、「公共の福祉に反しない限り」という限定があります。これは伝染病隔離(それでさえ濫用だったケース=ハンセン病の例がありましたが)や、土地計画などでやむなく制限される場合のためです。「職業選択の自由」だからといって、いきなり明日から「私医者やります」では困りますし(笑)。
 しかし、第2項にはその制約さえありません。無国籍・二重国籍の国際法的な問題は別にありますが、行き先さえあれば日本国籍をポイ捨てしても構わないというこの条文、焼け野原目指して一直線の昨今は覚えておいたほうが良いかもしれませんよ。

 そういえば、「ひきこもり」問題で、やたら「労働の義務!」(憲法の条文では「勤労」)を持ち出す声がありますが、なんだか「働かざるものは食うべからず」という一節を連想してしまいます。
 「そうだそうだ、『働かざる者食うべからず』だ!」と即座に同調しそうな方もいますけど……コレ、そう言いたがる方が目の敵にしてきた、ほとんど仮想敵国だったソ連憲法第12条なんですけど(笑)。

 と書いてから、「ちょっと待て、孫引きばかりじゃ能がない」と、あわててソ連憲法の原文に当たってみようと思ったんですが……日本語訳ってあまり出てないんですね。
 仕方がないので、困ったときのGoogle頼みで、「Конституция(憲法)で検索をかけてみたら、条文はたくさん見つかったものの、問題の表現が見当たらない……ちょっと慌てましたが、あちらさんはトップが変わるたびに憲法「改正」をじゃかすかしているのを思い出して調べてみると、これは「1936年制定憲法(基本法)」にある表現のようです。

Статья 12. Труд в СССР является обязанностью и делом чести каждого способного к труду гражданина по принципу: «кто не работает, тот не ест».
(出所:Исторические источники на русском языке в Интернете=ロシア語歴史文献の電子化サイト)

 辞書引かなくても類推ですぐ読めるのが冒頭のところで、「スタート」と音読みすれば分かるようにステートメント、つまり「第〜条」ですね。「СССР」は「シーシーシーピー」ではなくて「エス・エス・エス・エル」、ソビエト社会主義共和国連邦の略称です。
 で、問題の部分は、引用符でくく