VNI鈴凛 過去ログ
03/04/01-04/18

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◆日記◆

2003/04/18 だからタイミングが……

 「アラブの王様の宮殿とか」……(やっぱホーム♪……なんだけど選りによってそういうたとえですかと言いたいセリフあたりの挨拶)
 こんばんは、鈴凛です♪
 ようやっと「シスプリ2」で非血縁エンド……。遅れまくったのはラムズフェルド君のせいでーす
 「(テレビで顔が知られちゃって)ラーメン屋に行ってもパトリオットの話聞かれるし、コンビニでお弁当も買いにくくなった、僕も湾岸戦争の被害者だ」とは、あの江畑謙介氏の苦笑い込みのコメントだけど……私は今回の戦争についてそれ主張したい(苦笑)。なにも「シスプリ2」の発売日にセットしなくたっていいじゃんかー(笑)。
 というわけで、リゾートホテルになんでも揃ってるのが「アラブ」と言われちゃうとなあ、とちょっと焦りました(笑)。
 そのプレイの前、今日の未明(昨日の深夜)には、何気なくNHK見ていたら「ミイラの謎」とかやってました。
 パキスタンの考古学研究所に持ち込まれた「古代ペルシャ王朝王女のミイラ」の話で、これは千影ちゃんが専門だなーとか思って、食事しながら(笑)見てたんですが、途中からこっちに風向きが……。ミイラそのものを集めるのは千影ちゃんの担当ですが、炭素による年代測定だとか、非破壊検査(壊さずに中を見る)のためのCTとかになってくると私の範囲(笑)。
 ところが番組はさらに展開して、「ミイラは偽物」→「最近作られたものらしい」→「墓場泥棒ならマシで、殺人事件の可能性も」となって、私の手元を離れて四葉ちゃんの範囲へ……。
 ちょうどチャットに四葉ちゃんがいたので、話題振ったんですが……。結局、四葉ちゃんのいつもの推理と同様番組も「恐るべき犯罪が行われているとみて捜査中」ということで迷宮入り。
 ミイラを収めていた棺の楔形文字、よく見たら「鉛筆でなぞった線がある、これには驚いた」と考古学研究所の博士。そりゃあ驚くよね、鉛筆できたのはここ数百年の話なんだから……。
 しかし、エジプトのミイラの作り方とか、「これは偽物だから中を改めなくては」と法医学者を呼んでの司法解剖だとか、深夜とはいってもNHKさんよく放送したなあ、と思いました。エジプト古代のミイラの作り方は脳を取り出して頭蓋を空にするために、鼻か【検閲削除】とかするらしいです。
 ……あまり詳しく書くとグロになってまずいんで、興味のある方はご自分でお調べください♪
 ミイラは「作ろう」としてプロが作ることが多いけど、放置されてた死体が偶然ミイラになることも稀にはある。普通の腐敗以外に、乾燥した場所でできるミイラと、水びたしみたいな場所でできる屍蝋(しろう。ロウソクのロウみたいになる)があって、さらに、前にもちょっと書いたことがあったような気がするけど、第三種永久死体という特殊な形があって、腐らずに死体が残ることがある。ミイラよりも稀の稀で、ドイツの湿地帯の例と、中国の長沙の墓の例ぐらいじゃないかなあ。医学用のホルマリン標本とか、「驚異の人体」で有名になったプラスティネーション標本をここに入れる人もいるけど。
 ドイツの湿地で発見された死体の場合は、「殺人事件か」と大騒ぎになって調べてみたら、中世の処刑だったことが明らかになったもので、「偽ミイラ事件」とは逆コースですね。
 中国の長沙で発掘された馬王堆(まおうたい)の場合は、紀元前2世紀頃のお墓から、新鮮な死体と大量の副葬品が出てきて、文字通り歴史を書き換えました。副葬品には、「あの世でも同じ生活を」という考えから、古典の本や絵(まだ紙が発明されてないので竹簡や絹に書いたもの)もあれば、どうやら「スープから始まるフルコース」も入れたらしく、メニューが出てきてます。
 とくに、古典の本が出てきたおかげで、「後世の学者が改竄したんだろう」と言われていた古典が、意外と古い形のまま伝わっていることが分かったのが、歴史的には大きかったと言われます。
 死体(というのかなあ、この場合も)は、石灰などの防腐処置が奇跡的に効いていて、なんと死後2000年以上経ってからの解剖が行われ、死因・持病まで判明(胆石と心筋梗塞)しました。
 まあ、旧石器時代の骨にリウマチの痕跡だとか、そういう例はあるけど、骨でなくて「メスで解剖」までできたのは、最古の例ということになるんじゃないかなあ。
 しかし今回NHKで放送されたのは、こういう「見た目新しいけど実は古い」の逆で、「見た目古くして高く売りつけるために材料を探す……」という、タイヘン物騒な話
 考古学ではこういう例は多くて、日本でも「神の手」と言われた旧石器捏造事件があったし、その少し前には、「陶器の破片から、中国で甲骨文字より古い最古の文字!」という“発見”がありました。
 このときは、文字学者が「どうやって甲骨文字と関連付けるか、解読の手がかりはあるだろうか」と、苦心して仮説を立ててみたんだけど……。1年ほどして「実は陶器は確かに古かったけど、文字は陶器を焼いた後に、上から刻まれていた」とニセモノであることが判明。このときはウチのアニキも「そりゃないよなあ……」と絶句してました(笑)。
 正真正銘の古代文字の「甲骨文字」のほうは、殷王朝(日本ではこう呼んでますが、中国では「商」王朝と呼ぶことのほうが多いです)の時代、つまり紀元前16世紀〜紀元前11世紀頃の文字で、占いのためにウシの肩甲骨や亀の甲羅に文字を刻んだものです。占いたいことを文字で刻んで、その骨や甲羅を火で焼いて、割れ方で吉凶を占うというもので、「捕虜をいけにえとして生き埋めにしたほうがよいだろうか」とかの物騒な占いも残ってます。……コレ、最初「10人ではどうか」で凶だったのが、「20人ではどうか」と順順に人数増やしたら最後「吉」と出ちゃったという……確率論では当たり前だけど、ちょっとザンコクな結果に。
 この甲骨文字の発見はなかなかドラマティックで、熱病にかかって漢方の解熱剤として「骨」をすりおろして飲んでいた先生が、ひょいとウラを見たら文字があったというのね。……それって、先生だけでも随分飲んじゃったのでは〜(笑)。
 以後必死の保存活動(何しろ片っ端から飲まれちゃうので)と解読作業がされて、どう考えてもムリじゃないかと思われた甲骨文字の半数、固有名詞以外の部分はほとんど解読されてます。暗号解読と同じで、頻度と用例から類推で行くしかないんだけど、固有名詞だけはどうしようもないから……。「ロゼッタ・ストーン」がない割には解読できたほうだと思います。
 ただ、それだけ文字としてみんなで使っていた(バラバラに勝手な記号書いていたら解読のしようがない)ということは、それなりに進化した文字なわけで……鈴凛の「凛」だって別の字あるけど、そっち使うと通じなかったりするでしょ?……「その前のもっと原始的な文字があるはずだ」と言いたくなるので、偽造はそこにつけこまれちゃった、というわけ。
 X線回折やCT、NMRなどの非破壊検査が進歩してきて、「壊すわけに行かない」モノも調べやすくなったけど、偽造の手口も込んできて、いたちごっこではあるかなあ。
 そうでなくても乏しい研究室の予算を狙わないでください、とお願いしたいです……。

>ワダツミさん(4/18)
>■天使のしっぽ
> うーむ。実にめちゃくちゃな構成のアニメだった。半クールでメインキャラ13人+新キャラなんて無理だろー。リピュア以上に一見さん置いてけぼりですな(置いてけぼり以前の問題だったが)。
 一応、異議を申し立てておきます(笑)。
 なんでも聞いた話だと、「シスプリ(前シリーズ)が“狙った調整インフレ”で、『天使のしっぽ』は勢いで押したら暴走した“ハイパーインフレ”」だとか。伝聞なんで前後関係とかホントにそうなのか分かりませんけど……。
 あ、だからといって、ここからインフレ抑制だとか言って、次期シスプリ(あるのかどうか知らないけど)でリストラ、というのはカンベンしてください(汗)。

2003/04/16 衝撃の恐怖(あれ?)

 ネガティブアクセス(中略)攻撃(出所も詳細も忘れちゃったけど一時期見かけた表現あたりの挨拶)
 おはようございます、鈴凛です。
 ネガティブアクセスなんちゃら攻撃、って初出どこだか忘れちゃったんですが、なんだったかでありましたよね。……全然思い出せないし。
 というわけで、今日も今日とてイラク関係なんですが……。昨日紹介した朝日の記事のソースを発見。

Iraqi information minister a hit in cyberspace
Fan site mulls Sahaf quotes, who will portray him in movies(CNN)
Friday, April 11, 2003 Posted: 2:10 PM EDT (1810 GMT)
LOS ANGELES, California (Reuters) -- A member of Saddam Hussein's vanquished regime has sprung up as an unlikely hero in cyberspace on a Web site embraced by both supporters and foes of the U.S.-led invasion of Iraq.
Television news junkies transfixed by daily briefings by Iraqi Minister of Information Mohammed Saeed al-Sahaf are now logging onto a few days-old Web site featuring his finest invective against U.S. and British "infidels."
Among al-Sahaf's now-famous declarations was: "There are no American infidels in Baghdad. Never!"
Writer and former Greenpeace activist Kieran Mulvaney, a Briton living in Alaska, said he and friends got the idea for the site while watching cable news coverage of the three-week-old war.
"I mentioned to one of my friends that the best part is watching this guy," Mulvaney told Reuters. "He is so brazen that I could almost admire him."
Mulvaney and his friends designed, built and put up the site in three days. Within hours of going live on the Internet, the site "has exploded," Mulvaney said. The same day, U.S. troops marched into Baghdad and al-Sahaf disappeared, or in the view of his new Web site, went on "administrative leave."
"I hope he is alive somewhere so he knows how famous he has become," Mulvaney said. "We've had all kinds of e-mail from literally all over the world. We even had a few e-mails from within the Pentagon saying, 'We really like this guy and we miss him.'"
The site already is offering T-shirts and mugs bearing al-Sahaf's best-loved statements ("My feelings -- as usual -- we will slaughter them all!") and has selected actor and director Sydney Pollack to play the information minister in the Hollywood version of the war.
In the meantime, Mulvaney said he will appeal for sightings of al-Sahaf, and there are plans to poll fans about what the beret-wearing minister should do after the war.
One fan has advocated an urgent campaign to spare al-Sahaf if he is found: "He is too much of a global asset to be murdered/shot/stabbed or otherwise wasted."
 って、これの元記事はロイターか……。
 さすがにそこまで掘ってるとキリないんでやめておきますが……。最後の一文は、サハフ氏本人も予想していなかった絶賛かも(笑)。ここまで「敵国」の人に言ってもらえれば、以って瞑すべし、じゃないかなあ。
 で、このファンサイト、http://www.welovetheiraqiinformationminister.com/に行ってみると……ってURLからしてムチャしてるなあ。"We love the Iraqi Information minister"ですか(笑)。
 えーと、安定してません(汗)。頻繁に「毎秒4000アクセスがあって、帯域が足りません」とか表示されます。
Mohammed Saeed al-Sahaf (M.S.S.)
 M.S.S.って……もう略称がついてる〜!
 左のフレームの、
M.S.S Throughout History
Ever wonder what M.S.S. would have said during some of history's greatest battles? Of course you did.
は必見かも。要は他の歴史上のトピックにサハフ氏が立ち会ったら、というわけで、アラモ砦とかノルマンディー上陸にどうコメントしたか、勝手に書いてます。しかし「Death Star」はないでしょー(笑)。
 記事に出てたマグカップはコレ
MSS Quote Mug
$14.99
"No American will ever pour coffee in this mug. Never!"
と印刷されてるようですが……。これは、"There are no American infidels in Baghdad. Never!"(バクダッドにはアメリカの無神論者などいません、永遠に!)のパロディですね。
AVAILABILITY: In Stock, will ship in 2-3 business days
とあるところをみると、売れてるらしいです(笑)。
 冗談もここまでやれば……というのが正直な印象(笑)。
 個人的には、このファンサイト(?)で得た収穫としては、サハフ情報相の息子がアイルランドで医学を専攻しているという新情報かなあ。  あと、
"I speak better English than this villain Bush"
"Bush is a very stupid man. The American people are not stupid, they are very clever. I can't understand how such clever people came to elect such a stupid president."
の2つは、敵味方関係なく正確な名言じゃないかと思いました(笑)。
 ……せっかく作ってるんだから、戦前の(外相時代の)「でっち上げられた危機」("fabricated crisis" )とかの名言も拾ってほしいかな。
 こんなこと連日書いているせいか、最近、「サハフ情報相」で検索して来られる人が多いです(苦笑)。えーと……中東調査会じゃないんですから、ウチは(汗)。
 他にどんなページがヒットするのかと思って見てみたら……新聞社・通信社ばっかり(当たり前か)。その中にウチが紛れこんでるのはいろいろと問題ありそう(笑)。
 で、そういうページを見てたら、サハフ氏について、アジズ副首相とは師弟関係(アジズ氏が情報相時代に情報省勤務)だとか、若い頃にはNHKで研修を受けたことがある、とか……え、NHKですか??
 NHKの海外支局は、現地スタッフを積極的に採用して、その時だけの「請負」「使い捨て」ではなく、ずっと使えるように「研修」をするとは聞いていたけど、のちに情報相になる人まで、とはさすがに予想外。日本に置き換えたら、BBC東京支局で研修を受けた人が官房副長官とかに……ムリな気がする。
 うーん、もしかしたら「NHK アラビア語講座」の講師とか、あるいは支局勤務とかしてたかもしれないのか、と思うと、人生どこでどうなるか分かんないなー。

 一方、アメリカ側で唯一キャラ的に立ち向かえるパウエルさんは……こっちは冗談じゃすまないので真面目な発言(←当たり前です)

Powell: U.S. Has No War Plan to Attack Syria, Iran
Tue April 15, 2003 12:53 PM ET
WASHINGTON (Reuters) - Secretary of State Colin Powell said on Tuesday the United States has concerns about the policies of Iran and Syria but it has no "war plan" to attack them or other nations.
The comments appeared designed to quell fears in the region that following its military defeat of Iraq the United States might consider moving against Syria or Iran, which it also accuses of developing weapons of mass destruction.
"We have concerns about Syria. We have let Syria know of our concerns. We also have concerns about some of the policies of Iran. We have made the Iranians fully aware of our concerns," Powell told reporters.
"But there is no list, there is no war plan right now to go attack someone else either for the purpose of overthrowing their leadership or for the purpose of imposing democratic values," Powell said.
 シリアに対して強硬姿勢、という日本の報道が目立ちますが、ロイターの原文を読む限りでは、強硬だけど「いますぐ攻撃する計画はない」というほうに重点がある様子。
 まあ、パウエル国務長官は元がプロなだけに、「勢いで戦争はできん」というのは熟知してるんでしょうね。

 しかし、バグダッドの治安の荒れっぷりと言い、それに対して自警団ができちゃったりするあたりと言い、誰でも武器持ってる状態って怖いなあ、と率直に思いました。
 アメリカ軍はそれほど違和感ないかもだけど、イギリス軍の印象は日本人に近いんじゃないかとか、余計なことも……。
 日本の「戦後占領」の場合は、思想を取り締まった特高警察・内務省体制を破壊するところから手をつけたわけですが、それは行政システムが崩壊しなかったからできたわけで……。陸軍大臣が自刃しつつ内閣として無条件降伏を受諾して、天皇が残ったことがやはり大きかったんだと思います。
 不動産業界なんかで、よく飲食店などの設備を残したままでオーナーを変えるのを、「居抜き」という表現をするけど、アメリカは「サダム・フセイン抜きのフセイン政権」が残ってくれる「居抜き」プランだったんだろうに、実際は行政システムから全部消えなくなっちゃったわけで……。
 
 一方、「悪の枢軸」でひとまとめにされちゃった北朝鮮核開発問題、米中朝3カ国協議でスタートということに。
 日本・韓国が外されたことにいろいろありますが……正直、「北朝鮮が入ってて良かったなあ」と(え?)
 いやあ、下手すると米中会談でカタつけちゃう荒療治もやりかねないと思ったから……。北京にとっては、自分とこの経済発展を最優先する路線に火の粉がかかってくると捨てておけないわけで、あんまり駄々こねると北京で決めたことを「飲まなかったらあとは知らない」と押し付けるぐらいのことはありそうだし。
 12億(プラスマイナス1億2千万とも言われるけど(汗))の人間を食べさせていかなきゃならない北京政府は、その辺シビアだと思います。また、その巨大な市場を見過ごすようなアメリカでもないし。米中の2超大国の思惑が一致するときには、北朝鮮なんかは「吹けば飛ぶような」小さな問題にされるでしょうね。

2003/04/15 名前

 チョピンとは俺のことかとショパン言い(カタカナ表記の難しさを表した川柳あたりの挨拶)
 こんばんは、鈴凛です。
 数学の矢野健太郎先生は、『ゆかいな数学者たち』の中で、オランダの数学者「Albert Nijehuis」ナイエンハイス君をどう読むか、という話を書いてます。
 イギリスの人は、ニイエンヒュイス
 ドイツの人は、ニイエンフイス
 フランスの人は、ニイアンユイ
と読むかもしれない。ところで、「ではアメリカでは彼をどう呼ぶか」という問題に対する正解は、「アルバート」というのが正解だそうである。
 ……そういうオチか(笑)。あらかじめフルネーム明かしとかないとオチないんですけどね。
 そういえば、日本では欧米の固有名詞について向こうの国の読み方を尊重する割には、中国や韓国については平気で日本語読みする、と言われるけど、NHKの場合は「相互主義」によるんだそうです。
 つまり、相手の国の公式メディア(これはこれで定義難しそうだけど)が、こっち(日本)の固有名詞を日本語読みしてくれる場合は、こちらも向こうの読みに従うんだそうで、急に韓国については日本語読みしなくなったのは、そういう経緯があったみたい。
 なまじっか漢字が共通してると勝手に読めるんで、中国・台湾の「日本人の名前も北京語読みされちゃう」のは直らなさそうで、そうすると「ペキン」「タイホク」も仕方ないのかなあと。
 しかし、日本の保守反動勢力の中には、「国連でJAPANはみっともないからNIPPONに直させろ」という主張があるけど、拒否権を持つ常任理事国の中国が「Zhongguo」としてくれないうちはムリでしょうね(笑)。
 「Chinaはよくて支那はなぜ差別語か」とも言われるけど、表意文字であることを忘れた議論で……「支」はないだろう、字ぐらい選べばよかったのに、というあたりが本音じゃないかなあ。
 で、表記の難しいサハフ(SahafともSahhafとも)さんですが、なにやら人気の様子(笑)。

イラク情報相のそっくりさん、米テレビで引っ張りだこ(朝日)
 米国で人気を二分する夜の娯楽番組「レイトショー」(CBS)と「トゥナイトショー」(NBC)に最近、サハフ氏のそっくりさんがそれぞれ登場した。
 CNNによると、インターネット上にはサハフ氏に関する情報を集めた複数のホームページが開設され、Tシャツやマグカップなどのグッズの通信販売も始まったという。考案者の一人はCNNに「彼には生き延びてもらい、自分がどれだけ有名になったかを知ってほしい」と語った。
 イラク軍が劣勢の中、バグダッド陥落の前日まで記者会見に臨み、「バグダッドに米国人などいない。永遠に」と強気な言葉を繰り返した強烈な個性を「敵国」のショービジネス界は放っておかなかった。 (04/15 12:41)
 ウチでも「サハフ情報相はラムズフェルドよりもよっぽど愛嬌がある」と書いてきたけど、アメリカでもそうなのか……。
 ところで本人に無断で(消息不明だから断りようがないんだろうけど)、一種のキャラクタービジネス始めちゃって、その利益はどうなるんだろ? せめてイラク戦後復興の人道支援に寄付ぐらいはして欲しいかも。
 「私は生きています」のアジズ副首相もキャラクター的には良さそうだけど、どこ行っちゃったかなあ。
 アジズ氏については、「フセイン大統領との地縁血縁もなければ軍人でもなく、宗教的にもキリスト教で、政権に生き残ったのは奇跡に近い。おそらくは英語が彼を救ったのだろう」という人物評さえあって、やはり英語のできるサハフ氏と似てる。
 前に紹介したロイターの記事によると、サハフ氏は、フセイン大統領の長男ウダイ氏から嫌われてて、ウダイ氏の主催している新聞に叩かれて外相を辞めさせられて、情報相になったときにその新聞を発禁にしたりしてるけど……それでよく生き延びたなあ(驚)。
 アジズ氏もサハフ氏も外相経験者なのは興味深いところで、軍人中心の独裁政権の中で、文官はキャラが立ってないと生き残れなかったのかも。
 うーん、「芸は身を助く」なのかしら? ……明日はわが身、英語勉強しなくちゃね(汗)。
 ところで、前にも書いた「アラブ人の人名表記」、「オサマ・ビン・ラディン」は「ラディンの息子オサマ」で、ラディンは父親の名前ですよ、まして「ビン」は名前じゃないですよ、という話……。
 イラクでは「ビン」を省略するんで、「サダム・フセイン」は省略しないで書くと「サダム・ビン・フセイン」、「フセインの息子サダム」です。
 長男のウダイ氏は、イラク式なら「ウダイ・サダム・フセイン」、省略しなければ「ウダイ・ビン・サダム・ビン・フセイン」。名前の後ろに「アル・ティクリート」をつけるのは、単に出身地を付け足すだけ。
 ということは……。サハフ氏、Mohammed Saeed al-Sahafという英語表記(ムハンマド・サイード・アル・サハフ)からすると、どうも「ビンラディン氏」式の大間違いをしてる雰囲気が(苦笑)。
 しかし「ムハンマド・サイード氏」とも書けないし、この辺アルジャジーラあたりを見直さなきゃダメかも……。
→噂をすればなんとやら、というわけではないでしょうが……
イラク情報相自殺の情報 イラン通信伝える(朝日)
 国営イラン通信は15日、同国西部デフロラーン近郊に来たイラク難民の話として、イラクのサハフ情報相がフセイン体制崩壊の前日にあたる8日に首つり自殺した、と伝えた。ただしこの難民は情報の根拠は示さなかったという。
 情報相は開戦後、連日のように記者会見して強気の発言をしていたが、8日午前のバグダッドでの記者会見を最後に姿を見せていない。 (04/16 00:40)
 この手の「自殺説」「殺害説」は飛び交うものなので(というか、これまで他の要人について出てきてないほうが不自然なくらい)、アテにはならないけど、第一報なんで……。
 他のメディアでウラが取れないことには何ともいえないですね〜。タイミング的にもおかしいし。


 もうあちこちで出てるかもしれないけど、とりあえずしょーもないの発見したんで貼ってみます♪
 ここのポリティクス、「R指定」があるのはなんだかなーと思っちゃいますが。
 それにしても、歌担当はパウエルさんというのが多いなあ。動かしやすいキャラなのか(笑)。ラムズフェルドはやっぱ不人気みたい(苦笑)。
 ……いま見てて思ったんですが、ラムズフェルドさんは笑ってる顔がもともと少ないから、素材として作りにくいのかも……。笑ってもなんか「悪代官笑い」になっちゃうし〜。

2003/04/14 固有名詞

 同朋がここに為事(しごと)せしゆゑにヤコブ教授はわれにも親し(斎藤茂吉あたりの挨拶)
 こんばんは、鈴凛です。
 これはまだマトモなほうで……マトモって語弊があるけど。
 わが作りし脳標本をいろいろ見たまひて曰く、"Resulat positiv!"
 ベルリンに吾居るうちに一ポンド五ミルリオンより十四ミルリオンとなる
 ……短歌のことはよく知らないんですけど、「歌というか、メモですか?」ってカンジがします(笑)。

 イスラエルのシャロン首相、「イラク・フセイン政権崩壊で、パレスチナ和平に前向きな姿勢に」と発表。
 うわー、露骨な「敵の出方論」というか、アメとムチですね……。いまアラブ・イスラムが団結しちゃうと厄介だから、このあたりで分断をしておこうか、という思惑もありそう。
 一方、お隣のイランは、ハタミ大統領が「この戦争で勝者はいない 国連統治を希望する」と演説したということです。「悪と悪との戦いである」とは湾岸戦争へのコメント(当時はラフサンジャニ政権)でしたが、とりあえず米軍に居座られると困るという思惑が透けてみえるような……。
 もう片方の隣国・シリアについては、フセイン政権高官をかくまっているのではないかということで、ラムズフェルド国防長官が猛烈に叩いてるようですが……。この勢いだからって戦線を拡大するのはマズイと思うんだけどなあ。シリアはイラクとは段違いに戦略上手だし。

米大統領「シリアに化学兵器あると信じている」 (朝日)
 ブッシュ米大統領は13日、フセイン政権高官の亡命疑惑が出ているシリアに対して、「化学兵器があると信じている」と述べ、情報提供や身柄の引き渡しに応じるよう警告した。
 化学兵器についてブッシュ大統領は、イラクからの流入かシリアの開発したものかは特定しなかった。シリアは化学兵器禁止条約(CWC)に署名しておらず、開発疑惑国とみなされている。大統領はシリア政府に対して、「バース党員、イラク軍当局者、フセイン政権の関係者らをかくまうことがあってはならない」と警告した。
 ラムズフェルド米国防長官も同日、「イラク政府高官がシリアに入国した」と断定的に述べたうえで、滞在先や別の国への通過地点になっていると主張。「シリアが戦争犯罪者やテロリストの隠れ家にならないことを望む」と述べた。 (04/14 11:02)
 実にすばらしい因縁のつけかたを、ブッシュ政権は覚えた模様です。
 しかし、後処理とかちょっとヤヤコシイ問題になると、お脳が能力値が足りないようで……。
 「信じている」って、どこぞの政治屋さんが、仲間に汚職の疑惑が持ち上がったときとか矛盾追及されたときに使う必殺技だと思っていたんだけど、あの便利な使い方を教えてあげたとしたら、ある種の最大の後方支援「文化侵略」かも(苦笑)。
 同じ「できるだけのことはやってみるけど、うまくいくかどうかはわかんないよ?」を、米英だと「ベストを尽くそう、あとは神のみぞ知る、だ」とかの表現を選んできたと思うけど、そのうちブッシュやブレアが「善処するよう前向きに検討いたします」なんて言い出したら……世界は滅びるね(笑)。

 当然、猛烈に怒るわけで……。

シリア外相「米国は第3の標的探している」と怒りあらわ (朝日)
 シリアのシャラ外相は12日、中東を歴訪中のドビルパン仏外相との共同会見で、「米国は第3の標的を探している」と怒りをあらわにした。ブッシュ大統領らが「シリアがフセイン政権幹部を保護している」などと名指しで指摘したことについて、「我々に問題があると言うのなら、証拠を見せてみろ。何も見せられないじゃないか」と話した。
 さらに、「米国は悪意に満ちたゲームをけしかけている」「我々は超大国の犠牲者ではないか」などと激しい口調になり、ドビルパン外相に「抑えて、抑えて」と止められる場面もあった。 (04/14 01:41)
 国際政治が、「学級崩壊」しちゃった小学校のクラスなみのレベルになっちゃったようです(苦笑)。
 あるいは……Ms.ハシダスガコ路線? 「渡る国連は鬼ばかり」みたいな……。

>バーチャルネット・アルケミスト はるか さん(4/13)
>□04月13日 ご神託を更新しました。お勉強のために拝読先を追加しました。
 追加されました♪ お勉強サイトじゃないんですけど……(汗)。
 それはともかくとして、「私信イコール最初はツッコミから」という慣例にしたがって……そんな慣例ないですが(笑)。

>今回も当然の如く「ヅォンドゥー」をグーグルでいくら検索しても番組紹介を除いてそんな名前のUMAは引っかかりません。
 私が前に書いた「サハフ情報相」でもそうだったんですが……って、サハフさんはいま行方不明でもちゃんと実在するけど(笑)……カタカナで検索するのは限度があるんじゃないかと(笑)。
 そっち方面は全然なんで代案はないんですが、アラビア語でも中国語でも、発音がややこしいので、そのままカタカナ表記って難しいんですよね。
 一応、アラビア語→ローマ字表記の標準はあるんで、英語サイトでの表記は大体決まっているみたいだけど、「ハ」や「カ」に2種類あったり、アイウの母音に聞こえるのが違って子音だったりで、地名ひとつとっても面倒です。サハフさんなんかローマ字で私が見ただけでも2種類あったし。
アラビア語は右から左にアルファベット書きです  左は「バグダッド」をアラビア語で書いたもの……アルファベットをそのまま並べるとBGDADなので(アラビア語は、こう見えても(?)アルファベットで、子音しか表記しません)、そのまま起こすと「バグダード」になりますね。
 というわけで、検索するなら元の言語の文字(ってこの場合ベトナム語?)か、ローマ字表記のアルファベットで検索しないと見つからないと思います♪ ……それでも見つかるかどうかは保証しませんけど(笑)。
 あ、それと、エクソシスト(04/12)ですけど、エクソシズム(exorcism)って「悪魔払い」で、正常に戻す作業ですから、「悪魔憑き」とか「シャーマンになった状態」とは逆方向ですよね。
 日本だと狐でも犬でも憑いちゃうけど、やはり一神教の場合はかなり違ってくるだろうし……。
 ……精神科医療史から見た憑き物は、大先輩が手がけているからストップ、だそうです(笑)。系統は違うはずなんだけど……。
 というわけで、どういうわけかは謎だけど今後ともヨロシクです♪
 追記:私たちの党(党?)は各ジャンル専門に担当する12省庁制(省庁??)になってまして、こちらの分野についても専門家が別にいます(笑)。というか、私は本来はエンジニアリング担当なんですが、一般教養を詰め込みで……。


>可憐ちゃん(4/13)
>さて、そろそろ閲覧者様方に可憐13歳は何を主体としたHPですかと聞かれそうな今日この頃、
>いかがお過ごしでしょうか?
>ちなみに当サイトは可憐の頭の引き出しから適当にネタを引っ張ってきて構築するサイトとなっております♪
 路線的には一緒かなー(笑)。
 ウチは引き出しの立てつけが悪いらしくて、引っ張ったくらいじゃ引出し出てこないんで、きっかけが必要……で、見るテレビがニュースだけだとこんなことに(苦笑)。
 ニュースの合間にたまたま見た「ドラマDモード 陰陽師」(再放送)みたいな特殊例はあるけど……。それも花火工場のニュースで思いっきり飛ばされましたが。
 まあ、NHKのドラマは「考証」「指導」が(割と)しっかりしてるんで安心して見られます。「ER 緊急救命室」は……どうかなあ(汗)。日米でシステム違うし〜。
 ……「陰陽師」は、ねえ、設定とか考証とかはともかくとして見るドラマだと思うし(笑)。私は「平安を舞台に置き換えて、拡大鏡を陰陽道に持ち替えたシャーロック・ホームズもの」としてこのドラマ見てます。ワトスン役がポイント♪
 そうそう、私の安倍晴明のイメージは、澁澤龍彦(たとえば「三つの髑髏」=『唐草物語』所収)あたり。
 年取っても老いない、というのは、アイドル系の役者さん使いやすい原因だろうけど……。いっそのこと、「ホントにこの人はいつの再放送見ても変わってないなー」と思っちゃう宇津井健を主役にしてみるとか……見たいような見たくないような(汗)。

>詩子さん(4/14)
>ニュースも知らない風味ですか?>ドナルド
>お友達の偽伍長殿は、報告書も読まないで昼寝してる風味なので、まあその程度風味なんでしょう。
 善意に解釈すれば、「報告書」にして上がってくるまでに改変されちゃって、「勝った、勝った」の大本営発表になってるのかも〜(←それもどうかとは思いますが)。  歴史を見ると、「幻の大戦果」となった1944年10月12日の「台湾沖航空戦」(「〜海戦」とも)では、まったくアメリカ空母部隊に損害を与えなかったのに、「敵艦58隻を殲滅」という大本営発表になったんだけど、これ意図的な情報操作ではなくて、本気で大本営が信じ込んじゃった様子。
 それというのも、「未確認だが魚雷は当たったと思う」程度の現場の報告を、上に上げていく途中の幹部が、「命中してくれていれば無傷ではないだろう、『中破(未確認)』にしよう」、さらには「『中破』なら、その後の第二次攻撃で沈没しているに違いない」と、希望的観測でどんどん膨らんでしまったという。実際はまったくの無傷、1隻も沈んでいない「歴史に残る大誤報」だったのが分かったのは戦後の話。
 ま、ちょっと覚悟はしておけ♪、というカンジかな(苦笑)。
 個人的には、報告情報は一度フォーティーワンに「翻訳」してもらったほうがフォーティスリーには理解できるようになるんじゃないかと……。先代の意向と板挟みになって苦労する「大番頭パウエル」……まんまハシダスガコ路線か(笑)。

>事件は会議室じゃない、現場で起きているんだっ!!!
 返歌。(?)
 戦争はイラクじゃない、デンパで起きているんだっ!
……おそまつさまでした(笑)。


 えと、もう一件、私信……というか業務連絡のほうが近いかな(汗)
 こんなん来ちゃいましたけど、どうしましょーか?(笑)

2003/04/13 先進国?

 議席でさわいでいる議員たちを、ひそかに「蛙ども」と思ったことを白状する。(終戦時の内閣書記官長あたりの挨拶)
 こんばんは、鈴凛です。
 昨日は途中で日付が変わってしまいました……。「正午のニュース」で目覚めるとは(苦笑)。
 今日は統一地方選挙前半戦……これを「いっせい地方選」と書くとそれだけでその人の党派が分かってしまう不思議が……なんだかなあ(笑)。
 えーと、選挙期間中は政党でも届け出の広報媒体しか許されないので、特定候補の名前書くのは(支持・不支持のどちらでも)、私的なページでも問題あるんですよね。なんか普通に書いちゃっているような気もしますけど、本来の法の精神から言うと……。
 それ以前に、版権VNIが特定の支持政党を言っちゃマズイんですけど(笑)。
 ……というか、優等生っぽく「有権者の皆さんは、投票に行きましょうね♪」と締めたかったんですが、よくよく考えてみると、投票率が低いと相対的に有利になる組織政党とか考えちゃうと、投票に〜の呼びかけそのものが政治的発言になっちゃう危険が(汗)。なるべく無関心でいてくれたほうが有利な人もいそうだし……。
 と、なんか地雷だらけみたいなんで、違う話題に♪

 ……えー、頭痛を訴えていたウチのアニキですが、13日早朝、東京都内の病院で急ってコレは何の予定原稿ですか(冷汗)
 そうではなくって、頭痛に引き続いて、「魔女の一撃」で寝込んでます(苦笑)。もともと持っているとは言っても、なんにもしてないのに情けない……。

 今は昔、地下鉄サリン事件発生の一報を聞いて、Medline(アメリカの医療論文データベース)で「サリン」の症例を叩いた人が……いまでもやってることあんまり変わらないような気がするけど……あ、いまはそれどころじゃなさそう(苦笑)。
 で、当時出てきた論文が日本の「松本サリン事件」に関する症例報告ばかりで驚いたらしいです。まあ、サリンのような神経ガスの症例って、世界中から集めたってそんなに出てくるわけないんだけど……。
 これと似た話は、「水銀中毒」にもあって、アメリカで水銀中毒の治療にあたった医師が、「教科書の水銀中毒では、腎障害がメインなのに、なぜ脳神経障害??」と疑問に思って、「クール病やスクレピー」まで疑っていたところに、「Minamata Disease」の症例報告が届いて初めて分かった、というケースが『推理する医学』という本に出ています。
 水銀中毒の場合、有機水銀と無機水銀では症状がまったく違うので、水俣病を知っている日本人から見ると「水銀中毒と言えば水俣病」という見方をしやすいんだけど、世界は逆。このほかにも、イラクで小麦が有機水銀に汚染されていて、水俣病と同じような症状を起こしたのがしばらく謎だったということもあるみたい。
……何かどこかで聞いたことある国や言葉が並んでいるような(笑)。

幹部55人のひとり、フセイン大統領顧問が米軍に投降 (朝日)
 ドイツのZDFテレビは12日、フセイン大統領顧問のアメル・アルサーディ氏がバグダッドで米軍に投降したと伝えた。

 アルサーディ氏は科学問題担当の顧問で、米軍が11日、身柄確保の対象として挙げた政権幹部55人に含まれている。AFP通信によると、同氏はZDFテレビのスタッフに伴われて投降し、フセイン大統領の居場所は知らないと述べたほか、イラクは大量破壊兵器を所持していないと主張。「罪になるいわれはないので投降した」と話しているという。 (04/13 00:58)
 またイラク側というか、アラブ的戦略思考の勝ちですね、コレ(苦笑)。
 投降前にドイツのZDFテレビに出演してインタビューに応じた上に、ZDFテレビのカメラに付き添われて投降したんでは、アメリカだって下手な扱いはできないわけで……。
 「投降しても消される」可能性を消去してから、暴徒などに殺される心配もなくすために投降してしまうということじゃないかな?
 転んでもタダでは起きないと言うと語弊があるけど、「一億火の玉」と違って、ぶつかり合いの中で生きてきた人は“したたか”なのかも。

 で、したたかなのはともかくとして……イラク国立博物館でも略奪、収蔵品の大半消え壊滅的損失。「ハムラビ法典」の石板まで盗難、とのこと。
 盗むだけならまだしも、壊さないようにお願いします……。盗んだものはあとでマーケットに出てくるかもしれないけど、壊しちゃったら二度と取り返しがつかないんで……。
 科学問題担当なら、真っ先に止めてください〜。アメリカも大量破壊兵器とフセイン氏の行方を尋問するよりも、こっちの対策をなんとか……。

>真紀奈さん(4/13)
> 例えば、あらゆる商品に極小のチップが埋め込まれます。そのチップにはそれぞれIDが振ってあって、それを読み取ることでそれが何であるのかがわかります。

> 一見すれば確かに便利そうな社会です。真紀奈みたいに物事を忘れやすい人間からすれば歓迎すべき社会かもしれません(苦笑)
> 問題は、監視が可能になるいうことです。

> 現在の所、チップを読み取ることのできる距離は数十センチから1メートルくらいということですが、チップとスキャナの性能が上がることでこの距離は伸びることが予想されています。ということは、部屋の外から部屋の中にあるものをスキャンすることも可能になるということです。そうなれば、隣の人がどんな本を持っているのか、どんな品物を持っているのかをリスト化して、その人がどんな思想/趣味の人かなどを調べることができてしまいます。
> 個人ではそういう強力なスキャナをもてないように法整備を行うかもしれません。けれど、強力なスキャナを捜査機関に与えると言うことはやるのではないでしょうか。そうすれば警察は簡単に捜査を行えるようになります。……プライバシーの侵害も一緒に。
 現在でも、「Nシステム」の記録から、ある特定のクルマのある日の行動を追跡するくらいのことは警察は平気でやってるわけで……。
 アメリカで、裁判官忌避のきっかけが「その裁判官が借りたことのあるビデオの傾向」だったことから問題になって、ビデオ・プライバシー保護法が作られたとか……。そのアメリカも同時多発テロ以降は公安警察に逆戻り、の感があるしなあ。
 ところで、これ読んで私がとっさに連想したのは、「航空機と新幹線の事故対策」だったりします。
 航空機事故となると、必ずといっていいほど「ボイスレコーダとフライトレコーダ」はどうなった、という話になりますね。1983年の大韓航空機撃墜事件で「ブラックボックス」という呼ばれ方が定着したけど、「謎の事故もあれさえ見つければ」というイメージが定着してる。実際は見つけたから分かるというわけではないんだけど、それでも事故直前までの計器の状態や、操縦席の会話が再現されるのは大きい。
 ところが、安全工学的には同じくらい高いレベルの対策が要求される新幹線には、こういった記録計はついてません。これは、事故や運転トラブルが起きたときに、安易にオペレータ(運転士)に責任を押し付けるのではないか、事故でなくても勤務評定に利用されるのではないか、という懸念が国鉄時代に組合側から出て、そのままになってるというのが原因らしいです。
 匿名が原則のセイフティ・レポートのような発想がないと、複雑怪奇なシステムの事故の原因は追究できないし、その結果また同じ事故を繰り返すことになりかねないんだけど、相互不信の構造があると、もう技術とは全然関係ないレベルの話になっちゃう、という例。
 とは言ってもコレ他人事ではなくて……身近なとこで、「MSNメッセンジャー」の「品質改善プログラムに匿名でデータを送信する」にチェック入れるのって抵抗ありません?(笑)
 技術レベルで「こういうことできます」というのが、そのまま活用できるかどうかは、よほど信頼関係がないと難しいだろうなあ、と思います。
 まして日本の場合、警察が「(以下略)な状況」なわけで、警察に対するチェック・監視が必要なところに、そういう懸念を「ビデオ・プライバシー保護法」のように“ぶつかり合い”の中で着地点を見つけていくという文化さえもないわけで……。
 アメリカのロコツなぶつけ合いは時にはどうかなあ、と思わないでもないし、禁酒法や赤狩りのようなムチャな方向へも突っ走るわけだけど、それをチェックしていく文化というのは、「なあなあ」「臭いものには蓋」で済ませていく日本にはないインフラなんじゃないかと思います。通信や識字率のような単純なレベルではない「インフラ」ではないかと。
 ……後藤田さんは気軽な話し好きの人で私が質問するとていねいに教えてくれた。
    警察庁長官として一番大事なのは何ですか?
    それは君、首都東京の治安だよ。だから警視総監が大切だ。
 と答えたうえで、長官としては東京を応援する神奈川、千葉、埼玉の県警と本部長を重視している、と言われた。私が更につっこんで県警の本部長や幹部が長官の言うことをさぼったりすることはないんですかと聞くと、
    そのときは次の人事でパチッとやる。
 と言われたが、この「パチッ」という言葉が非常に印象的だった。エリート官僚は出世が大切だから順番をおくらしたり、まして左遷されたら大変だから言うことをきく。成程、人事権はこういうように使うんだなと勉強になった。
(正森成二『質問する人、逃げる人』,清風堂書店出版部,2002)
 コレ、「警戒を解かない」相手からの印象ですが(笑)、ところで現在の警察のトップは「パチッと」やってますか?(苦笑)

 ちょっと待って、20時に投票締め切りで、いま(20:04)、岩手県知事選挙・福岡県知事選挙で現職の当選確実(NHK)って……。開票の結果が出てないのに当確というのは、それもう開票速報じゃないよ!(汗)
 まあ、福岡県知事選では、現職で自民・民主・公明・自由・社民・保守新党・自由連合の推薦で負けたらそれはそれで、ねえ……(苦笑)。
 それにしても、選管の発表の前に、出口調査だけで決まっちゃうんじゃあ、盛り上がるはずないよね〜。
 って、ウチは開票速報はしないですよ?(笑)
 NHKは武田アナ出してきましたか。平日の昼〜夕方担当しているのに、若いですね〜。
……そういう見方しないよーに(苦笑)。


 ところで冒頭の書記官長氏、戦後は参議院議員(全国区)になっているので、冒頭のコメントにつづけて
 それがいまは、自分自身が蛙の一つになり、選挙のたびに蛙となるべく必死の努力をするのだから、われながらおかしくなってしまう。
(迫水久常『新版 機関銃下の首相官邸』,恒文社,1986)
と書いてます。……今日こういうオチでいいのかしら(笑)。

2003/04/12 老害

 1907年12月に(元素は永遠不変と強く主張した)ケルビン卿は死去、翌1908年1月に、ラザフォードが放射性崩壊の理論を発表した。続いて起きたこの二つの出来事は、まったくの偶然ではなかったかもしれない。(『方励之が語る宇宙の始まり』あたりの挨拶)
 こんばんは、鈴凛です。
 ものすごい業績を上げた大先生が、歳をとって「権威」になっちゃうと、時として若い研究者に対して無言の威圧を与えることがありますね〜。
 いまも絶対温度の「K」に名前が残っているケルビンにしても、ラザフォードの放射性崩壊の理論の発表には邪魔だったみたいだし……。結構こういうのはあります。
 ドイツの大病理学者・ウィルヒョウ博士(1821-1902)も、人間だからカンペキなはずはないんだけど、権威になっちゃうと間違っても直されないで通っちゃう。
 ウィルヒョウ先生の功罪はアレコレあるけど、いまにまで影響が残っているカンチガイが「盲腸炎」。右わき腹が痛むあの病気だけど、痛む場所の「住所表示」が間違っているのね。
 盲腸の「盲」は、……差別用語の問題はないわけじゃないけど……向こう側が見えない、「行き止まり」という意味でよく使います。  ピストルをヒトに向けて撃ったときに、弾丸が体内で止まって摘出しなきゃならないようなのを「盲管銃創」(これに対して、射抜いちゃって向こう側に貫通したのは「貫通銃創」)と呼ぶのもコレ。
 で、胃→十二指腸→小腸→大腸とつながっている、最後の小腸と大腸の間のとこ、カンタンにいうとT字路みたいな形でつながってます。小腸がTの縦棒で出てきて、Tの横棒の大腸に突き当たるんだけど、横棒の左側はすぐ袋小路の行き止まりで、右にずーっと大腸がつながっているのね。この左の袋小路のとこを「盲腸」と言っています。
 この袋小路のとこに、さらに奥に入る細い路地があって、これもすぐ突き当たっちゃう行き止まりなんだけど、この細い路地が「虫様突起」または「虫垂」です。
 俗に言う「盲腸炎」は、この細い路地のところで炎症が起きるもので、手前の広い袋小路は関係ないのだけど、19世紀のウィルヒョウ先生は「どーもこの辺らしい」ということで「盲腸炎!」と名付けちゃったみたいなのね。
 以来、ウィルヒョウ先生の死後100年を過ぎても、世間的には「盲腸炎」と呼ばれてます……。「虫垂炎」が多少出てきてはいるけど……。「アッペ」(Appendicitisの略)とか呼ぶのは、また別の問題(笑)。
 微生物研究に多大な革命をもたらしたパスツール先生にしても、晩年は生化学の発展に(結果的に)邪魔をしたりしてるのを読んで、「引き際がカンジン」というのは確かにあるんだなーと思った土曜日の夕方でした♪

 ……後刻更新します〜。

2003/04/11 薬と爆弾

 中国で火薬を発明したのは……不死の秘薬を求めた練丹術師たちだった。永遠に生きられる薬を見つけたいと願う人々が、その代わりに何百万人もの人間を殺すことになる単純な物質を発明したのだから、なんとも皮肉な話である。(『中国の科学と文明』あたりの挨拶)
 こんにちは、鈴凛です。
 鹿児島市の花火工場で爆発事故、6人死亡とのニュース速報がありました(=11日14時)。

 塩素酸カリウム(KClO2)は、花火の原料として古くから使われていますが、一方で「うがい薬」にも。
 もっとも、塩素酸カリウムは火薬の原料としても不安定で危なすぎるので、現在では主に過塩素酸カリウム(KClO4)が使われていますが……。
 塩素酸カリウムにしても、過塩素酸カリウムにしても、要は「酸化剤」。
 酸素がなければ物は燃えない、というのは小学校でも教えてるけど、「激しい燃焼」の「爆発」には、空気中の酸素だけでは供給が追いつかない。ガス爆発にしたって、ガスだけではかえって爆発しにくくて、空気との混合率が一定の割合になったときに爆発するわけだし。
 それで、爆薬や火薬の類には、空気中の酸素よりも潤沢に酸素を供給してあげる材料が入っているというわけ。……「潤沢に供給」って、なんか日銀のコメントみたいだけど(笑)
 実験室で酸素を水上置換法で発生させるのは、二酸化マンガンを触媒にして過酸化水素水(オキシドール)から取り出すのは小学校でもやるけど、同様に塩素酸カリウムから取り出すこともできる。ただ、塩素酸カリウムから取り出すのは、実験レベルでも爆発の危険があるので、最近は高校の化学でもあまりやらないみたいだけど……。
 KClO4 → KCl + 2O2↑  (過塩素酸カリウム→塩化カリウム+酸素)
 2KClO3 → 2KCl + 3O2↑ (塩素酸カリウム→塩化カリウム+酸素)
 この場合も、過酸化水素水のときと同じく、二酸化マンガンは単なる触媒なので、自分自身は反応の前後で変化はしません。
 この酸素を取り出す実験のとき、炭素などの燃えやすい物質が混じってると、ホントに爆発するので要注意。
 このように、(過)塩素酸カリウムは、ちょっと突っついてやるとすぐ酸素を放出してくれるので、空気中の酸素に頼らずに、ここから酸素を出してもらおうというのが火薬の原理です。
 硝石(硝酸カリウムKNO3)は、同様に酸素を出してもらえる上に、自分自身も燃えやすいので、もっとも原始的な火薬である「黒色火薬」の材料には硝石が使われてます。黒色火薬の場合は、イオウが発火温度を下げ、燃焼時に硝石の融点まで温度を上げ、混合されている炭素と一緒に派手に燃える、という原理。
 「金属カリウムを水の中に放り込む」実験を、高校の化学でやったことがあれば、カリウム自体のカゲキな反応も分かりやすいんじゃないかなあ。
 西暦850年頃の中国の文献に、不老不死の霊薬を作ろうとした道家が、イオウ・二硫化砒素・硝石・蜂蜜を混ぜたところ「煙と炎が出て家が全焼」したので、こういう処方は危ないからやめなさい、という記述がある、と中国科学史のニーダム博士は書いていて、この西暦850年を「世界ではじめて本格的な火薬が現れた」としています。
 ところで、ニーダム博士(Joseph Needham,1900-1995)は、元々は生化学者だったのが、ケンブリッジ大で教えているうちに、中国出身の科学者と知り合って中国科学史にのめり込んだという人で、ユネスコの設立にも貢献してます。
 あまり知られていないけど、朝鮮戦争でアメリカ軍が生物兵器を使用したという「アメリカ軍の細菌戦争」という国際科学委員会の報告にも参加してて……。『図説 中国の科学と文明』の序文を、ニーダム先生が次のように締めくくっているのも、この経験と無縁ではないでしょう。
 中国やイスラムの科学では、科学と倫理の分離ということは夢にも考えたことはなかったが、科学革命でアリストテレスの目的因が捨てられ、倫理が科学から追い出されると、事態はすっかり変わってしまった。それは人々に脅威を与えるものになった。……
 科学は宗教、哲学、歴史、あるいは美的経験と相俟って生かされなければならない。それが独り歩きをすると、大きな害悪を招きかねないのである。
 現在、わたしたちにできることは、……原子力兵器の信じ難いほど危険な力が、信頼できる人々のコントロールのもとにおかれ、気違いじみた人間が、人類のみならず地球上の全生物を消滅しうる力を人類に対して行使することがないようにと、切に望み、ひたすら祈ることである。

 ……えと、何の話だっけ?(←またそれか)


>えふすくさん(04/11)
>◇【イギリス】狂牛病は人肉食で拡大?◇
>>1920年から50年にかけて、パプアニューギニアのフォアと呼ばれる部落で、
>>クールー病が大発生したことがあった。この部落では、50年代に禁止されるまでの間、
>>死亡した親族の肉を食べる風習があった。
>風習そのものの是非は別として。
>重要なのは「異常型プリオン」は食事で感染する可能性が高い、ということ?
 ニューギニア高地のクール病(Kuru)は、人肉食、もっと正確に言うと「」を食べていた風習が原因と考えられてますが、風習とともに病気も撲滅されちゃったので、詳細は謎のままです。
 ただクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD、ヒト)や、スクレピー(ヒツジ)、狂牛病(ウシ)などと同じように脳がスポンジ状になる病気だったので、プリオンが原因だろうと言われています。
 で、この元の記事のポイントは……。

CJDなどプリオン病は人肉食で広まった? 英研究
> このことからチームは、人肉食の風習がある集団では、耐性遺伝子を持った人が生き残るという自然選択があったと考えている。
 人肉食の風習があると、感染の危険も多いので、「耐性遺伝子を持ってないと生き残れない」という「ふるい落とし」があったのでは、というのがこの新説ですね。
 同様の例として有名なのが、赤血球が変形する遺伝病の「鎌状赤血球貧血」の患者は、原理的にマラリア(熱帯熱マラリア)にかからないというもので、マラリアが流行したときでも種族が全滅しないように、こういう遺伝子が残ったのだろうと言われています。
 この遺伝子をもった集団が、マラリアのない地域に移住すると、今度は貧血のほうが致命的になって、遺伝子を残す前に若死にしてしまうので、この遺伝子は自然になくなっていくという……。
 プリオンが食事で感染するかどうかは、古典的CJDでは脳組織の移植によるとされているので、まだ不明な点も多いですが、スクレピーや狂牛病では動物性飼料が与えられた(早い話が草食動物なのに共食いさせたから)のも原因だというので、ある程度は関係しているのではないかと……。種の違うウシやヒツジから、ヒトに経口感染するかどうかは、さらに不明ですが。
 クール病にしても、脳を食べる習慣との関連があるとは言っても、ホントに経口感染なのかどうか、傷口を介してではなかったかとも言われてますし。
 ……CNNさんのタイトルのつけ方に異議あり、かな(苦笑)。
 この本文を読む限り、この研究の趣旨は、
「人肉食→プリオン病が広がった」
ではなくて、
「プリオン病への耐性遺伝子がある→古代に人肉食が行われていた証拠」

というものなので……。題名に偽りあり、というか、JAROモノかも(笑)。

2003/04/09 ホントに終わるのかな?

 信なくば立たず(日本の政治屋さんがよく使うけど実際はそんなハンパなものじゃない『論語』の一節あたりの挨拶)
 こんばんは、鈴凛です。
 バグダッドは急展開、住民が徹底抗戦どころか、一部で略奪を始めて無政府状態になっているというニュースが入ってきました。
 柳澤NHK解説委員は、5日に最初に米軍がバグダッドに入ったとき、「サハフ情報相が即座に反論している。その内容の真偽は別として、この反論が即座にされる限り政権は機能していると見るべきだ」と述べて、ある意味サハフ情報相の会見がなくなったときが政権崩壊のシグナルであるということを述べていましたが、その予想通りというか、今日はサハフ情報相の会見はなかったということです。
 外国人ジャーナリストの通訳兼お目付け役の情報相の役人も、昨日砲撃を受けたパレスチナホテルに姿を見せなくなり、外国人ジャーナリストは自由に取材できる状態とのこと。
 イラク国営テレビ・ラジオの放送をほとんど完全に止めたのが大きかったようです。
 ……NHK夜7時のニュース、「バグダッドの一部で無政府状態という情報が北部クルド人自治区に流れ、クルド人自治区では『バイバイ・サダム』などの声が上がっている」と速報を伝えて、すぐに「でも国営テレビもラジオも止まっているのにどうして伝わったんでしょうか」と柳澤解説委員に聞く畠山アナはさすがだと思いました。原稿読み上げタイプのアナウンサーには無理な芸当ですよね〜。
 柳澤解説委員は「ものすごい速度の口コミがあるのと、北部クルド人自治区ではお金持ちは外国の衛星放送を見ているため」と即答。
 その後すぐに「クルド人自治区の反政府運動の指導者は、『(自治区では)衛星放送のテレビを持っている家に皆が集まってテレビを見ている。本当にフセイン政権が崩壊したかどうかまだ不明で、慎重に見ているところだ』と語っている」という情報が伝えられました。
 まあ、ここまで来ても「慎重に見ている」というところが、「まだアメリカは信用できない」というものすごい不信があるわけだし、いざフセイン政権は終わったとなると、クルド族は今度は分離独立に動くだろうから、アメリカはそっちをなだめなきゃならないことになるはず。
 すでに「バルザーニ氏の写真を掲げて喜んでいる」というのが危険なシグナル……。というのは、バルザーニ氏はクルド独立のリーダーとして、親子2代にわたって独立の反乱を起こしてきた人なので、ここで悲願の独立を、という期待へ動きそうだから。
 今回、アメリカがクルド族に武器を与えたという話もあるし、無政府状態で「独立宣言」を、それもその辺の活動家ではない「名家」のリーダーが出しちゃったら、猛烈な運動に発展しかねない。そうするとトルコとの軍事衝突もありうる……。
 というわけで、このまま行けば、イラクは「あっけない幕引き」になりそうですが、そこで思い出されるのが冒頭の孔子のコトバ。
 子貢政を問う。子曰く、食を足らし、兵を足らし、民、これを信ず。子貢曰く、必ずやむことを得ずして去らば、この三者において、何をか先にせん。子曰く、兵を去らん。子貢曰く、必ずやむを得ずして去らば、この二者において、何をか先にせん。子曰く、食を去らん。古より皆な死あり。民、信なくば立たず。
(『論語』顔淵第十二)

 子貢が政治について聞いた。孔子の答え。食糧の充足。軍備の充足。人民が信頼の心をもつこと。
 子貢はさらにたずねた。この三つのうち、どうしてもやむを得ずに、どれかを捨て去らなければならないとすれば、三つのうちでどれを真っ先に捨て去るべきものでしょうか。孔子曰く、そのときは軍備を捨てなさい。
 子貢はさらに問う。残りの二つ、食糧と信頼のどちらかを捨てなければならないとすれば、どちらを捨てるべきでしょうか。孔子曰く、食糧の充足を捨てよ。人はもともと死ぬということは、大乗件として確定したことである。そうである以上、その他の条件は犠牲になることもあろう。ただどうしても後退させることのできない条件は「信」である。人民は、信頼がなければ成り立たない。
 「信なくば立たず!」なんて絶叫して日本の政治屋さんは、根底の「政治不信」を放置してるあたりが全然(以下略)。
 とくに「軍備」を買いたがる政治屋さんが多いけど、「食糧」が充足してる今はそんな空気でいられても、なんぼ軍備があっても「信」がないとフセインと同じパターンですよ〜。
 もっとも、戦勝国?のほうも、ジャーナリスト撃っちゃったために、元々ややこしい問題抱えているところに別の問題を追加しちゃってますが……。
 カタールの中央軍前線司令部での記者会見、「ホテルからイラク兵が狙撃してきたのでやむなく反撃した」という発表に、欧米のジャーナリストから「ホテルでは銃声など一度も聞いたことがない」「ホテルで軍人を見かけたことはない」「フランス・アンテナ2のTV映像では、戦車は発砲前2分以上かけてホテルに照準を合わせていた」と、質問が容赦なく浴びせられました。ジャーナリストの団体がラムズフェルド国防長官に質問状を送ったり、自国のジャーナリストを殺害されたスペイン政府が公式に徹底究明を求めたりという事態に。
……「イラクで勝って世界で負ける」ことになるのかも。

 ところで、反政府運動が蜂起しても、しばらくは手を出さずにいて、いきなり軍隊が発砲して徹底的な弾圧をした天安門事件の例は忘れてないよね?
 アメリカ軍が安心して目を離したら、2〜3人の民兵が自動小銃乱射して惨殺、なんてことがないとは言い切れないから、今度は見捨てないように……。

 イギリスのブレア首相は、「フセイン政権の誰であっても問わないが、権限のある高官から正式な降伏文書が出されるべきだ」と発言してますが……「要人の集会がある」としてバンカーバスター撃ち込んでおいてそれは無理なのでは?
 あれが命中したかどうかは疑問だけど、もし目的を達成していたら「権限のある高官」は皆殺しになってたはずだから。この辺、とにかく目に付く敵は殺してしまえというアメリカと、基本的なスタンスが狂ってきてるような……?

>psychicerさん
> 児童買春や実写のヌード写真が規制枠に入るのは当然だと思います。でもマンガやアニメなどの創作物の規制に関しては正直反対です。表現の自由に反します。(´-`).。oO(まさか言論の自由まで規制しないよね…そんなことしたら日本は滅ぶよ?(過去に言論統制した国はすべて滅び去っています))
 実は私が児ポ法反対運動に積極的にならないのは、そこが原因だったり……。
 つまり、日本はもう手の施しようがなくなってるので、もういっぺん戦争やって思いっきり焼け野原になって、リセットしなおしてもらうしかないかなー、と思ってるので、早いとこ滅んじゃってよ、という。
……すでに「政治不信」どこの騒ぎではないですね(苦笑)。
 でもコレ、皮肉でもなんでもない真面目な話で、歴史を振り返るといったん滅んじゃったほうがいいと思ってます……。「日本の余命は、もって5年」とはアニキの口癖。

>バーチャルネット風味 詩子さん(4/9)
>特に李白の場合、酔っ払って池に映った月を取ろうとして溺死したと言う強烈なエピソードもある風味ですしネ。(^^;
>中国どころか、酔っ払いの世界代表かもしれません。
 いつも読んでますけど、初私信♪
 唐詩の詩人って、世捨てとまでは行かなくても、だいたい仕官に失敗して拗ねちゃってる人多いんですよね(笑)。
 なかでも李白は、宮廷に入ったのにムチャをして追放されたという伝説も……。実際は病死なのに、こういうエピソードが生まれるあたりも伝説の酔っ払いみたいなとこがあります(笑)
 『唐書』列伝に
 李白字太白、山東人。少有逸才、志氣宏放、飄然有超世之心。
 既而玄宗詔、……遣使召之……白既嗜酒。玄宗度曲、欲造樂府新詞、亟召白、白已臥於酒肆矣。召入、以水灑面、即令秉筆、頃之成十餘章、帝頗嘉之。
とあって、玄宗皇帝に宮廷詩人として招かれたときだけでなく、宮廷に入ってからも酔っ払ってて、詩を作れと命じられたときに水で顔を洗ってからさっと十数首を作ったので皇帝が喜んだ、とありますが……まあ、そんなムチャしててしかも皇帝の覚えがよければ、他の高官には嫌われるよね(笑)。
 ところで同じように大事な場所に酔っ払って出て行って名言(暴言?)を吐いた人に、かのチャーチルがいますけど……。議会に酒飲んで出ないでよ、という(笑)。


 戦争が早く終わってくれると……個人的には「特番編成」から戻れるので歓迎します♪……慢性のネタ不足に戻っちゃうけど(←ちょっと待て)
 ……でもマジでそろそろ本来の路線に戻らないと……って元々外れてたよーな気もするんですけどね(汗)

2003/04/08 光陰矢のごとし

 「百代の過客」をわざわざ「はくたい」などと教える必要があるだろうか。「国語離れ」を招いてるだけではないのか(ご自分は旧かなづかい固守するポリシーながら、主張はかなりラジカルな先生あたりの挨拶)
 こんばんは、鈴凛です。
 今日はイラク情勢の前に(ってニュース番組じゃないんだから(笑))ひとつ。
 10万アクセス&祝辞ありがとうございます〜♪
 基本的に、アクセス数は後からついてくるものだと思ってるんで、他のサイトさんに対して祝辞もしなければ、ウチの「〜万」への祝辞にも応えないということにしてます。まあ、ぶっちゃけ、自分とこも含めてあまりアクセスカウンタ見てないから気づかなかったりするのも大きいんですけど(笑)。
 今回は(10進で)桁が上がったんで、一区切りということで例外で♪
 なので、あちこちで祝辞いただいてますが、個別のお礼はゴメンナサイということでお願いします&今後ともヨロシクです♪

>真紀奈さん(4/4)
> さて、春と言えば新年度の始まりの時期です。心を入れ替えて新しい年度に望もうという人たちへということで、福沢諭吉「学問のすゝめ」から一節を紹介しておきたいと思います。
 という、ひそみに倣って、今日のタイトル大仰なものにしてみたんですが、そっちに行かなかったり……。
 「奥の細道」の「月日は百代の過客にして」もそうだし、それのもとになった李白の詩の一節も含めて、「時間が経つのは早いぞ、勉強しろ、仕事しろ」と、なんか急かされているようなフレーズなんですけど、実は李白の詩はそんなんじゃなくて、遊びまくってます(笑)。
 「李白が言うには」なんて引用すると、ああ中国の詩人は言うこと違うなあ、とコムズカシイ“教え”になっちゃうのかもしれないけど……ちゃんと原典に当たってみましょー。あ、いま、読み下し文と意訳は私が適当にしたので念のため(笑)

春夜宴従弟桃李園序  春夜、従弟の桃李園に宴するの序
 マジメな教訓の口調は、題でいきなり粉砕されちゃいます(笑)。宴だもん(笑)。
夫天地者、万物之逆旅也、光陰者、百代之過客也  それ 天地は万物の逆旅、光陰は百代の過客なり
 さて、天地はすべてのものの宿屋であり、時間は永遠の旅人だ。
而浮生若夢、為歓幾何  しこうして浮生は夢の若し、歓びを為すこと幾何ぞ
 そして人生は夢のようなものだ、楽しいことをするといっても、どれくらいのものだろう?高が知れてるよね。
古人秉燭夜遊、良有以也  古人燭をとりて夜遊ぶ、まことにゆえ有るなり。
 昔の人は、蝋燭をつけてまで夜遊んだというけど、それはホントに理にかなったことだ。
況陽春召我以烟景、大塊仮我以文章  いわんや陽春の我を召すに煙景を以てし、大塊の我に假すに文章を以てするをや。
 まして、暖かな春が、霞みのかかる景色で私を誘い、私にそれを描く文章の能力を与えられてはなおさらのことだよ。
会桃花之芳園、序天倫楽事  桃花の芳園に会し、天倫の楽事を序す。
 だから私は、今日桃の花の咲く心地よい庭に集まったことだし、天が与えてくれたこの楽しいイベントについて書くことにしよう。
群季俊秀、皆為恵連、吾人詠歌、独慙康楽  群季俊秀にして、皆な惠連たり、吾人詠歌して、獨り康楽に慚ず。
 いや、ここに集まったみんなは優秀で、有名な詩人の恵連のようで、私は詩を作っても恥ずかしくて詩人の康楽には見せられないけどね。
幽賞未已、高談転清、開瓊筵以坐花、飛羽觴而酔月  幽賞いまだ已まず、高談うたた清し。瓊筵を開いて以て花に坐し、羽觴を飛ばして月に酔う。
 季節を愛でる言葉は止まらないし、議論もどんどんピュアになっていく。敷物をお花畑に広げて座って、羽の飾りのついた杯を繰り返しては月に酔っている。
不有佳詠、何伸雅懐  佳詠有らずんば、何ぞ雅懐を伸べんや
 よい詩がなければ、どうやってこの心地よさを伝えることができるだろうか。
如詩不成、罰依金谷酒斗数  もし詩成らずんば、罰は金谷の酒斗の数に依らん
 じゃあ、もし詩ができなければ、罰ゲームでたくさん飲ませるということにしようか。
 ……誰かどうにかしてください、この酔っ払い(笑)。
 ということで、「時間は貴重なもので、人生ははかないものだ」という出発点は同じなんだけど、李白は「だから飲むぞっ!遊ぶぞ!!」という方向に突っ走ってたりします(笑)。
 「蛍雪」と「古人燭をとりて夜遊ぶ」では、夜の時間も惜しんでというとこは同じでも、その次が全然違ってる〜。

 さて、それでは今日のイラク情勢です……って何か方向性間違っているような気がするんだけどね(笑)。

 バグダッドで、外国記者団が詰めていてプレスセンターとしても使われているパレスチナホテルに攻撃があり、ロイターのカメラマンとスペインの記者の2人が死亡しました。
 アルジャジーラTVの事務所を空爆したのは、アメリカからすると「この際、目障りだからやっちゃえ」だったのかもしれないけど、報道関係者については、細心の注意を払って「巻き込む」のも避けるようにしないと、後々マズイと思うんだけどなあ。
 まだロイターの記者を殺したパレスチナホテルへの攻撃が、イラクかアメリカかどちらかはハッキリしてない(NHKの現地スタッフは「米軍の戦車が砲撃した」と伝えてるけど、他のメディアは「どちらか分からない」と言ってる)ものの、「民間人の被害」を出せばそれだけアメリカ側は不利になるんだから……。
→アメリカが認めました。ロイター電はバグダッド発・アメリカ東部時間8日8:10(=日本時間8日21:10)の記事"Reuters Journalist Killed in Baghdad Hotel Blast"で、
A Reuters journalist was killed and three were wounded in Baghdad on Tuesday when a U.S. tank fired a shell at the media hotel where they were working.

U.S. military officials expressed regret at the incident.
と報じています。

 先日の「退去する最中のロシア大使が攻撃を受け負傷」もあるし、国際世界から見て、「解放軍」のはずが「ワケわかんない連中」となったら、戦後統治どころか、この戦争が「フセインの判定勝ち」なんていう一発逆転もありうる話になってきちゃったかも。
 フセインはイラクで負けて死んでも、戦後の国際情勢でアメリカを不利な立場に追い込めれば、「以って瞑すべし」かもしれない……。

 そうそう、変検索って「こんなのが来たよ」ってネタにはしやすいんだけど、ネタにするとさらにヒットしちゃって状況が悪化するんで、ウチでは避けてました(笑)。
 ただ、「サハフ情報相 出身」は、言われてみたらなんとなく気になっちゃったんで、私も調べてみようと検索……日本語だと見当たらないのか〜。
 うーん、アラビア語からローマ字に起こすには、その前にアニキを叩き起こさなきゃならないから……ロイターあたりでないかなあ、と思ってウロウロしてたら、どこの国でも興味本位の人間考えることは一緒みたいで、ちょうどよさそうなのを発見♪

Sahaf: Defiant Voice of the Iraqi Government
Mon April 7, 2003 08:42 AM ET
By Nadim Ladki
AMMAN (Reuters) - A black military beret on his head, his mouth fixed in a blithe smile, Mohammed Saeed al-Sahaf has become the face and voice of Iraqi defiance.

Iraq's information minister seems completely undaunted by U.S. and British successes, and often as not flatly denies what viewers around the world can see unfolding on their TV screens.

Wearing his trademark green military uniform, with a pistol at the hip, he hurled abuse and insults. The American forces, he said, were "sick in their minds."
 書き出しから興味引くように……。それに今回一番テレビ出まくってる人というのは言えてるし(笑)。
 でも引用した最後の段落(原文はもっと続きます)は笑っちゃった。
……って、ジョークに笑わされてどうする(汗)。本来の目的の「出身」は……これにはあまり出てないみたい。
 で、この英文フルネーム"Mohammed Saeed al-Sahaf"で検索回してみたら、CNNで前のイラク危機のときの特集ページなど、いくつか情報がありました。
 それらによると、国連大使、外相などを経て現職。1998年の国連兵器査察問題のイラク危機では、「でっち上げられた危機」と名付けた。
 1968〜1974年、イラクラジオ・テレビ長官。1978年イラク国連大使。1992年外相。
 1940年生まれで、最初は英語の教師だった。
 ……そなの?
 そういえば、と、あの開戦直前に「亡命しようとしたが殺された」説に、本人が出てきて「ご覧のとおり、それは誤報だ」と記者会見したアジズ副首相(元外相)も英語使うなあ、と思って同様に調べてみたら、バグダッド美術大学で英文学を研究してたらしい。
 イラクの文官の会見に、妙にユーモアがあるのはそういうことも関係してるのかも?
 ……あ、そうだ、いいアイディア思いついた♪
 ラムズフェルドさんも英語の勉強をしてみる、ってのはどうかな?(←大間違い)

 もう一個。
 CBSニュースのサイトに行くと、バグダッドからのライブカメラがあるよ、とチャットで教わったんだけど、そのとき「なんか歌みたいなアラビア語がスピーカから流れてるみたい、空襲警報の代わりかな?」って聞かれました。
 そのとき、私はライブカメラ見てなかったんでその場では分かんなかったんですが、今日ライブカメラ見てたら、同じくらいの時刻(日本時間で0時すぎ)に、多分これかなあと思う声が流れて判明。
 多分、「礼拝の時間です」という合図の声(アザーン)だと思います。
 あ、この空爆の最中に礼拝なんかしてて大丈夫なの?って思うかも。それについては、イスラムでは礼拝は義務だけど、「例外」がちゃんと作ってあります。
 「聖戦の戦士、病人、旅行者」などが例外で、可能なら礼拝したほうがいいけど無理せんでもいいよ、と「コーラン」に書いてあるので。
 イランは、ホメイニ師に見られるようにものすごく厳格に規律を守れという立場だけど、それでもホメイニ師亡き後、「ラマダン」(断食)と、「イラン独自の暦による野遊び」の日がぶつかってしまったとき、断食の期間中なのに野遊びでお茶会をしてた、というのを平山健太郎氏が書いてます。なんと、「自宅から一歩でも外に出れば『旅行者』である」という理屈でOKになったんだそうで……そんなのアリ?(笑)
 →アザーンの詠唱は、http://islamicity.com/education/understandingislamandmuslims/から聞くことができます。
 "Search This Section"に、キーワード"adhan"で検索してみてください。 http://islamicity.com/ServerScripts/default.asp?ContentLocation=/Education/UnderstandingIslamAndMuslims&CurrentPageID=18&Top=&Bottom=&Right=&Left=&SideBarWidth=&RightWidth=&LeftWidth=&SideBarLocation=&Style=&CatID=&Destination=/Education/UnderstandingIslamAndMuslims/18.asp
……長すぎて直リンで行けるかどうか不安だけど(笑)。
 このページに英語で説明が書いてありますが、「アザーン」の内容は、「アラーは偉大なり」「神のほかに神たる神なし」「ムハンマドは神の使徒なり」(この3つはイスラムの信仰の根底)を中心に、「礼拝のために来たれ」「成功ために来たれ」と呼びかけます。早朝の礼拝のときのアザーンには「礼拝は睡眠に勝る」が入る、というのが入るというのは人間味があるかも。

 イラクの戦後の暫定統治機構の構想、明らかにマッカーサーの「進駐軍」のパクリデッドコピーだと思うんだけど……マッカーサーに相当する総司令官にフランクス司令官って、危ないと思うなあ〜。
 正直、「進駐軍総司令官」が民主化を進めるという、マッカーサー・プラン(勝手に命名)はイラクでは無理だと思う。
 問題山積なのは誰でも分かることだけど、何よりも最大の問題は「自分はどうなっても構わないから国民を助けたい」と降伏する人がイラクにはいないことで……。いまアメリカ側は、フセイン大統領を殺害する作戦をやってる最中だけど、日本のあの戦争で、天皇が空襲で殺されてたら終戦できただろうか??
 もちろん、天皇そのものを現人神として絶対と考えた当時の日本と、絶対の神・アラーがいて、それとは絶対に並ばない人間のフセイン大統領がいる現代のイラクは根本的に違うわけだし、天皇をトップに統治システム全体がまるごと「降伏」したようにはいかないだろうし……。
 それと、幸か不幸か日本には国家神道以外の「宗教」はないも同然だったから、宗教的な対立の構図は戦後の「進駐」には出なかったけど、イラクの場合は異教徒の最高司令官でしょ、難しいと思うなあ。

 丸谷才一先生曰く、「平和運動は馬鹿馬鹿しい。だが、それにもまして馬鹿馬鹿しいのが戦争である」。

2003/04/07 至急報

 話が違うじゃないか!(「勇気のしるし」のセリフあたりの挨拶)
 こんばんは、鈴凛です。
 「ルールを無視した戦争の進め方、私には許せん!」って続けちゃうと……三本締めでは一件落着しないだろうし〜。
 今日は先に至急報を打っちゃったんでまとまりがなくなっちゃいました(汗)。というか、正直な話、ここ最後に書いてたりします(苦笑)。
 というわけで、以下時系列がゴチャゴチャしてますが、基本的に古いのが上に来てます〜。

バグダッド市内に米軍侵攻、大統領宮殿に戦車突入か
 ロイター通信やNHKが伝えるところでは、バグダッド中心部に米軍の戦車・装甲車少なくとも25台が侵攻、バクダッド市内を地上からも攻撃しています。
 このうち米軍の装甲車または戦車が、フセイン大統領の「宮殿」と呼ばれる市の中心部にある「共和国宮殿」に入った、ということです。
 これらのニュースソースは、米軍の高官または目撃者とされていますので、信頼性はまったくのクエスチョンですが……。同じくアメリカ側の情報として、情報省のビルも米軍地上部隊が包囲しているということですが、イラク側の発表はまだ出ていません。


ロイター(英文速報ページ)http://www.reuters.com/newsArticle.jhtml?type=topNews&storyID=2517459
US Forces Attacking Central Baghdad -US Military
Mon April 7, 2003 01:00 AM ET
NEAR BAGHDAD (Reuters) - A column of U.S. tanks and armored vehicles have launched an attack on central Baghdad, a U.S. officer told Reuters on Monday.
"We're attacking right down in the center of the city right now," said Major Michael Birmingham, chief public affairs officer for the U.S. 3rd Infantry.

"The other day was just an incursion. This is for real," he added, referring to a foray U.S. armored forces made into southwest Baghdad on Saturday.

Reuters witnesses in the city said they heard shelling in a presidential palace on the west side of the river Tigris. Iraqi forces lit a oil trench in the area in an apparent attempt to confuse the attackers.

"We can see shells crashing into the palace. White smoke is rising from the compound. There are many soldiers in the area. We can hear artillery, mortars and probably tanks," said Reuters correspondent Samia Nakhoul from a vantage point in the city center.

At least 25 tanks and a similar number of fighting vehicles from the 2nd Brigade of the 3rd Infantry Division thrust into the south of the city via Highway 8 early on Monday, U.S. military sources told Reuters correspondent Luke Baker.

The column was in the central al-Karkh neighborhood, near the city's main racetrack and near one of President Saddam Hussein's city palaces, the sources added.

The U.S. advance was receiving close air support.

 以上、日本時間7日14:15現在速報でした。

 日本時間7日14:35。
 ……NHKさん、「いま軍事評論家の江畑謙介さんからの情報によりますと」というソースで伝える内容が「画面に映っていた戦車は、画面で見る限り、アメリカ陸軍のM-2ブラッドレー戦車ではないか」「上空を飛んでいた戦闘機はA-10ではないか」って……。推測するに、呼び出されイベント発生中なんだろうなー(笑)。
→日本時間7日14:55、その江畑さんスタジオ登場(笑)。

 しかし、現在もまともに出てくるニュースソース(ロイター、AP、CNNのように「目撃者によると」「情報筋によれば」でないのは)は、あの「FOXテレビ」だけなので、まだ「バグダッド陥落!」と騒ぐと肩すかしの危険が(苦笑)。

 19時まで全然情報変わらないので所要で外出、20時過ぎ帰宅。21時、ニュース見たら……何かニュアンスというかトーン変わってるんですけど〜。少なくとも共和国宮殿は制圧、反撃もあまりなかった、というような楽勝ムードだったのが、「現在も戦闘中、空爆も再開」とか言い出してる。海兵隊が橋渡ろうとしたらいきなり砲撃を受けて死者まで出てるとか。
 ……で、22:30(7日・日本時間)になって、「イラク側が現地時間午後(いま=日本時間8日0時はバグダッド時間19時)から、共和国宮殿はじめ米軍に反撃を始めた模様」と。あのー、何か話が随分違ってきてるんですけど??
 侵攻したアメリカ兵が、共和国宮殿の花壇でヘルメットも脱いでくつろいでる映像が流れてたけど、あんな空気で大丈夫だったんだろうか?と思っちゃいました。

ロイター(英文速報ページ)http://www.reuters.com/newsArticle.jhtml?type=topNews&storyID=2521884
Iraqis Launch Urban Fightback in Baghdad
Mon April 7, 2003 11:34 AM ET
By Khaled Yacoub Oweis
BAGHDAD (Reuters) - Iraqi snipers crouched behind bridges and artillery fire rang out from almost every direction on Monday as Iraqi forces defended Baghdad against U.S. troops who had thrust into the heart of the city.

"Iraqi forces are blocking streets all over town and their artillery is in action," Reuters correspondent Samia Nakhoul said. "The Iraqis are definitely fighting back."
 "The Iraqis are definitely fighting back."(イラクは明らかに反撃を行っています)というレポート、両側の被害の規模や戦果などがまったく分からないので、「大きなゲリラ戦」状態(自動小銃ではなくてロケット砲や戦車使って個人個人が勝手に攻撃)なのかもしれないけど、詳細不明なのでどうしようもないなあ。

 日付変わっちゃったけどこのまま流れで……。
 ラムズフェルド国防長官がペンタゴンで会見を始めました(日本時間8日3時)。
 定例会見のようなカンジですが……。まだNHKも中継してくれてなくてCBSのサイトで見てるので(=同時通訳なし)、内容はちゃんとした日本語訳が出てから(汗)。

「米軍が意図的に発砲」ロシア大使証言 米軍の弾丸発見 (朝日)
 バグダッドを退去したロシアのチトレンコ駐イラク大使は7日、車列が銃撃されたときの模様について「米軍が意図的に発砲してきた」と証言した。退去先のダマスカスで記者団に語った。ノーボスチ通信が伝えた。

 銃撃された状況について、大使は「国外退去中の外国人であることを大使館職員が身振りで示そうとしたが、(米軍が)職員に発砲し彼は頭部を負傷した。イラク軍との交戦は40分ほど続いた」と語った。民間人の車数台も同時に銃撃に巻き込まれ、死者がでたようだと語った。

 大使の車の運転手席から、米軍が使用するM16自動小銃弾が複数個見つかったという。

 大使は銃撃を受けたあと、シリアに到着するまで数カ所の米軍検問所で足止めされたうえ、米軍が車内を検査しようとした、と明らかにした。 (04/07 23:49)
 えーと……なんでそういうことになったかなー、というのが正直なとこで。
 もっとも、最後の話はどうなんだろう? よく言う「外交官特権」、ウィーン条約による不可侵権って、基本的には大使・公使などを受け入れる側(接受国)が責任を負うんじゃなかったかなあ。「退去中」の身分とかはよく分かりません〜。
 まあ、「大使」でなくても、どう考えてもイラク人には見えなかったはずの第三国人に発砲したら問題だけど。大体、最初はロシア大使は戦闘に巻き込まれた、つまり十字砲火だった、みたいな話だったのに、これだと全然話が違う。
 些細だけど気になった点。「国外退去中の外国人であることを……身振りで示そうとした」というのは、どういう状況だったんだろう?
 いまロシアの機嫌損ねるのは、どちら側も損だと思うんだけどね〜。

2003/04/06 病気も忘れた頃に……

 自然は人間共よりよほど能率的に人殺しをするものである。(リチャード・ゴードン博士あたりの挨拶)
 鈴凛です、おはようございます。
 ゴードン博士は、「第一次大戦の軍人の戦死者853万8313人」という数字の後に、
 戦争は四年かかって人類を殺して回ったが、インフルエンザはたった一年足らずでその仕事をやりとげたのである。スペイン風邪(=1918年)というインフルエンザは全患者の三%に相当する二千五百万人を殺し、人類の歴史上最悪の疾病となった。
と数字を挙げてインフルエンザの猛烈さを書いています。

 よく考えたらここんとこ、ウチはイラク以外のニュース扱ってなかったですね(汗)。
 もうあちこちで取り上げられてますが、「新型肺炎」、SARS(重症急性呼吸器症候群)が香港から世界各国に感染のおそれとして大問題になってます。
 アメリカのCDC(疾病対策センター Centers for Disease Control and Prevention)やWHO、香港大学などが早くもウイルスを分離してますが、「基本的には空気感染ではないはず」という当初の見通しは変わってない模様。
 そうフワフワと同じ空気吸ったら即感染、というのは少ないので……香港のマンションの集団感染だけが謎とされて徹底的に調べられている途中だけど、空調(細菌の在郷軍人病=レジオネラ症のパターン)や、共通で使うドアなどが媒介になったのでは、と疑われています。
 在郷軍人病は、細菌(レジオネラ属)が原因で、これが空調の水の中で繁殖していたもので、最初は「まさか」と思われたけど、いまでも加湿器や空調施設、お風呂の循環システムなんかでときどき感染が見られるから、そういう「媒介」を疑うのはよく分かる。ただ、今回のはウイルスなので、そうなると細菌よりも単独で生き延びたり増える力は弱いということになって、そうカンタンにはいかないんだけど……。
 一方、ウイルス性肺炎がやっかいなのは、抗生剤が効かないということ。細菌ならいろいろ攻め方があって、たとえば身体の中で増殖しようというときに細菌が使う酵素をシャットアウトして殺すとか、抗生物質がいろいろ工夫されているけど、ウイルスはそういう攻撃ポイントが少なくて、抗ウイルス剤は難しいんですね。
 抗ウイルス剤「ソリブジン」と抗がん剤を一緒に服用して死亡例が出て大騒ぎになったこと(ソリブジン事件)があったけど、あれは、細菌と比べて「身内」に近いウイルスを攻撃するクスリの難しさの一例かも。
 細菌なら「目に付く細菌皆殺し」をやれるし、それをあまり気軽にやっちゃって、普段は出てこないような弱い細菌に反撃される(耐性菌、MRSAやVRAなどの問題)という問題さえ出てきちゃうくらい「皆殺し」ができるけど、ウイルスはそうはいかないから。
 ただ、生物の授業でやったように、ウイルスは自分では増殖できないので、何か生き物がいてくれないとそこで終わるはず。よくイメージで出てくるシャーレの培養ゼリー、あれにゴホゴホ咳を吹き付けても、細菌と違ってウイルスは増えてくれないから。
 途中の「生き物」に何が入るか、で感染の強さや今後の対策などが違ってくるし……。天然痘が撲滅できたのは、「ヒトだけが媒介する」ウイルスだったからで、全世界でワクチン摂取したら天然痘ウイルスは居場所がなくなったから、という話になるので……。
 毎年のように流行するインフルエンザが、天然痘のように撲滅できない・なかなか予防できないのは、ヒト以外にも感染するのと、それによって毎年ウイルスの形が変わってしまってワクチンが作りづらいということがある。
 今回の分離されたウイルスに対してのワクチンは、CDCなどが大急ぎで作ろうとしていると思うけど、これがインフルエンザのように形がコロコロ変わるタイプだと今後は大変かなあと思います。
 ウイルスを直接やっつけるのは難しいので、体力が消耗しないように対症療法で抑えるしかないでしょうね。

 とか書いてたら……アレ?

「病原体はクラミジアの一種」 SARSで中国衛生省(朝日)
 中国南部を中心に流行している重症急性呼吸器症候群(SARS)による肺炎で、中国衛生省の阮力・ウイルス病予防控制研究所長は4日、「病原体はクラミジアの一種」と発表。米疾病対策センター(CDC)、世界保健機関(WHO)のコロナウイルス説と異なる見方を示した。
 クラミジアは細菌とウイルスの中間的な病原体。尿道、頸(けい)管、肺などに炎症を起こす。通常のクラミジア感染症は抗生剤で治療できる。 (04/05 23:38)
 話が違うんですが(苦笑)。クラミジアなら抗生剤で治りますね……。
 えと、教科書貸して……学生時代のだから古いですよ、これ……。
 1990年の『シンプル微生物学』と1995年『エッセンシャル微生物学第4版』? ホントに古いなぁ……。

 最初は「巨大なウイルス」扱い? 偏性細胞寄生性細菌?? ……手っ取り早い説明を求めます(笑)。
 一言で言えば、ウイルスと細菌の中間ですね(笑)。
 リケッチアだってそんなものじゃない?
 そう、「つつが虫病」や、分からないからとりあえず“Query”で報告された「Q熱」のリケッチアと似てますが……。ウイルス>クラミジア>リケッチア>細菌、みたいなイメージかと思います。
 具体的には?
 表にしてみましょう。
ポイント 細菌 リケッチア クラミジア ウイルス
1.自分で増殖できるか ×(例外あり) × ×
2.自分でエネルギーを作れるか × ×
3.細胞壁 ある ある (一応)ある ない
……ってところでしょうか。
 1.は、「他人様の細胞を乗っ取らないと、増殖もできない」ということで、ウイルスと細菌を分けるときによくそういう教え方をしますね。リケッチアとクラミジアはそこで×なんで中間に来ちゃう。
 2.は「放置されても、自分自身で飲んで食ってエネルギー作れるか」ということで、ウイルスはもちろん×ですが、クラミジアもダメ。他人に寄生して、しかも箸の上げ下げもやってもらわないと生きていけないわけです。
 ……それでも細菌?
 細胞壁を持ってますから……。ウイルスは細胞を乗っ取って、自分のコピーを作れってやりますが、クラミジアは一応、細胞の中に入っても全部は乗っ取らないで、そこらへんにあるエネルギーだけ拝借して自分で増えるわけです。中で増えて最後は乗っ取った細胞を破壊して外に出るんで、そのとき乗っ取られた細胞は死んじゃいますが、それまでは仲良く寄生しています。ウイルスは細胞の情報とシステムそのものを乗っ取るんで、そこが違います。
 どっちにしても迷惑じゃん(苦笑)。でも自分で増える気があるだけ、そこを叩けば殺せるか……。
 そういうことですね。ただペニシリン系やセフェム系などの「β-ラクタム系」は、「怪しい細胞壁を爆撃せよ」という標的で狙っていくんですが、クラミジアはその「怪しい」ところが元々なくて、普通の細胞の中で悪さしてるんで、標的になりません。
 細胞壁を絨毯爆撃したら危なすぎるから、怪しい建物に限定しないと精密誘導爆撃はできない、と。なんか物騒なたとえだけど(笑)。
 各家屋の中を覗いて、変な動きをしてたら撃つぞという作戦(テトラサイクリン系、マクロライド系抗生剤)や、細菌は壁の作り方が下手だから、とりあえず全部を爆破しちゃって再建が遅いとこは死んでね、という作戦(キノロン系薬剤)もあります。
 要は、絨毯爆撃では正常な身体の細胞が持たないんで、ちゃんとピンポイント爆撃しなきゃならない(選択毒性)、そのときに「市民」と「軍人」をどうやって識別するか、という問題です。
 どうしてもそこに持っていくか(笑)。でもそういう点では、ウイルスとかクラミジアは悪質だよね、普通の市民装ってるゲリラみたい……。
 クラミジアなら、まだ「中で怪しい動きをしてたら撃て」という攻撃で行けそうだけど、ほとんど市民装ったゲリラみたいなウイルスは攻撃しにくいなあ。
 そういうことです。無理に爆撃しようとすると、民間の被害も増えるのはご覧のとおりで……抗ウイルス剤が、狙う作用の割に、副作用が強く出てしまってなかなかうまく行かないのは、そういう民間装ったテロ組織への戦争みたいな難しさがあるわけです。
 以上、「イラク情勢に学ぶ細菌学 〜緊迫するバグダッド攻防戦と香港新型肺炎 VNI解説委員室からのコーナーでした♪
 ……ちょっと待って、そういうコーナーじゃなかったはず(汗)。
 というか、話どこか飛んでっちゃってるじゃない!(笑)
 そういうわけで、クラミジアなら、テトラサイクリン系抗生剤やニューキノロン系薬剤が効果があるそうです。
 ただ、その根本的な正体が分かってないから……。ウイルスだったらこの辺のクスリでも効果ないので。
 クラミジアからの感染症としては、ペットの小鳥から病気をうつされる「オウム病」があって、これはオウムだけではなくて、ハト・カナリア・十姉妹からもうつされるケースがあるみたい。あと、昔懐かしの……って懐かしがってるのが一人いるんですが、「トラコーマで失明」という悲劇が昔は多かったらしいけど、このトラコーマはヒトからヒトに、眼に直接伝染したクラミジアが犯人。
 引用した記事の最後のほうにあるのは、STD(性行為感染症、Sexual Transmitted Diseases)が増加する中で、クラミジアによるものが数で上位に入ってるからでしょう。
 クラミジアとウイルスは確かに挙動が似てるんだけど、治療法考えると天地の差なんで、病原体の究明が急がれるところです。
 ……ちょっと怖いことを思いついてしまったんですが……もしかしてすでにコレ日本国内に入ってて、発熱・肺炎の症状を訴えていた人はいたんだけど、日本のお家芸「カゼですかー?とりあえず抗生剤出しますね〜」で闇に葬られている可能性が……。
 ウイルスだったらそうはいかないけど、もしクラミジアがこの「新型肺炎」の原因だとしたら、「とりあえず抗生剤」出されると治るかもしれない。そうすると、患者本人も医者も治っちゃえば「性質の悪いカゼ」で済まされちゃってて、実は気づいてないだけかも……。

2003/04/05 時はめぐって

 「7年前の……約束」(下手すると抜かれる同業他社?者?あたりの挨拶)
 こんばんは、鈴凛です。
 ちょっと止まってましたね……いえ、とくに理由はないんですけど。エイプリルフールネタに、タイトルを「バーチャルネット解説委員妹・公共放送(JOAK594KHz)」とか変えようとか思ったんだけど……あまりにシャレにならなさそうなんで止めたっていうのは内緒です(笑)。

現在の侵攻状況ではありません  何度も読み直してて、いまさら気づいたんですが、コレは1992年3月に出版された平山健太郎・NHK解説委員(当時)の著書『エルサレムは誰のものか』にある地図。
 ……昨日今日(=4/5 19時現在)、急激に進んだ国際空港とかバグダッド市内は別として、その直前まで米英軍が「陥したぞ」と言ってた地域が、物の見事に重なっててビックリしました。
 というか、ほとんど「反乱経験のある地域」を突き進んだわけで……それにしては苦戦、ってことになっちゃうのでは。
 カルバラはもともとシーア派の聖地だから、アメリカが反乱を期待した(そしてあまりに楽観的すぎた)シナリオじゃないか、というのは前に書いたけど、今回「河渡ってから押さえたかどうか」で話題になった「クート」(地図では定冠詞の「アル」=英語のTheをつけて「アル・クート」になってます)も反乱起こしてたのか、と今更。
 まさかこの地図をもとに、この地域が全部味方につくと思って作戦立てたんじゃないでしょーね、と改めて問い詰めたいカンジがしました……。ラムズフェルドあたりはそういうお気楽シナリオ考えそうで(苦笑)。

 ついでに読み直していた『シュワーツコフ回想録』(新潮社)、つまり湾岸戦争のシュワルツコフ総司令官の回想録なんですが、こちらではお馴染みの名前がズラリ。
 第七軍団の前線は、何と後退しているではないか。……フランクスが率いる同軍団は徹夜進撃する予定と聞かされている。
 ……同軍団の遅れのせいでマッカフリー軍にブレーキをかけねばならなくなってしまった。……どうも競走馬と騾馬の二頭立てで引っ張る馬車の御者みたいな気分になってきた。

 パウエル議長もチェイニー長官もおそらく板挟みになっているのだろう。ワシントンにいるタカ派の代表たちが、フセインを痛い目に遭わせるまでは戦さを止めるな、とやっているに違いない。……こういう手合はジョン・ウェインの『グリーンベレー』だの『ランボー』だの『パットン大戦車団』だの勇ましい映画を観、机を叩いては……わめくだけなのだから気楽なものである。もちろんこんな連中は一発も弾を食らうこともなければ、死んだ兵士や海兵隊員の父母に責任を感じることもない。
 当時はパウエルが統合参謀本部議長、チェイニーが国防長官で、ご存知のとおり大統領は先代のブッシュです。
 しかし、まさかフランクス司令官まで……。巻末の解説に
 本書の序文で、同僚に対し時に厳しい批判も書いたが、実名を挙げることは差し控えた、と述べているが、その唯一の例外が、第七師団長フランクス中将である。……フランクス中将を、慎重を通り越して小心なまでの軍人であるかのように描く。
とあるように、例外で叩かれてる人が、いま巡り合わせのメンバーとは思わなかった。
 相手方のイラクのアジズ外相はいま副首相だし、「メディナ師団」なんてのもそのまま。
 で、いま(5日19時)、バグダッドにいよいよ米軍が侵攻というNHKニュース、柳澤解説委員と軍事評論家の江畑謙介さんが出てますが……。
 柳沢さんは湾岸戦争当時、バグダッドに乗り込んで真上にスカッドが飛んでいる映像を撮ってきた特派員だったし、江畑さんは延々NHKに出てて一般に知られるようになったんですよね。……当時は平山解説委員とコンビで出続けててたけど、あの頃に比べたらNHKは人使いマシになったかも(笑)。

 NHKアーカイブス、「いつでも飛ばせる」対策なのかな?
 どうせならイラン革命とか、イラン・イラク戦争、湾岸戦争なんかで山のように映像資料あるはず(「特派員報告」とか「プライム10」とか)なんだけど、逆にいろいろ問題あるのかしら(笑)。
 いま「湾岸危機・フセイン大統領単独会見」見てみたい気もするんだけど……あ、これはウチにビデオあったはずだなあ、どこに埋もれたことやら(苦笑)。

 えと、サハフ情報相が会見で「バグダッドは何も問題ありません。どうぞ行ってみてください」と思いっきり否定してます。
 ……なんか、米英側より、サハフ情報相のほうが愛嬌がいいような気がするんですけど……「お役人」対「独裁者」の戦争かな、これ(笑)。
 「ある種の男の愛想のいいのは、粗野な男の暴力よりも恐ろしいものだ。」
(シャーロックホームズ『高名の依頼人』)
 まあ、イラク側の発表だけではなくて、実際にバグダッドの中継映像には、空爆は見えても戦車は見えてきてないし。
 ロイターの報道や、カタール前線司令部の会見のニュアンスからすると、市内を制圧するような部隊を入れたのではなくて、一つは武力による偵察、もう一つには例の「衝撃と恐怖作戦」の延長のような、「米軍はいつでも市内に入れる」というアピールのような意味があるように思えます。
 アラファト・PLO議長の自治政府を、イスラエルの戦闘攻撃機が爆撃したとき、アラファト議長の執務室の隣の部屋を破壊して「我々はいつでも殺害できる」というメッセージを叩きつけたのと似てるかも。
(4/5 22:50)

 ……って、中東はともかく(笑)。
 ちょうど今朝、『NHKテレビ版 シャーロック・ホームズの冒険』が届いたんで、一気に読了。
 あのNHKで放送された、イギリス・グラナダTV制作のホームズ、これも湾岸なみに古い話だったんだなー、と(笑)。
 「パジェットの挿絵の生き写しのような」ホームズ役(声・露口茂)、ジェレミー・ブレット氏が亡くなったのが1995年。って、え、そんなになるの?というのが正直な印象……。
 あ、よく「BBC(イギリス国営放送)制作のホームズ」と言われますが、NHKで放映したこれはBBC制作ではありません。「本場イギリス制作」ということでイコールBBC、ってなっちゃうのかもしれないけど。
 この本は、よくある「追っかけ物」ではなくて、「テレビ化されたホームズの歴史」もきちんとフォローしてます。元の「ストランド」掲載のパジェットの挿絵と、TV画面を並べてるのも見ものです♪
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